- [著]清水 勝彦
- カテゴリ:
- 単行本 (231頁)
- ISBN:
- 4062820536
- 発売元:
- 講談社 (2007/05/30)
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- ¥ 1,575 (税込)
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「前提」って丁寧に確認しなければいけないなあと改めて実感
いくら論理的に思考したとしても論理の「起点」「前提」が違っていれば、正しい解決策にはたどりつけないという点について主張されています。
たとえば、どらえもんで「のび太が野球の試合でエラーをしたために負けた」という問題があった場合に「のび太が悪い」という結論になりますが、そもそものび太をメンバーにいれるのがよかったのか?誰がのび太をメンバーに加えたのか?という前提・起点から議論をはじめないと、問題の解決は出来ないのではないか?ということです。
そういった問題意識を「組織」「戦略」「人」にあてはめて分析しています。
私は、以下のまとめが非常に勉強になりました。
■経営を考える十大前提
1組織とは考え方や価値観の異なる人間の集まり
2新しく必要な情報は組織やルールだけに頼ったら流れない
3「やりやすいこと」「やれること」だけをやっていては組織は成り立たない。「やらなくてはならないこと」を追求することが経営である。
4すべての施策にはプラスとマイナスがある(トレードオフ)
5明確な「ビジョン」「戦略」とは、コトバが明確なことではなく、他社との差別化が明確なことを言う。
6もともと未来志向の戦略や施策はつねに実行段階で問題・課題に直面し、修正を必要とする。戦略の立案・修正と実行は一心同体。
7新しいことをやろうと思ったら、抵抗があって当たり前。ないほうがおかしい。
8採用とは、「欲しい人材」像を明確にし、「ほしい人材が」が応募するようにする経営の仕事である。
9採用、人事評価・処遇制度は企業の根幹をなす仕組みであって、どんな制度でも地道な実行と修正の取り組みがなければ効果は上がらない。
10人事は「人事部」の問題でも、「国のカルチャー」の問題でもない。一つひとつの企業の「経営」の問題である。
「常識」を疑え!!
"その前提が間違いです。"はオーソドックスに「まずは前提を疑え!!」なクリティカルシンキング本。PERが低い会社は「お買い得」なのか?アップルは昔から長期負債がほとんどない無借金経営。優良財務体質の会社・・・。何も考えてないとすぅっといってしまいそうな話ですが・・・。無借金=優良ではないし、低PER=お買い得ではない。「前提」がズレてしまうと導かれる結論も当然間違ってしまう。よくある「常識を疑え」論なのですが業務の改善にはひとつのブレイクスルーよりもこういう前提違いをちょこまか改善していくほうが結局大きな改善につながることが多いのじゃないでしょうか・・・は自分の体験的実感でもあります。
部門間のセクショナリズムがあるから組織内のコミュニケーションがうまくいかない。じゃあ部門自体を無くすのがいいのか。何事においても100%いいことばかりのシステム・組織体などあるはずもなくデメリットとメリットの見極めが肝心。誰でもわかるんだけど見落としがちな盛りだくさんCASEスタディ。
目からうろこでした
うわべの理論の多い日本のビジネス書にあって、ストレートに”本音”ベースで本質をついた良書だと思う。前提自体が間違っていないかという個々事例は、どれもある意味、身に覚えのあるものばかりであり、物事をステレオタイプに考える傾向がある日本人にある意味新しい見方を教えてくれている気がする。例えば、”部門間のセクショナリズムのために、部門間の連携がうまくいかない”という問題に対しては、”部門間には利害や考え方の対立があってあたりまえ”といってのけ、”やりやすいこと、やりたいことだけをやっていては組織はなりたたない、やらなくてはならないことを追求することが経営である”という筆者の主張に共感を思える。 たまたま、同じ著者の戦略の原点を読んだのがきっかけでこの本を読むことになったが、どちらも原点に戻って考えさせられるものとなった。
書いてあることは至って普通
ビジネスの現場でよく直面する問題点や不平不満の原因となる状況について、「本当にそうなのか?」ということを事例を挙げながら解説していくという構成。
論理的思考やロジカルシンキングに関する書籍が増えているが、これらの思考はあくまで道筋を辿るものであって、出発点が間違っていれば到達する結論も間違うという、至って普通のことが書いてあり、それ自体「目からウロコが落ちる」ような斬新さがあるわけではない。とはいえ、何かと忙しい日常では盲点になっているかも知れない、ということを自省するのにはよいのかも。
