- [著]士郎 正宗
- カテゴリ:
- コミック (346頁)
- ISBN:
- 406313248X
- 発売元:
- 講談社 (1991/10)
- 価格:
- ¥ 1,020 (税込)
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時間を作って読みたい漫画
アニメの再放送にはまり、コミックに逆流してきました。
本当に20年近く前に描かれた作品なのだろうかと、思わず奥付を見直してしまいました。
現在の感覚でも、「充分に実現可能に思える近未来」の描写に思えます。
古くささは一切感じません。
当時はまだ一般的でなかったハズのPC用語も適切で、造語の中に上手く馴染んでいます。
本当によくこんなものが描けましたね。
それらを説明する欄外注釈の量は、確かにコミックにしては多めではありますが
一般入門向け専門書(妙な表現スミマセン^^;)の類を読んだことのある方には、
さほど気になる量でもなさそうです。
映像化された作品の中にも、コミックのシーンが随所に使われており、
独自路線を歩んでいながらも、理念はとても大切にされているのだなぁと感じました。
特に、映画でもテレビシリーズでも素晴らしかった、
光学迷彩で夜のビル街に落下し消える少佐
は、やはり印象的です。(小さなコマだったのが惜しい)
絵柄も大変美しく、特に機器類・背景が緻密で情報に説得力を持たせています。
カラーページもとても綺麗です。
コミカルな表情をしたり、彼氏を作ったりする少佐に少し抵抗がありましたが、
…これは、こっちが「オリジナル」だと思って、慣れるか割り切るしかなさそうです。
コミックと映像との差違を楽しむのが良いのかも。
個人的意見ですが、
TVシリーズのさわりで基本的な登場人物と世界観とを理解してから
コミックや映画に手を出すと、スムーズに読めると思います。
そんな人はまぁ居ないとは思いますが、
コミックだけをちらっと読んでも、すんなりとは頭に入ってこないのではないでしょうか。
一気に読んでしまおうとは思わないでください、
時間をかけて、二度・三度と読むべき作品です。
フチコマかわいいなぁ
映画やTVで世界的アニメにもなった作品の原作漫画。
原作は精密な描写とコマ欄外の書き込みで有名な世界的漫画家・士郎正宗。
電脳化と義体化で高度に発達した近未来日本を舞台に、
犯罪に立ち向かう草薙素子と公安9課の活躍を描くアクション作品。
「アップルシード」の頃からそうだが、氏の決してテクノロジーと未来を悲観的に捉えず、肯定的に(楽天的ではない)捉えるその姿勢には共感を覚える。
と言う訳で。
フチコマ可愛いよフチコマ。
十五年前に描かれたものとは思えませんです
SFとは形容できない深い現実感に満ち満ちています。士郎さんはきっと常人の一億倍くらい知的好奇心があるんじゃないでしょうか。最後のほうは難しすぎて分かりませんでしたが、どうも「科学では生命を定義できない」というあたりにテーマが見え隠れしているのではないかな、と踏んでいます。あれほど膨大な量のメディア化に派生したのもすべてこの一冊に含まれる巨大な熱量の賜物ですね。それにしても、1991年の段階でPCってありましたっけ?士郎さんのバックにはドラえもんがついてるんじゃあないだろうか。
本格SF漫画。
攻殻機動隊の原作です。他の方が説明されている通り、漫画と辞典が合わさっている感じです。
難しいけど読むたびに新しい発見があるので、読み応えがあります。
これだけ本格的に、完成度高くSFを漫画にしたものは、他に類を見ないです。
非常に現実的に、そして細かく未来の世界を描いている。だからこそ生々しくも未来的な生活観を感じられるのでしょう。
そして凄いのは、時が経つほどに説得力が増してくるところ!これこそがSF作品の醍醐味です。
この醍醐味を実現することは容易ではありませんが、攻殻機動隊は近未来という難しい時代を舞台にしながらそれが出来ていて、どの漫画よりも具体的です。
攻殻機動隊の世界観は、未来に対する悲壮感が無いところが好きです。
いずれ起こるであろう社会問題を現実的に受け入れながら、ひょうひょうと生きていく。
過去の人からすれば未来の問題はものすごく異形で不安に感じますが、当の未来の人からすれば日常にある当然の出来事であり、恐らくすんなり受け入れながら生きているでしょう。
攻殻機動隊の世界はそれを体現しています。
そして9課、敵となる登場人物たちも善悪ではなく、ありのままの出来事を描いているところにも好感が持てます。
生命と機械の境界線はなにか。
面白い!
