- [著]山下 和美
- カテゴリ:
- コミック (254頁)
- ISBN:
- 4063287726
- 発売元:
- 講談社 (2001/10/23)
- 価格:
- ¥ 720 (税込)
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不思議な少年
とても良い作品
漫画のオススメと言われたら絶対これをあげるくらいとても良い!読んだらわかります。一言では語れない作品です。
闇を見る
様々な時代、場所に現れる不思議な少年。彼に出会う人間は、心の奥深く、暗闇をまざまざと見せられます。希望など無いとバッサリ言い切っているようにも思えて、落ち込んでしまいました。しかし、世界は表裏一体。作者は、その裏側を描いているのでしょうか。
少年は何を思う
ストーリーとしてはアクロバティックな展開や緻密な伏線を楽しむミステ
リー的な展開もない。ただ、人が生き、時間が流れる。読者はその観察者
あるいは観測者といった感じか。そういう静かな作品。妙に惹かれる。
既刊分を全て読んでみると、テーマ性からやはり『火の鳥』と比べたくなる。
ただ、本作が面白いのは、人間の観察者・観測者たる火の鳥という存在が
真理を掴んだ絶対的な存在であったのに対して、本作の少年は不完全で真
理は言うに及ばず、ときに感情に流されたりもするような存在であること
だろう。そのため、作中の登場人物たちの物語はいくぶんかありふれたも
のかもしれないが、その物語を見る少年の視点があることで読者は距離感
をもって、少年と同じ観察者・観測者になれる。
こういう距離感は『柳沢教授』にもあって、山下和美という漫画家の感性
や表現力の素晴らしさを感じる。
あと、感情や時間感覚をあらわすコマ割りがうまい。例えば、驚くような
出来事に遭遇したときに、実感が湧かないところからだんだんと実感がわ
いてきて、驚いたような顔に変わっていくなど。
こういう丁寧な表現は青年誌ではあまり見ないので新鮮だった。
読後感が重い
同著者の柳沢教授シリーズは人間捨てたものじゃない的ストーリーで、読んだ後さっぱりするのですが、こちらは違います。
重いのです。自分の中で簡単には消化できないというか、胃もたれ感があるのです。
人間の業(ときにはそれを乗り越える強さ)をシチュエーションを変えて繰り返し描くストーリーは、考えさせられる点も多くて嫌いではありません。
最終的には読んでよかったとも思います。
でも、ヘビーなのです。読んだ後疲れてしまうのです。
心が健康なときに読む本だと思います。
どこかというより、あちこちで読んだ話
永遠の命を持つ神出鬼没の主人公からは「超人ロック」、
色んな人間の色んな嫌らしいドラマからは「悪魔(デイモス)の花嫁」が透けて見えて、
帯の大仰な宣伝文句に惹かれて買ったことを深く後悔した。
ナルシストの美少年が大活躍するお話が好きな人には楽しめそうだけど、
漫画にオリジナリティーを求める人がこれを読むと多分その期待を裏切られます。
人間のどうしようもなさを包み込む
気の遠くなるような
確率の末に僕たちは
何百億の
何十兆もの奇跡の末に・・・
僕たちは
食卓を
囲んだんだ
・・・このことばだけでも伝わるだろうか。非常に深い。グロテスクでもある人間の日常と、ありがちに過ぎていく生活、それを営む人間そのものの感情や心を鮮烈に描いてて、読ませる。心温まる終わりにするストーリーもちゃんと組み込まれていて安心できるのもうれしい。
想像と違っていました
『不思議な少年』の紹介文から想像した内容とは少し違いました。
作中では少年を天使化したりしますが、紹介文にもある『永遠の生を持つ少年は、時を超え、場所を超え、あらゆるところに現れる』から想像される私の少年像は、天使というより過去に大罪を犯した魂が神によって自由を封じられ、人間界から離れることも出来ず、そこに留めさせられ、人間と交わることも出来ず、ただただ人間の性や物語を見せられ続けるという罰を背負わされているという悪魔です。
更生のためにこうして人間界で長〜〜い旅をさせられているという背景があったほうが、少年の魅力がアップしたんじゃないかなと思いました。
内容もどこか使い古しさせられた感じがあって、面白くなく、大人向けの雑誌に連載されている作品とあってか淡白で、イマイチ集中できませんでした。
さまざまな人間たちの心の奥底の不思議を描いた、山下和美渾身の珠玉の傑作短編集
この「不思議な少年」は、1作1作が実にシリアスで深い内容を持った、山下和美渾身の傑作短編集だ。私などは、山下和美は、「天才柳沢教授の生活」の作者としてしか知らなかったのだが、失礼ながら、とてもそれと同じ作者が描いたものとは思えないほどの、あまりにも深いテーマを追求した作品であり、これは、山下和美のライフ・ワークとして続けていくべき、素晴らしい作品集だと思う。
この作品の主人公の「不思議な少年」は、永遠の命を持って、あらゆる時代、場所を超えて、人間界に舞い降り、人間たちの、ときには愚かで醜く、ときには、切なく、哀しい本性を、何を考えているのかわからないような無表情な冷めた眼で見つめ、彼らを試し続けていくのだが、そんな本性に打ち克ち、何かを悟った人間を見つめ、包み込むときの少年は、慈しむような優しい眼で、微妙に描き分けられているのが印象的であり、中には、少年の手の平の上で踊っているはずの人間の、想定を超える心の奥深さまでもが描き込まれた作品もあるのだ。
現在までに、単行本で4冊、合計13本の短編作が執筆されているのだが、そのいずれもが、実によく練り上げられた完成度の高い秀作揃いであり、1作1作に、山下和美の読者に対する深いメッセージが込められているのが伝わってくるのだ(ときには、読者に突き付けてくるメッセージがあまりにも深く、面白さは別にして、かなり難解なものもある)。1年1作にも満たない極めて遅い単行本製作ペースなのだが、これだけの濃密な作品群なら、それも無理からぬものと、納得せざるを得ない珠玉の作品集といっていいだろう。山下和美には、今後とも、マイ・ペースで、じっくりと腰を据えて、人間の不思議な心の奥底を描き続けていってほしい。
絵は綺麗だった
絵は素敵だなと思った。内容は、どっかで読んだなぁと思ったら、なんとなく楳図かずおの「おろち」に似ているのだった。しかしありえない設定でありながら、人間の業や内面を醜いまでに描いた「おろち」のほうが格段に凄い。こちらの少年のほうは、一度読んだらもう良いかなという感じだ。期待が大きかった分、ちょっと残念だった。
すごい〜
ダビンチの編集長が絶賛していたので〜買いました。スルスル引き込まれていきます。特に本質的な事が好きな方はお勧めです。最近漫画を読み始めた38歳ですが、タイトルが物凄く気になり揺らいだのです。読んで観て下さい。
