- [著]真山 仁
- カテゴリ:
- 文庫 (511頁)
- ISBN:
- 406275925X
- 発売元:
- 講談社 (2007/12)
- 価格:
- ¥ 820 (税込)
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ユーズド商品:¥ 108 より
現場の記者と上層部との意見の対立
今までOKだったのに上司が突然ダメ出しをしてきた。。。その理由があまりにも理不尽。。。
というのはほとんどのサラリーマンなら一度は経験したことがあると思います。そういう人にはぜひ読んで欲しい本です。
わかるわかる!!という箇所があるはずです。
一般社員では計り知れない謀が蠢いているんだろうな、と思いました。
イラク人質事件
2004年のイラク人質事件の際のマスコミの報道と世論を題材とした小説。
展開の早さ、登場人物の魅力など素晴らしい筆致で一気に最後まで読ませる筆者の力量には
感服した。
また題材となっているイラクの人質事件もすでに4年が経過しており、
正直な私の印象は「そんなこともあったなー」位だった。
しかし読みすすむうちに当時のマスコミの報道や政府のコメント、これら世の中全体を
巻き込んだバカ騒ぎが思い出された。
この事件に対し、筆者は政府のマスコミを利用した世論操作の可能性を強く出している。
しかしあくまで小説内の話であり、フィクションである以上「そうであったら1番面白い」
展開にするのは当然といえる。その意味でこの小説は成功している。
実際、この事件は当時のバカ騒ぎのわりには意外と後日談が少ない。
被害者のPTSDなどを気遣っての事とは思うが、
このときの全ての国民を巻き込んだバカ騒ぎについては一人一人が冷静に事件を俯瞰し、
現在絶え間なく流れるマスコミ報道への自分自身の距離感や価値観を考えてみるのもいいと思う。
よく出来てる
複数の視点を入れ替えて物語を紡ぎ出すという手法で、
各登場人物それぞれが個性的でリアルに感じられます。
物語は淡々と進むのですが一体どういう方向へ行くのだろうと
不思議に思う暇もなく、読み進められるのは著者の筆力というもの
なのかと思います。
脇の登場人物もリアルに感じられるので、それがこの小説の
よさなのかなと思います。
エンターテイメントととして純粋に楽しめます。
同じく元新聞記者の「半落ち」の著者の小説をちょっと彷彿とする感じ
というのは、登場人物が結構みな悩んでいるからか。
魅力的な人物が続々登場。
真山作品に登場する人物はいつも魅力的だ。
ハゲタカの鷲津もしかり、今回の風見や黒岩もそうだ。
何かに立ち向かっていく強い人物がとてもカッコよい。
作品の最後にはフィクションであるということが強調されているが、
実在の人物、企業、団体に置き換えて読むと一層面白いかも。
ストーリーも先がドンドン読みたくなる作品。
おすすめです。
プロレス上がりのアナウンサーのバカっぷり
私はテレビ番組製作業を営む会社に勤め、プロダクションマネージャーとして13年働いている。
そんな私が思うに、まあかなり良くできている話ではないかと思う。
テレビ局の営業担当の姿がないとか、代理店の影が薄いとか、今のテレビ局にこんなに気骨のある人がいるのかなあという疑問とか(ま報道局の人とは仕事したことないから実態は知らないけど)、
親子の会話が凄まじく不自然であるとか、お笑いプロデューサーと部下のディレクターの会話があり得ないくらい不自然で異常とか、
イラクがモデルの国を「イスラム共和国」というネーミングにするとか、アルジャジーラをメソポタミア放送とネーミングするとか、毎朝新聞という毎日新聞がモデルなのか朝日新聞がモデルなのかわからないようなべったべたなネーミングするとか凄まじいまでのセンスの無さ(あるいはステレオタイプなわかりやすさを示したかったのか?)とか、
そのくせヨルダンはヨルダンと実名を出しているアンバランスさとか、
報道局の37歳のディレクターが運転手付きの車で取材に行くなんていくら局とはいえそんな贅沢できるんですかい?とか、
まあいろいろと文句はあるけど、
