我、拗ね者として生涯を閉ず〈下〉 (講談社文庫)

  • [著]本田 靖春

カテゴリ:
文庫 (471頁)
ISBN:
4062759071
発売元:
講談社 (2007/11)
価格:
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評価: 4.5
2008
11/24
Mon

さらば読売新聞!!

[No.3] posted by わかすぎ一路

献血をしたことがある。そして幼いころの記憶に「黄色い血」もある。
この本を読んで、売血を献血に転換させる第一歩はこうして始まったという
歴史をその歴史を動かした本人の回想で知った。
売血の記憶と献血が私の中でつながった。

誰にもできることではないけれど、
「正義」を「正義」として発言し行動するできる人がいて、時代があった。
しかも、その人が読売新聞にいたという事実が世の移り変わりを象徴している。

読売を愛しながらも、正力・渡辺の読売に留まる選択肢はあり得ないという
本田氏の強い気持ちがひしひしと伝わってくる、
正しいことを正しいと主張し続ける強さを思い知らされた。

上巻に続き、読んでよかった。

2008
05/19
Mon

新聞がつまらないわけです

100.0% (2 / 2)
[No.2] posted by Coffey man

(上巻からの続き)
 全体として彼の幼少の生い立ちから、絶筆までを延々書き綴っており、やや起伏
にかける印象を受けましたが、第八部 渾身の「黄色い血」キャンペーン は一読
に値します。長らく日本を騒がしている血液製剤感染問題で、国と被害者の和解が
成立したことは記憶に新しいところですが、彼の「売(買)血追放・献血百パーセ
ント」活動は、後世の薬害エイズ問題、フィブリノゲンによるC型肝炎問題のルー
ツに切り込み、取材対象をすべて実名で克明に綴っています。一連の血液性製剤に
よる薬害を考察するに当たっては、外せない資料となっています。新聞記者は、
本気になれば社会を変革するパワーを持っていることを見せ付けられました。

 それに比べて最近の新聞のつまらないこと。大新聞を私物化する経営者やそれに
媚びへつらうサラリーマン記者の記述も後半出てきますが、このような内部状況が
紙面をつまらなくして読者の減少に歯止めがかからないのでしょう。かく言う私も
活字が大好きにもかかわらず新聞は何年もとっていません。読者減少をインターネットの
せいにするのは簡単ですが、新聞が衰退していくのはその内部体質によるところが
大きいのではないでしょうか。このままでは本当にメディアとしての新聞の役割は
終わってしまうと思いました。

2007
11/17
Sat

闘病記ではない。ただの自伝でもない。圧倒的な迫力!

100.0% (9 / 9)
[No.1] posted by 辰巳

両足切断、ガン……まさに満身創痍でありながら、
この自伝的ノンフィクションには、自分の病についてはほとんど触れられない。
「私は闘病と貧乏物語が嫌いである」と言い切った著者の矜恃が
ぐいぐい伝わってくる。

また巻末に納められた「編集付記」は、ぜひ読んでいただきたい。
左大腿部切断の大手術中に起こった麻酔ミス――
それに対して激痛に耐え、医者に「それでもプロか!」と叱りつける迫力。
本田靖春の生き方を見た。

「正義」「ヒューマニズム」……もはや死語にさえなりつつある
あるいは「アメリカの正義」などというようにねじ曲げられて使われる言葉が
まっすぐに突き刺さってくる。


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