- [著]石田 衣良
- カテゴリ:
- 文庫 (305頁)
- ISBN:
- 406275908X
- 発売元:
- 講談社 (2007/12)
- 価格:
- ¥ 560 (税込)
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ファンには嬉しい一冊
裏表紙に「人気作家の素顔を垣間見ることができる、あなたのための特別な一冊。」とありましたが、そのとおり石田衣良ファンのための本だと思いました。
掌篇の前に筆者の解説があるのも、ファンとしてはエッセイをお得読み出来た気分でしたが、これもファンかファンでないかによって感じ方は違うでしょう。
筆者のお得意とする、透明感あふれ美しいエロスを感じる「片脚」、「左手」。
良き夫が子供が産まれたことにより壊れていく「ジェラシー」。
筆者がデビューした経緯とその頃のプライベートがわかる「I氏の生活と意見」。
(これでは作家を目指す若者に、深い!と思わせるメッセージがありました)
あげていくときりがありませんが、男が冒頭で死に、正妻と愛人にメッセージを必死に伝える「最期と、最期のひとつまえの嘘」には、ホラーを感じつつ泣けるものがありました。
しかしファンとしてはやはり、筆者の20代の恋愛がわかる「ひとりぼっちの世界」を興味深く読みました(笑)
どれも読みやすい長さなので、ファンならずとも楽しめるでしょう。
自由な詰め合わせ
読み終えるとなんだかホッとする話。
ちょっと気味の悪い話。
実体験+ファンタジー。
とまあ自由気ままに書いた短編が詰め合わせてあります。
話の前半に解説があるのは、特に気にならなかったですね。
むしろ変わった構成だなあと肯定的に捉えてました。
(解説は本編と書式が違うので、後からでも読めます。)
自由とはいいつつも話がつながってたりするので、短編は順番に
読み進めていくことをお勧めします。
最後はちょっと泣きそうになりました。
ファン向けの、小粋な短編集といったところ
雑誌に連載していたかなり短めの短編をまとめて一冊にした、というもの。
テーマはいろいろながらもテイストはすべて一緒なので(同じ人が書いているのだから、当然ではあるが)、ファンにはうれしいかもしれないが、そうでない人には一気に読むのは少々つらいかもしれない。
それでも、扱われているテーマはどれもなかなか興味深いものだし、いろいろ考えさせられるようなものも多い。
ちょっとした時間でちょっとずつ読む、という分には、なかなか面白い短編集だ。
ただ、これは他のレビュアーの人も書いていることだが、どうしても納得いかないのが、それぞれの話の「前」に、著者の解説がついていること。
著者にそういう意図はないのかもしれないが、「こう読みなさい」と指示されているようで、ちょっと興ざめだった。
よくも悪くもファン向けの、「タレント作家の小粋な短編集」といったところでしょうか?
ちょっとずるい
短くきれいにまとめるのはこの人の特技ですね。
しかし、短編の前に各々その作品の解説が入ってるのは…ちょっとずるくないか?
「こういう作品です」と言われればそういう先入観を持って読めるじゃあないか。
読者の気持ちを誘導できるじゃあないか。
それが+に働いているとは言いがたい作品もまああるけど、大概は有効に働いている気がする。
解説はせめてあとがきでやってほしかったなあ。
