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「さみしい女には小さな夢がある」。この物語の主役格である島ショーコもそんなさみしい女たちの1人だ。マンガ家志望ではあるものの、なかなかパッとせず、学生時代からの親友であった女性アキラもさっさと結婚してしまい、置いてけぼりを食らったような気持ちで毎日を生きている。そんなショーコをメインに据えて彼女に関わった人々の物語を、約300ページのボリュームで一挙に描き下ろしたのがこの単行本だ。
全7話の物語は、第1話「10年位前」から始まり、第2話「12~10年位前」に戻り、また第3話「9年位前」へと進むといった具合で、時系列を前後しながら進む。読み進むにつれて「なるほど、さっきの話はここから発展した結果なのだな」いう具合に、因果関係が明瞭になりパッと目の前が開けてくるような構成になっている。
その全7話の中で取り分け鮮烈な印象を残すのが、ショーコと親友アキラの関係。バカもやるけど呼吸ピッタリな2人の様子はキラキラ眩(まぶ)しく映る。また、ショーコが洋服工場に勤めていたころの同僚で天然ボケ系の女マリエのふらふらした生き様と、イジめられ引きこもっている最中にマリエと出会って彼女と一緒に暮らすようになった少年ケンジのエピソードも人生の機微を感じさせる。それらの各登場人物の物語が相前後して語られていき、すべての要素が静かに美しく収束していく最終話を読むと、なんともいえない万感の想いがこみ上げてきて幸せな気持ちでいっぱいになる。
この計算された巧みな構成は、単行本描き下ろしという制作スタイルの賜(たまもの)といえるだろう。描き下ろし単行本は、マンガ界では多く見られるものではないが、「ハッピーエンド」はそのような制作スタイルの可能性をも感じさせる。最初から最後まで無駄なく隅々まで楽しめる本書は、内容や装丁などの外見も含めて「1冊の本」としてそのありようがとても美しい。(芝田隆広)
無題
50.0% (4 / 8)
[No.5] posted by レイニー
書き下ろし・・・スゴイ
分厚くて長いんだけど、一気に読んだ
青春っていいじゃん
青春回帰へ誘う
88.9% (8 / 9)
[No.4] posted by atomic_bp
ジョージ朝倉氏は、瞬間的な青春を鮮やかに切り取って提示してみせます。その瑞々しさ、リアルさは、読み手にも時間を遡らせてしまう程に強烈で、私などは軽く目眩を覚えてしまう事もしばしばです。
この作品では、大塚英志氏というファクターの働きにより、エッジが効いた、より鮮烈な表現を味わえました。
7話から成るお話は"現在"の"10年位前"からスタートし、主人公ショーコを含めた4人の視点で"現在"へ進んで来ます。その時々の空気の絶妙さたるや素晴らしく的を射ていて、状況説明がなくともすんなりとその情景に入って行けます。
目標を持ってその時その時を一生懸命生きている主人公が得たハッピーエンドは、きっと多くの大人を青春回帰へ誘うのではないかと思います。
全面支持!
83.3% (5 / 6)
[No.3]
とにかく素晴らしい勢いである。
言文一致というか、タッチと構成と内容の全てが青臭く一致していてイイ。くる。
全面支持!
青春小説はマンガという枠を超えた。
77.8% (7 / 9)
[No.2] posted by abkm
この全編に見られる思春期の焦燥感。
書き下ろし単行本という手法の為か勢いで読了出来る。
線が荒いのが目立つが、それは逆にこの作品を引き立てる事になっている。
何故なら作者が書いたのは友情マンガではない。
青春小説なのだ。
青春小説は巧ければ書けない。成長過程の物語なのだから。
自伝でもフィクションでもない、その宙ぶらりん感は登場人物全てに共通する。
彼らはこの作品の中で「青春」を生きている。
悪あがきでも傍から見て滑稽でも、それは大切な感情の課程だった。
作品の構成も多すぎるセリフも、全てがこの作品にとって重要なものなのだ。
生き急ぐのには若さが必要だ。
この作品にはそれが溢れている。
青春マンガ
75.0% (6 / 8)
[No.1] posted by あん臓
主人公ショーコと親友のアキラの友情が、非常に美しい。
ショーコは、アキラの全てがカッコいいと思ってたのに、
実はアキラの方が、ショーコと別れるのを恐れていた。
それを知った時の、ショーコの切ない顔が印象に残って仕方がない。
ジョージ朝倉の描くストーリーは、ギャグもあるのに、
決める時にはキッチリ決める!
というのが、読んでいて、すごく気持ち良い。
とにかく、青臭さがいい!