- [著]横山 秀夫
- カテゴリ:
- 文庫 (351頁)
- ISBN:
- 4062754622
- 発売元:
- 講談社 (2006/07/12)
- 価格:
- ¥ 620 (税込)
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ちょっとガッカリです
この人の作品は圧倒的に短編が良い。例えば「半落ち」にしろ「クライマーズハイ」にしろ、物語が大きくなれば成る程、登場人物の個性が消えてしまっているように感じる。
それと、自分を犠牲にして家族や愛する人を守るって言う大義名分で、彼等は死んでいったのかどうかにも疑問を感じる。本当か?本当にそんな陳腐な理由なのか?
余りにも主人公の心の揺れの振幅が狭い。本当に死を覚悟するって言うときに、こんな心の揺れで収まるのか?
読後に少し後悔しました。もっとちゃんとした「特攻」の物語は他にあります。
映画よりこちら
映画より原作の方が面白いことは多々あるが、この作品も同様。
著者の淡々とした表現が、戦争をより身近なものといて想定させる。
特に後半が良い。空の特攻はよく知られているが、海の特攻「回天」の存在も、もっと知られていいと思う。
「敗戰記念日」に
「人間魚雷・囘天」。
なんといふ、おぞましい響きの言葉だらう。
子供の頃、父から、かういふ兵器があつたとふ話を聞いた。
飛行機で敵艦に突つ込む「神風特別攻撃隊」には、子供心にも、まだ勇壯なイメージがあつた。
しかし、この「囘天」は・・・
主人公の獨白。
「わかつてゐる。俺たちがやるしかない。體を張つて日本を守るしかない。家族を、美奈子を、俺が命を捨てて守るしかない − 。」
數年前、鹿兒島の知覽で、特攻隊の兵士達の手記を讀んだことを思ひ出す。
讀了したのは、あたかも「敗戰記念日」。
いまの平和な日本があるのは彼らのお蔭だといふことを忘れたくない。
英靈の聲なき聲に耳を傾けやう。
そして、いま私たちに出來ることは何かを考へやう。
2006年8月15日読了
伝えていくべきこと
神風特攻隊は知っていた私も、人間魚雷「回天」なるものの存在は知りませんでした。
脱出装置なしの海軍特攻隊。その操縦の難しさや、故障の多さから、実戦で効果を挙げることは少なかったようですが、そのことが一旦は「死」を覚悟した人間が本人の意思とは裏腹に生きて帰ってくることとなり、死ぬことのの意味、自分の命の使い方について深く考えるきっかけとなります。
ほんの些細な選択や、行き違いで生死が決まってしまうという展開は、まるでロシアンルーレットのゲームのようで、なぜ「並木」が…、とおもわずにはいられません。
今の時代を生きるすべての若者に読んでもらいたい書です。
あの時代の「空気」を感じます
映画は観ていないのですが、「回天」の物語ということで読みました。
あの時代にも、こんなにも人間味にあふれた物語があったのかと、
というか、あって欲しいと、フィクションと知りつつ、
その暖かさにすがってしまいたい自分を感じながら、読み進めていましたが、
主人公の最後は、「半落ち」に似たすっぽ抜け感を感じてしまいました。
あの時代って、きっとこういうものであったのだろうと、
その「空気」を感じさせてくれる小説です。
日本の歴史の真実回顧
決して明かされることのなかった悲劇・・。
人間魚雷。こんなことがこの100年のうちにあったなんて、今の日本では信じられない。
教科書での歴史認識の甘さを痛感する一冊。
小説らしく、主人公の生き様、恋愛模様も含めて描いているところが、読者を暗い気持ちにさせない横山さんらしさ。
重たくならずに、衝撃の歴史認識を与えてくれます。
日本人だけでなく、同じ世界の若い人にこそ読んで欲しい1冊。
映像化は至難のワザです
第2次大戦中の人間魚雷兵器「回天」にまつわるフィクション・ノベルです。
淡々と物語りは綴られ、
特に「大泣き」したり、ドラマティックな展開があったり、
つくづく考えさせられたり、絶望的な気分になったりしません。
文字数も少なめで、1日で読みきる事も可能です。
とっつき易い、戦争小説モノ、と言えます。
でも、なぜか「心に響く」のです・・・
読み終わると、なぜか忘れられない「力がある」のです・・・
横山さんの筆力なのでしょう。
優れた短編を多く書き、根はジャーナリストだった著者の小説家としての能力が、
この作品を凡庸なモノではなく、
なぜか「心を打つ」作品に昇華させてしまうのだと思います。
まるで「シナリオ」の様な文体なのですが、
実際に映像化して、この内容を伝えるのは至難のワザであると思います。
映画をご覧になられて、本書に興味を持たれた方がいらっしゃったら、
是非、ご一読ください。
「一生心に残る」作品として、刻まれると思います。
最後は、思わず涙!!!
最初、映画化してるけどどんな話なのかなーっと思い、買ったのですが・・・・ものすごく泣けます!!。この人達のおかげで、今のような暮らし等ができていると思うと感謝なのですがこの様な人達に生きていてほしいと思わせられます。すごく感動的で良い本なので読んで頂きたいです。
深海の孤独・・・
初盤から中盤までのストーリーは、少々迫力と魅力に乏しかったですが、
読み終わると、なるほど後半での死に迫る状況下での彼らの心理状況との
対比が強烈に際立つ効果があったんだなと思いました。
主人公たちが軍隊に駆り出された後、それまで野球や自由を謳歌していた
恵まれた身分の学生だった彼らが、理不尽に罵倒され、精神的肉体的な
苦痛に耐え続けなければならなかったということ。こんなに苦しいのなら
今すぐ死んだほうがましだと思うまで思いつめられた過酷な訓練の日々。
しかし、本当にある日突然、死が運命付けられてしまう…。
魚雷「回天」の特攻隊として乗る込むことになった主人公たちがその最後の
日々まで何を思い、何を感じていたのか。彼らの切迫した心理状況を非常に
克明に描写していて、胸詰まる思いがしました。
クライマックスになるにつれて濃厚になっていくストーリーで、ラストは
死に行く主人公たちの息が詰まるような心理描写が展開され、本当に胸が
痛みます。
一人の人間をこうも簡単に一兵器にしてしまう戦争の恐ろしさ。戦争と
平和について真剣に考えさせれる作品です。
著者の短編が好きです
一連の警察小説で著者のファンになり、ミステリーでないと知りつつ手にとってみました。
私も「回天」の存在を知らなかったので興味深く一気に読めました。後半の死を前にした登場人物達の心理描写に圧倒されました。
が、「陰の季節」等のミステリーの短編が著者の持ち味だと思うので星4つとしました。
