「人民中国」の終焉―共産党を呑みこむ「新富人」の台頭 (講談社+α文庫)

  • [著]清水 美和

カテゴリ:
文庫 (381頁)
ISBN:
4062810670
発売元:
講談社 (2006/11/21)
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評価: 4.5
2007
07/01
Sun

一枚岩ではない中国

75.0% (3 / 4)
[No.2] posted by 3.14カラットのダイアモンド

中国の反日報道などに接すると、中国と言う国は上から下まで言っていることが同じで、一枚岩のように見えてくる。しかし、内側から見ると、下の意見が上に反映されないばかりか、上から下へのコントロールもままならず、政府も四苦八苦しているのが実状なのである。私が本書から一番感じ取ったのはこの点である。

そのひとつの典型を「新富人」の台頭に見ることが出来る。すでに彼らが政治を動かし始めているのだが、豊になることが金科玉条の彼らに中国の未来を託せるのだろうか? また、彼らを抑制する哲学や倫理は存在しうるのだろうか? 今後の大きな課題であるが、本書からは中国の楽観的未来を描くことが出来ない。経済的が損失が生じようとも日本にとっては、マルクス・レーニン主義を金科玉条にしてくれていた方が良かったのではないかと、今さらながら思えてくる。

2006
12/30
Sat

中国の資本主義化の実態が掴める本

100.0% (6 / 6)
[No.1] posted by 素山

私は、古の中国文化に惹かれる者であり、共産主義中国には常に違和感を持ち続けてきた。従って最近の中国の発展については、いろいろな意見はあるものの、基本的には肯定的だった。
しかし、この本を読むと、問題点を再認識させられる。江沢民体制下における経済発展とは結局共産党の人的ヒエラルキーをそのまま富のヒエラルキーに移行させて中国を支配することに他ならなかった。その中で、共産党幹部はその地位を利用して次々と「新富人」となる一方、理念を失った体制から捨てられた農民達はその生活基盤を失っていった。この本が詳しく描いているところである。
日本においても、今は権威の体系と富の体系が一致する方向に動いており、バランスが失われつつあるが、中国はもともと権威の体系しかなかったのが、権威の体系=富の体系となりつつある。
この中でどうやって国のバランスを保つのか。極めて困難な状況において改めて胡錦濤氏の手腕に期待したい。


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