まあ結局夜中の1時まで読みふけって一気読みしたので、面白かったんだろう。
それと、明らかに古舘伊知郎(がモデルとなっている数行だけ登場する人物)のことを問題外のバカと断言しているところに、著者の気概を感じる(大袈裟)。
登場人物よりも「仕組み」
読ませますね。
ハゲタカもよかったけれど、
こっちもよかった。
企業もの、社会ものの小説の場合、
登場人物には、概して
わかりやすいキャラクターをもたせるものなので、
主人公は、「テレビの仕組み」と思って読んでも
よいのでは。
いろんな世界の小説を書いてほしい
作家です。
ハゲタカ好きにはお勧め
読んで損はないと思います。ただ、イラクの人質事件の感情操作というくだりは、何度考え直しても違和感を感じました。単純に第一印象として、「行くなと言ったのに行って捕まった」その結果を引き受ける覚悟をしていたならまだしも、悪びれもせず助けろって…と思った記憶があります。強制的に行けなくしたら、それはそれで権力がどうのこうの騒ぐのでしょうし。まあ、それ自体が操作なのだと言われれば、精神分析よろしく反証のしようもないので、それ以上話は進みませんが…個人的にはあれは、政府の意図と常識的な正論がたまたま重なったのではないかと思えます。作品的には、中立的というか俯瞰した視点で書かれているので、権力の闇、テレビ局の闇などの記述が面白いですが、登場人物にはあまり感情移入できない感じがしました。「権力の監視」をモットーにするのもいいんですが、それは「目的」ではなく、民主主義が機能するための「手段」でしょうに。
政治家や官僚がかわいく見えてしまう・・・?!
テレビ番組の作り手の視点から見た政治、社会、行政という設定。実際にあった宗教団体の弁護士一家殺害事件や某戦闘地域での邦人人質事件等を彷彿とさせる出来事をネタに話が進む。著者は大手新聞社記者出身という経歴のせいか、メディアの「正義」にどうも甘い。この小説を読むと、「現代社会で最も権力を有するのは結局メディアなのか?」という諦めとも絶望ともつかない思いにかられる。
政治家や大金持ちも個人、社長や次官もポストに過ぎず、いわば、期限付きの権力者だ。しかも所属と氏名、顔という個人性を表面に出した権力者だ。それに比べてメディアは、顔のない組織が、現代では最も威力を発する情報操作という「権力」で人の心や社会のシステムを動かしていく。その中にあって、マスコミ人が勘違いしてしまうのもむべなるかな。
メディアの報道は、所詮、つくりものだ。記者が取材した時点で既に「事実」は二次情報になり、視聴者や読者に届く頃には、無限のフィルターを通過し、しかも映像もコメントも切り貼り。今更と思いつつも、「報道」の必要性を考えてしまう。
この小説の中で、唯一救いなのは、バラエティ番組プロデューサーの「笑いを届けたい」という真摯な思いだ。案外、テレビ局の存在意義の本質は、今の世の中、バラエティやドラマという、完全な作り物にあるのかもしれない。
TV局放送免許の仕組み・ジャーナリストとは何かを知りたい時に読むといい本
TV局の、ジャーナリスとお笑い番組プロデューサーがそれぞれの、目指すものに向けて進んでいく話
○気に入った言葉○
・情報とは、情けに報いる事
・報道とは、道に報いて初めて報道と言える
・人類には、誰も敵わない笑いという武器がある。
○感想○
ハゲタカ同様、一気に読み込める(リズムがいい)
TV局放送免許の仕組み・ジャーナリストとは何かを知りたい時に読むといい本
テレビ局をめぐる権力闘争と情報操作を描く
超おもしろ小説「ハゲタカ」を書いた著者の本ということで、かなり期待した。
ハゲタカほどのおもしろさはないが、期待は裏切らない作品。
テレビ局ー広告代理店ー政治家ー官僚による、
情報操作と権力闘争が見事に描かれていて興味深い。
ただ題材とされているのがイラクで日本人3人が捕まった事件で、
政府が自衛隊派兵の責任を逃れるために、
被害者に自己責任論を押し付けたというくだりは、
違和感を覚えてしまうが、
まあそれはそれとして、権力や情報操作に負けず、
テレビの力を使って世の中をよくしていこうという、
2人のディレクターを描いている話はなかなかおもしろかった。
