- [著]真山 仁
- カテゴリ:
- 文庫 (488頁)
- ISBN:
- 4062753529
- 発売元:
- 講談社 (2006/03/15)
- 価格:
- ¥ 820 (税込)
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注意喚起
ドラマ版のハゲタカをご覧になり、本書を読もうかどうか検討されている方へ。
単刀直入に申し上げると、ドラマ版と本書は全く別の作品です。ドラマ版のような感動を本書に期待するとその期待は見事に裏切られるでしょう。ドラマ版の鷲津は冷酷な仮面の下に優しい素顔を隠し持った非常に魅力的な人物でしたが、本書の鷲津は陰険、狡猾、強欲、傲慢なハゲタカそのものです。また、全体的に怒り、憎しみ、復讐といった感情が流れており、読んでいてあまりいい気分はしませんでした。
本書から材料として使われている部分はありますが、ドラマ版においてイニシアティブをとったのはこの著者ではなく全く別の方だと推測されます。ですから、ドラマ版とは全く異なる作品であるということを理解した上で読むかどうかを検討されるといいと思います。
ものすごく「当たり」
NHKでドラマをやっていたのを番組表で見て気になって読んでみた。
軽いテイストの本か,故なきハゲタカ批判の本かと勝手に思い込んでいたが,実は骨太な企業再生,日本再生に燃えて,それを実現するために奔走する人たちの本である。
また,ハゲタカとイヌワシの違いも知らなかった自分が恥ずかしくなった。
どこまでが実話かは評価できないが,当時起こった事象が有機的に繋がっているため結構真実味があり,現実もあたらずとも遠からずではないかと想像する。企業名も推測可能な名前になっているのがおかしい。
ハゲタカというと死肉をむさぼるというイメージがあるが,実は事業再生,産業再生ビジネスの本質はそうではない。
本業が健全であるにもかかわらず同族による乱脈経営で窮地に陥っている例も多い。そのような中,不採算事業を切り捨て,債務を切り離し,経営者の一新を図り,新たに資金を入れて設備の更新を図って事業を再生するビジネスの実際的な有効性は,本書を読んで初めて理解できたと言っていい。
一方,最後まで企業にしがみつき,それをしゃぶりつくそうという同族の「欲」という業の深さも余すところなく語られる。
再生ファンド,M&A,DIP等のファイナンスはさまざまな本で手順が語られるのを自分なりに読んできたが,これをこのような切り口から法律や各種の制度を理解しながら,鮮やかに物語として語っていく著者の筆力はただものではない。株式や債権をどの程度持っていると何ができるのかという辺りのノウハウはハゲタカしか持っていないだろう。
あと,興味深かったのは,産業再生の現場は,権謀術数渦巻く戦いの場であるということである。人脈,情報を駆使したもののみが勝者になれる厳しい世界である。ただ,このようなダイナミックな世界に若い人はあこがれるのではないだろうか(成功報酬で報われるわけであるし。これに比べると普通の大企業は退屈でしょうがないものであろう)。
面白い!これは買いです。
私は最初にNHKのドラマを見て、テーマが面白く、原作を
手にとりました。
ドラマとは違うストーリー・価値観があり、別のものとして
面白く楽しめます。
経済小説なのですが、純粋なフィクションとして楽しめます
し、肩肘張らずに読めます。
ストーリーテラーとしての作者の腕前は確かなものと、偉そ
うではありますが感服しています。
ご一読をお勧めします。
但し、実際のファンドや会社(多くは問題会社なのですが、
多かれ少なかれ、どの会社にも内在する問題意識です)とは
当然違うものなのだ、ということを踏まえて、楽しんでほし
いと思います。
展開が速い
どうでもいい感想だが、全編通して登場キャラのリン・ハットフォードが鬱陶しい。
このキャラを読者に好かせようと思ったのか嫌わせようと思ったのか
著者の意図がどちらにあるのかはわからないが、前者だとすると思いっきり外していると思う。
あと経済小説なので仕方が無いのかもしれないが、キャラの心理描写(文章表現)が弱いと感じた。
自分の金融についての知識が乏しいせいか、ところどころ会話の流れが理解しにくいところがあった。
展開が速いので読み始めれば一気に読めるタイプの小説だと思う。
経済小説として気軽にはまれます
スリリングな展開と、まさにハゲタカのようなテンポの速さで、あっという間に読み終えてしまいました。
最初は「上」だけ購入しましたが、すぐに「下」も購入しました。
著者の”記者”としての経験からか、失われた10年とはこういう世界だったのか、とその世界に入り込んだように感じられます。
ただ、主人公鷲津のあまりにも人の心を読んだ行動に、最後は違和感のほうが大きくなった気も。
