- [著]薬丸 岳
- カテゴリ:
- 文庫 (438頁)
- ISBN:
- 4062761386
- 発売元:
- 講談社 (2008/08/12)
- 価格:
- ¥ 700 (税込)
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ユーズド商品:¥ 166 より
少年犯罪について複数の視点から考えさせられる
いわゆる"少年犯罪"の話。主人公・桧山は生後5ヶ月の娘の目の前で妻を殺された。
が、犯人は3人とも13歳の少年のため、罪に問われることがない。
そしてその4年後、その少年のひとりが何者かに殺害され、
アリバイがなく動機のある桧山は警察に疑いを持たれてしまう・・・。
ここから再び事件が動き始める。
妻を殺した少年は、事件の後一体どういう気持ちで日々を過ごしていたのか?
反省はしていたのか?更生への道をきちんと歩んでいたのだろうか?
桧山はそれを知りたいと思うようになり、そしてここがこの作品の大きな鍵になる。
つまり、妻を失った夫の恨みや復讐心ばかりを強く押し出すのではなく、
あくまで少年法とは何か?更生とは何か?そして、なぜ少年達は犯罪を犯してしまったのか?
というところを突き詰めていく点にいい意味で期待を裏切られた。
被害者の訴え、加害者の訴え、そして少年達の更生に携わる者たちの訴え。
それぞれの視点から明かされていく事件の"真相"に、なんだかやり切れない気持ちにさせられるが・・・
最後はちょっとうまくいきすぎというか、出来すぎでは?と思う点も否めない。
人物の描写に難あり
乱歩賞作品ということで読んでみました。
テンポがよく、文章も読みやすく、
最後まで飽きずに読めました。
扱っているテーマも重要なものだと思いました。
ただ、人物描写。特に女性の描写がどうも
好きではありません。
好ましいキャラクターが男性女性含めいなかったので
そこまで面白いとは思いませんでした。
解説は高野和明氏が書いていましたが、
本作品はそういえば彼の書いたものに似ているような
感じもしました。
ストーリーの展開も少々無理があるような気もしましたが……
一気に読みたくなる!
友達に薦められて読みました。
犯罪の低年齢化が進む時代。少年犯罪法の憤りについて考えさせられました。
テーマは重いですが、内容の展開がとても深い。
ラスト1/3の展開には驚かされました。
とても練られたストーリで読みごたえがありました。
読み応え充分
犯罪被害者の遺族にとって理不尽な少年法。その少年法によって、犯人が罪をつぐなったのかどうかわからない・・・。そんなこと、あってはいいものか?と思ってしまう。今の世の中は少年少女の、凶悪犯罪が多発しているのに、その罪を犯した少年少女を守ることはあっても、遺族にとってはなにも、情報が与えられない・・・。
この作品を読んで、その理不尽さを改めて思い知らされた。罪を犯した少年少女が更生するのは、どういうことなのか?人によって思いは色々だと思う。この作品には贖罪という言葉が出てきます。罪を犯した少年少女たちは、一生この気持ちを持って、社会にでても持っていて欲しいと思います。
審査員が5人とも絶賛
第51回江戸川乱歩賞受賞作
少年犯罪・少年法という近年特に話題とされることが多く、取り扱いの難しいテーマを取り上げた作品であるが、被害者のみでなく加害者の視点からもこれらの問題をとらえ、うまくまとめている。
巻末の選評を読むと、初回の投票でダントツで賞が確定したそうであるが、それも納得できる出来映えであった。また、近年ではあまりないことであるが、審査員が5人とも絶賛していることからも、質の高さがうかがえるのではないだろうか。
(昨年の受賞作の選評は、受賞作とは思えないほど酷評されていた。)
作品を読んでいて気になったのは(以下少しネタバレ)、被害者の預金通帳と、初回の殺人の動機である。いくら妻を殺されたショックがあるとはいえ、500万円という大金を事件直前に妻が引き落とし、それが何に使われたかわからないとなれば、普通、夫として疑問に思い、調べるのではないだろうか?すくなくとも数年間放置することは、普通考えられない(かつ、このことを夫が調べていれば、2回目の事件は起こらなかったわけだが)。また、初回の犯罪の動機も、納得できるものではなかった。この程度の動機で、赤の他人を殺せるものだろうか?
とわいえ、これらの欠点(?)を些細なものと感じさせてしまうほど、作品としてはよくできていたと思う。次回作も読んでみたいと思わせる作家である。
余談であるが、候補作の中に、プロットはすばらしいと審査員全員に褒められながら、文章が稚拙とこれまた審査員全員に酷評されている作品がある。どんな作品か読んでみたいと思うのは私だけだろうか(詳しくは巻末の選評をどうぞ)
重い
重いテーマをテンポよく書ききっているところは非常に読み応えがあり面白い。
反面、犯罪の内容描写が痛いたしく、娘を持つ母親の目線からすると、耐えれない描写
がありつらかった。
気合十分のデビュー作
救いのない物語だけれども、後味の悪さはない。どこか静謐な印象さえ受ける。著者の少年犯罪に対する、メッセージが、きちんと発信されているからだと思う。
いろいろ詰め込みすぎちゃった感はあるが、落としどころはきちんと用意されている。気合十分のデビュー作。
ただ、どこかの書評でもみかけたが、「天使のナイフ」のタイトルだけは?でした。
今や身近な問題
複数の少年犯罪が複雑に絡み合って、被害者の憎しみの中から生まれた、新たな犯罪。少年法で、犯罪を犯した少年・少女は本当に人として更生することができるのであろうか、という誰もが抱く疑問をテーマにした作品である。
確かにテーマは面白く、日曜の午後、一気に読んだ。ただ、祥子・みどり・仁美の人物造形が弱く、三浦・長岡・貫井の関わり方が中途半端な気がし、また澄子の感情面での伏線がそのまま終わってしまって、主役以外の印象がすごく薄いような気がする。
本当は★3つくらいにしたい気もするけど、デビュー作であることと、テンポのよさで+★1つ。
一気に読みました
少年犯罪で厚い保護の元 罪を犯した少年は更生できるんでしょうか。
「光市母子殺人」でも報道される内容は 疑問に思うことばかりでした。
更生するとは どういうことを言うのでしょうか。
被害者への謝罪無くして更生したといえるんでしょうか。
本書はその少年法に対しての被害者の苦悩がとても良く伝わってきました。
一つの殺人事件がもたらした波紋が,また別の事件につながっていく。
面白くて一気に読みました。
若い人達にこそ読んで貰いたい
江戸川乱歩賞は、実に読み易い小説ばかりです。
本作もまるでマンガを読むかのように、一気に読めてしまえます。
必要以上の暴力模写もありませんし、下世話な性的模写もありません。
しかし、この作品の中にあるのは、
「少年犯罪」「被害者の気持ち」「更生とは」「贖罪とは」という、
重く、大切な、人間とはを問う、重厚なテーマです。
それをエンターテイメントの中にまぶし、飽きさせずに、
ある意味「面白く」読ませてしまう、この凄さ・・・
若い人達の活字離れが嘆かれて久しいですが、
そんな若い人達に、是非、「大人達が読ませるべき」一冊ではないでしょうか・・・!
そういう意味で、この作品は、大変な傑作と断言出来ます。
