- [著]小野 展克
- カテゴリ:
- 単行本 (254頁)
- ISBN:
- 4062820463
- 発売元:
- 講談社 (2007/03/27)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
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やりがいはお金に代えられない
回想録的な内容のドキュメントは、本人が直接書いたほうが"熱い"ものが出来上がると思っている。なぜなら、取材者を介すると、二度、自主的な検閲がかかるからだ。本人が話すことを躊躇し、話を聞いた著者が書くことを躊躇する。そういう意味で、その瞬間の心理や内情にまでは切り込め切れていない気はする。しかし、産業再生機構が何を行おうとしたか、何を行ったかというドラマを提供することには成功している。
世間からは市場原理を破壊すると批判されていた、政府資本による事業ファンド。そのイメージに反し、市場を生き抜いてきた実力者たちで組織を固め、民間的なやり方で企業復活を成し遂げた。日本の現在の政治の仕組みの中でも、人さえ集めることが出来れば、様々な圧力を排して組織を運営することは可能なのだと知り、少しホッとすると同時にやる気が出てきました。
覚悟がすごい
再生機構には最初から「民業圧迫」とか「所詮、国の後ろ盾があるから」とか
いろいろな批判があったが、この本を読むと、首脳陣が相当の覚悟を持っていたことがわかる。
永田町や霞ヶ関を敵に回してでも信念を貫かれたことに感動さえ覚えた。
企業再生に携わる人はもちろん、企業のトップに読んでもらいたい一冊である。
ダイエーやカネボウなどの大きな案件だけでなく、小さな案件のケースについても
取り上げてもらえると良かったかな。
企業再生・産業再生のエッセンスがここにある
頭脳と志を持って産業再生機構に集まった現代の若き国士達が、寝食を忘れ様々な利害が錯綜する難解な再生案件をこなしていく姿をダイナミックに捉えた秀作。一気に読める。マクロ経済とのつながり、再生機構を生み出した歴史的文脈描写、カネボウ、ダイエーなどミクロのケース記述、バランスがよく取れていてポイントを簡潔に綴っている。
企業再生のドラマ
外側からは分からない再生機構の活動の実像を把握できる良書だと思う。
設立までのの経緯やカネボウ、ダイエーの再建は、なかなかドラマティックだ。再生機構については民業圧迫との批判もあり、評価が定まっていないようだ。筆者は、再生機構を高く評価するポジションのようだが、一定の客観性は確保しおり、信頼性は高そうだ。日本の産業界でも一気にM&Aが広がり、企業をめぐる環境も様変わりした。本書で、興味深く描かれている冨山和彦氏も「経営共創基盤」という経営支援会社を設立したと報道されていた。再生機構で活躍された方が、今後は日本の産業競争力強化で、新たな主役を演じるのだろう。記述も平易で、経済が苦手だが、M&Aや企業再生に関心がある学生らにも推薦できる一冊だと思う。
日本経済転換期の貴重な記録書
おそらく産業再生機構関係者への地道・綿密な取材がベースとなっているものと思われるが、カネボウやダイエー支援時にみられた過剰なまでの報道合戦の舞台裏で実際に展開されていた出来事が生々しく書かれている。
「民業圧迫」、「独善的」等々、産業再生機構の実績について批判する声があるのも事実だが、この国のメガバンク・有力事業会社のいずれもが当時回避的だったリスクに果敢に挑み、結果、国民負担なく解散した機構の実績は、しっかりと受け止めるべきだろう。
投資銀行・ファンド等のマーケット関係者のみならず、M&A、MBO、TOB・・・昨今新聞紙上を賑わすキーワードに興味・関心を持つ学生や一般読者も平易に読み進むことができる良書。
