- [著]奥田 英朗
- カテゴリ:
- 文庫 (329頁)
- ISBN:
- 4062752638
- 発売元:
- 講談社 (2005/12)
- 価格:
- ¥ 620 (税込)
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きっかけは山崎まさよし
きっかけはともかく、読み心地がよい本でした。自分の年齢がこの短編に登場するどの人物とも近いことが話に親近感を持たせてくれました。一番応えたのは最後の「パティオ」。40代は人生の中でも一番めまぐるしい時。子どもの事で悩み、自分自身の体と気持ちのアンバランスさを目の当たりにし、親たちの衰えぶりに驚く。忙しくしていると一番後回しにしてしまうのが、よくない事だけれど離れている親たちのこと。元気にやってる、問題ないよ、の言葉についつい優先順位を下げていることを正面から教えられたような感じでした。読んでいる間中、ついつい甘えている自分の姿を見続けていました。
手に取るきっかけとなった「ボス」。自分の姿に近いせいか、女性の登場人物に感情移入してしまいました。息抜きがあるからこそ、現実世界でも踏ん張れる、と言う感じがよくわかります。「マドンナ」とは違い、ちょっと遠い存在であることが切り替えがうまくいっていいところなのかもしれません。
奥田作品としては、ひよわな軽さ
電車の中で、通勤途中に読む。しかも、サラリーマン向け。といったところだろうか。
人物の内面の描写が中心なのだけれど、それが型にはまりすぎていると思う。もっとも、予定調和で心地よいという方は、多いだろうなとは思うけれど。
サウスバウンドの作者の作品とは、とても思えないし、イン・ザ・プールを書く人が、わざわざ書く必要があるのかと、思わず、思った。
おもしろかったけど、それだけだった。
大企業に勤める40代の管理職たちの悩み事
5つの短編で構成されているが、どの話も主人公が大企業に勤める40代の管理職で妻が専業主婦という一般的なサラリーマンの苦悩を描いた物語。40代というと子供がある程度の年齢に達して仕事でも責任あるポストを任せる年代なのだが、この話に出てくる主人公たちは実にくだらないことで悩んでいて妙にリアリティがあった。特に「ボス」は、女性管理職を受け入れられない中堅サラリーマンの心情を描いた話で、女性管理職が進める社内改革やそれに不満を言う男性陣の様子がおもしろかった。
奥田さんの本は引き込まれる
いつも長編が好きなのですが、そして奥田さんの本には、ずい〜と引き込まれてしまいます。
短編はどうかなと思いましたが、すごく面白かったです。
おじさんたちのお話なんだけれど、なんだか納得してしまうおじさんたちの会社の日常。
おじさん(サラリーマン)たちを応援したくなりました。
一気に読めます。
40代男性目線で捉えたサラリーマンの生き様―秀逸な作品群がここに集結!
痛快感と爽快感に満ちた圧巻の作品群が所収されている、これが私の紛れもない読後感だ。『ガール』という作品が女性目線で描かれた小説であったのに対して、本書はそれとは逆の男性目線で綴られており、余計に親近感が湧いた。40代という各作品に共通した年齢設定も面白い。会社での肩書きも「課長」や「部次長」であり、守るべき家族がいるといった、何かと「背負うべきもの」が増える年齢のようだ。本書にもたしかそんな文章があった。妻や子供、上司と部下の視点も盛り込まれ、どの世代でもアクセス可能であり、楽しく読めるのが本書の魅力である。
表題作の「マドンナ」と「ボス」という作品はとくに印象に残る作品であった。「マドンナ」は、新たに人事異動してきた20代女性社員に恋をしてしまう40代課長が主人公。彼女をめぐる部下との一騎打ちもなかなか笑えるが、あることを契機に、最後の最後で本当の彼女の心理・素顔を知ることになる。昔よく聴いた曲にあった、「振り向いた素顔は僕だけ知っていたい」という歌詞をただちに想起させられたが、課長はこうした経験を重ねることで、男の度量を鍛えてゆくのではないか。少なくとも無駄な人生経験ではない。「ボス」では、海外経験の豊かな女性が部長として着任し、部次長の自分との力量や思考様式・価値観の違いをまざまざと思い知らされるという内容。ある意味では、欧米対純和風という構図が透けてみえるが、その部長も一人の女性であることを発見するというシナリオも心地よかった。
総じて本書を読んでいて感じるのは、価値観が異なる人間同士が遭遇したときの緊張感に溢れる張り合いが、実にリアルに描き出されているということだ。会社組織はそうした人間が集結したある種の道場にほかならない。人生模様も多種多様である。多様な価値観が共存し合う社会は強い。それは本書の内容にも通じる精神性ではないのか。多くの方に是非とも読んでほしい。
40代のまじめで少し疲れたビジネスマン
ずっと真剣に仕事をしてきて、気が付けば40代。世の中のことも少しわかりかけ、でも少し疲れたりしている年代なのでしょうか?
読むと、「いかんいかん」となぜか思ってしまいます。
何となく自分にもあてはまるような情景
やはり表題の「マドンナ」がよかった。中年男性の勘違いと恋愛に対する期待とが、とてもよく書かれていて、なんか恥ずかしいやら、寂しいやら。だれでも一度は、こういう思いがあるんじゃないですかね。不倫願望とか。でも最後は、自分の老いと愚かさを思い知るだけ。人生こんなもんです。
サラリーマンが主人公の小説
40代の中間管理職(課長クラス)を主人公にした短編小説集です。
どの小説も実際にありうる話で、非常に面白く読めました。
中間管理職のことを描写している小説だと感じました。
酒井順子の解説が泣かせる
奥田先生には、筒井康隆のような作品を期待してしまう。
しかし、この作品集はあまりにもまともだ。
でも、面白い。
なんだ、「書ける」じゃんと再評価させた作品集。
個人的には、「ボス」の続きがとても気になる。
作品には直接関係ないが、酒井順子の解説がはまっている。
こんなに作品にぴったりな解説もめずらしい。
この本をうまく締めくくっている。
アットホームコメディー小説
人にはそれぞれの意見があって意見が衝突しあおうという気持ちがあるからこそ社会が成り立っているのだと私はおもう。それは会社でも家でもそうである。すんなり人の意見とか考えを受け入れるってのはおりこうさんだけどバカだとおもう。ようするにこれは自我が強い小説である。あと、どっかにあるんだけど普通にあきらめてる部分とか人間は必ずあるとおもう。それをちょっと頑張った人達のちょっとかっこよくてちょっと素敵でちょっとピュアでetc...
短編でありながら短編のような気がしなかった変な小説。ふつーにどこにでもあるような話だけれど1つ1つに、読み終わってからの気持ちの充実がある。優しいユーモアっていいですね。