経済小説として、電車の通勤時に気軽に読むことができました。
「サムライ」魂を感じたい人にお勧め
○読み始めたきっかけ
以前、NHKのドラマ放映を見ました。全部は見れなかったのですが、久しぶりに
「面白い!」と思い、次回が気になる内容でした。他のレビュアーの方も指摘して
いる様に、ドラマの方が原作に比べると重いテイストに仕上がっています。
○心に残る言葉
p.401 弱肉強食の国際金融の世界で生き抜く最大の武器は、情報収集力です。
一つの情報は、時に数億ドルのカネを凌駕するほどの力を持っています。
→これからは、「おカネ」や「資産」が優位性を持った時代ではなく、「情報」
や「付加価値」が重要だと思った。おカネやモノは、必要に応じてレンタル・アウ
トソーシングできる。しかし、重要な情報・付加価値だけは自分で探さなければな
らない。検索サイトのグーグルにしても、そのような情報を付加価値をつけて提供
しているに過ぎない。
自分も何か他者とは違う「情報」をもっていなければ価値がない。
p.457 アメリカの金融機関の良くないところの一つは、自社の名は世界中どこで
も尊敬と畏敬の念で崇められると勘違いしていることだ。(中略)。目的がビジネ
スの成功にあるなら、敷居を低くして、客を集めやすい環境に気を配ることが必要
じゃないか。
→なかなか欧米の小売業(ウォールマート、カルフールなど)が日本で成功しな
いのは、日本独特の商慣行だけでなく、このような要素もあるのではないかと思い
ました(業種は全然違いますが)。現在、スウェーデンの家具屋「IKEYA」がヒット
しています。前回、進出した時は失敗し一度撤退しています。北欧家具の「イメージ
戦略」と「低価格戦略」がうまく、日本市場にマッチしたのでしょう。
中国でも大変な売れ行きです。決して品質は良くありませんが、マス市場である、
中の上レベルの若年層消費者から支持されています。デザインがちょっとお洒落で
手が出せる価格というのがポイントです。
○どんな人に読んでもらいたいか。
大企業で働いていると、このような組織の壁には誰もが悩まされる問題だと思った。
その中で自己の正義感や信念に沿って行動する「サムライ」魂を感じたい人にはお勧め。
経済合理主義、責任感、けじめがキーワードです。
経済やバブル期について、興味のある人は楽に読み進められると思います。
M&Aについて知りたいと思った時に読むと、非常に勉強になる本
NHKドラマを1話しかみれなかったので読んだ
ドラマとは全然内容が違うが非常に面白い
キャラクターがたっており物語に引き込まれる
ハゲタカファンドとして一昔騒がれた事がどういう事だったかがわかる。
日本独特の仕組み
ビジネス理論だけではなく・人間関係・政治家の影響力が非常に大きい
M&Aについて知りたいと思った時に読むと、非常に勉強になる本
正義がしたいこの国のため
新聞記者だった著者だけにハゲタカが猛威を振るった日本を、ある視点に偏ることなくバランス良く書き上げてる。
NY帰りのハゲタカ代表の主人公があまりにも出来過ぎ君なっていうのがひっかかるけど、彼が悪キャラを懲らしめるあたりは水戸黄門みたいで爽快。日本の腐った経営者をやっつけるハゲタカって正しくて、良いやつらだったんだー、てワケでもないってこともやはりちゃんと書かれてあるし、古今東西ビジネスとは〜、人間とは〜みたいな原則も目立たないけど触れてある。基本は金の話ばっかりだけれども根底には、正義がしたいこの国のため、みたいなスピリットがある。
小説としても面白く読めるし、経済に何となく詳しくなったような気分になれるという一挙両得な本格派経済小説。でも、主人公と貴子のフォーリンラブな場面は必要だったのかしら。
ハゲタカを正しく評価している小説
日本でいうハゲタカファンドの上陸とその変遷を題材にした経済小説
私は先にテレビの方を見てからこの小説を読んでいるが
まだ上巻しか読んでいないものの,うまく小説の真髄をつかみつつ
映像にしているなぁと思いました.
小説の方は,ハゲタカファンドを,企業再生,債権整理などちゃんと区別
しており,かといって,他の経済小説に見られるようにスキームなどを
理解しなくても読めるようになっている.
また,企業再生などの負の側面だけでなく,両側面から正当に評価しようと
している著者の考え方は作品を作る上で大変さが感じられるだけに
作品にいい影響が出ているのではと思う.
下巻,ハゲタカ2と読み進むのが楽しみな小説です。
上下一気によみました。
放漫経営の中小企業の話や、バブル期のリゾート開発で瀕死の老舗ホテルを
外資のファンドがいかにして、買収したり、経営権を握るのか
魅力的な主人公たちによって、感情移入しつつよく理解できた。