色々な人達が語っているとおり、情報をはち切れんばかりに詰め込んだ本ですけど、娯楽としてマンガ本を読む楽しさを、作者が忘れず軸にしてくれたコトが嬉しい本です。
情報を詰め込むタイプの本は沢山ありますが、読む方にしてみれば、情報を知る楽しみと物語を読む楽しみを両立させた本は中々ないと思います。
設定、メカ、アクション、犯罪のカラクリ等の組み立てに一々説得力があり、それらに囲まれて動いているキャラ達には人間味が溢れ(言わなくていいコトばかり言ってしまうバトーが好きです)、細かいトコロが理解できなくても楽しめるようになっています。
映画版を始めとして、こういったSFには生活感が足りないモノですけど、この本の場合はいかにもありそうな世界だし、そこで生活してみたくなるような感覚もあります。
終盤の問答には予備知識がいりますけど、結果的には「何となく理解できる」不思議な本ですね。データブックみたいに、書籍等にリンクが貼られていたりすれば、ここから勉強を始める読者も大勢いたでしょう。
もし雑誌掲載時と比べるコトが出来ると、どこをどういじったか、単行本を初めて読んだときにどう嬉しかったかも分かると思います(国会図書館にでも行かないと難しいでしょうけど)。
ごく個人的な感想を書くと、映画版とはまったく逆の性格を持つこの本の少佐のほうが好きです。それはともかく、一冊の本として完成していて、宝物にしたくなります、核シェルターに持って行く一冊を選ぶとしたらコレですね。
「攻殻世界」のバイブル・・・
映画GHOST IN THE SHELLや、S,A,C,シリーズの総集編(笑い男事件)(個別の11人)、さらに「イノセンス」やSOLID STATE SOCIETY,といった攻殻関係の作品全てにこの漫画のネタがキャラが、アレンジされ登場しています。
全てはこの一冊から始まったのでしょう・・・正に「バイブル」です。人間の意識が「ニューロチップ」を介し「ハード」な機械部品と、どこまで融合出来るか・・・というテーマが見え隠れした作品です。(翻ってそれは人の魂は無機的な物から生成出来るのか?というテーマも含まれている様に思えるのだが・・・)
でもそれはある意味「タブー」ですよね。確かに「人の意識」というのは「電波」的な「波動」を持つ存在でしょうけど、この作品のラスト近くでも出てきますが、様々なネットを介した情報が、AIにより蓄積され独自の「思考能力」を持つようになったとしても、それは決して「生命体」ではない。こうして見ると「意識」とか「生命」とは決して「科学専門用語」で定義出来るものではないと思う。(士郎さんも宗教・哲学の話を引用していたし・・・)その辺の立て分け見たいな所はありました。その上で近未来な世界観やハードなマテリアル描写にドップリと浸かりたい方は、是非何度も読み返して下さい。
■肉体と精神と脳、人間を形付けるものとは、士郎正宗氏なりの回答
士郎正宗氏のライフワーク的代表作として「アップルシード」と共に挙げられる、近未来の超高密度情報化社会の中でもがきあえぐ人たちの葛藤を「情報」の概念そのものをキーワードに描いた希代の作品。漫画本というよりは、「漫画の皮をかぶった情報事典」という表現が適切かもしれない。
情報のコントロールと生態系とのリンケージ技術が普及し、脳髄に電極経由で直接情報のやりとりができるようになった電脳社会で多発する情報犯罪に立ち向かう攻性特殊機動部隊「攻殻機動隊」。その隊長の草薙素子少佐と愉快な、もとい有能な仲間たちが遭遇するさまざまな情報犯罪は、本当の近未来における事象を示唆しているようでもある。
書き込みがあまりにも「濃い」ため、一度や二度の熟読では内容を把握し切ることは難しいだろう。コマ外の士郎氏独特の「解説」にまで眼を通し何度と無く読み直すことで、ストーリーの根幹に潜むもの、つまり他の作品にもにじみ出ている「情報とは何か、生物の生と死とは何か」という、哲学や宗教にも共通する「疑問」を追求しようとしている氏の意図が見えてくるかもしれない。
また根幹部分とは少々外れるが、主人公の上司の荒巻氏が非常に良い味を出しているのも見逃せない。色々な意味で「有能で良い上司」とは彼のような人物を指すのだろうという思いがわきあがる。
世界に誇る日本の漫画
この本を見た時には所々に使われるカラーと新しい技法に驚きましたね。何よりそれまでエイリアンのテクノロジーだと思っていた光学迷彩が人類の手によって利用されている!衝撃でした、そんなことしていいのかと。映画GHOST IN THE SHELLの原作。映画では香港をモデルにしたせいでおかしな世界になってましたがこちらは近未来の日本。攻殻機動隊創設から始まり、様々な国の内外の敵を潰していく公安9課。しかしあらゆる事件の裏に凄腕ハッカー人形遣いの影がちらつく。続編に1.5や2がありますが最終的に少佐が指揮を執らなくなる公安9課の存在はこの巻である意味完結してるといってもいいかもしれません。攻殻1.5は刑事ドラマ的でなかなか面白かったですが2はどうも飛躍しすぎてる感があり完全に作者の世界でした。
欄外の説明書きを読んでると本編のストーリーを忘れて訳が判らなくなるなんてことがよくありました。ところがこれが完全に理解出来ると何とあの説明書きだけでは物足りなくなるんですね。スタンドアローンコンプレックスはアニメゆえにこの奥深さが伝わらない部分がありますし、やはり士郎氏の世界は登場人物の決めゼリフ的なかけ引きが知的で面白いんですけどこれが何を意味してるのかわかるまでに時間がかかる。それが理解出来るまで何度も読み返されるべきだと思います。判るとちょっと感動します。ああそういうことか!て。
濃い人にしか無理
もう20年近く前の作品で絵はごちゃごちゃしているうえ、
説明台詞が欄外にしかなくまるで伝わってこない。
インターネットで調べる等して状況を少しでも理解しておかないと、
さっぱり分からずイライラするばかりでしょう。
でもそういうのを含めてハマれる人だと、
中毒のように何度も読み返せる上手い作りになってますよ。
読むべきか、読まざるべきか。
2nd GIG まで見て「やっと繋がったか』。原作ファンはそう思ったことだろう。
写像と実像をスワップするがごときアニメーションと原作の関係、アニメを作るにあたって原作との間に渡された数々の伏線の収束と放散、時系列的な繋がり。そういったものを感じ、仕掛けを楽しみたければ…、やはり読むしかない。
