- [著]北方 謙三
- カテゴリ:
- 文庫 (388頁)
- ISBN:
- 408746086X
- 発売元:
- 集英社 (2006/10/18)
- 価格:
- ¥ 630 (税込)
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読み出すと止まらない・・・
というような気がする。私などは、特にそう思うのだ。この本を見て面白い、と思う同士は世の中に沢山いるのだ、とも思う。肉を食らい、酒を煽りながら読むと、暫し時を忘れるのだ、とは思う。
これぞ大衆文学
もともと筆者がハードボイルド作家なので、やはりハードボイルド色の強い水滸伝に仕上がっています。内容も北方流に編纂してあるようです。忠実なものを読みたい方よりは、エンターテイメントを楽しみたい方に向いているかもしれません。
第一巻は林冲に重点を置かれています。リーダーの宋江に「弱い」と手厳しく評されますが、もしかしたら彼には怒りや悲しみ、痛みが足りないのかもしれません。それは腐敗した世の中に蔓延る不幸に慣れてはいけないと、宋江は言いたいのかもしれません。
林冲を襲った悲劇はあまりに過酷で心が痛みますが、読後熱い気持ちになるのはやはり北方氏の筆力に由るところでしょうか。
期待を大きく上回るおもしろさ
吉川英治の三国志を一気に読み切り、その勢いで本書を手にとりました。
今まで水滸伝は名前だけでその中身を一切しりませんでしたが、この水滸伝
はしっかりと男の読み物に仕上がっていると思います。
期待した以上のおもしろさで読みだすと止まりません。
「死」
この作品の大きなテーマに「死」という物があります
「死」という物は時に感動的で時に涙する物であったりもします。しかしこれは今、巷にはびこっている恋愛小説らの「死」とは全く別の物です。そういうのと一緒にして欲しくない。
少なくともこの作品に登場する彼らの死に直面しても「かわいそう」なんて単語は浮かんでは来ないでしょう
それは「死」という物に後ろに背負いながら、しっかりとした「生」が描かれているからです
これは「死」によって生み出される感動では無く、強く「生」きる事の感動をあなたに与えてくれる作品です。
どうか彼らの生き様を見届けてあげてください。
時間の無駄遣い
北方謙三の著作はいくつか読んだが、内容に乏しい。この水滸伝も歴史観、人物観ともに貧弱で薄っぺらい。日本の大衆小説がこの一冊に集約するようなキャッチコピーは誇大宣伝にもほどがある。出版社の売らんかなの根性がみえみえで情けない。このような本を読むのは大切な時間をどぶに捨てるようなものだと思い三巻まで読んで続けて読むのはやめました。物語としてもおもしろくありません。
読書の楽しさ
【三国志】に続いて北方謙三が手がけた中国歴史小説です。
原作は三国志に比べるとやや知名度に欠ける感じですが、簡単に言うと宋の時代の中国を舞台にした活劇です。「梁山泊」という名に聞き覚えがある方も多いと思いますが、それは実はこの水滸伝に出てくる好漢たちが集まってくる砦の事だったりします。すごく平たく言うと、政府の腐敗を憂いた有志が梁山湖畔に集い、そんで軍を結成し、戦うと。そんな感じです。
三国志もそうだったんですが北方先生の乾いた文体と中国奇書特有の諸行無常な雰囲気が見事に融合して、登場人物たちの姿からこの上ない「その時代を懸命に生きてる感」が立ち上ってます。
本当に楽しい読書をお求めの方に、迷わずオススメ。
素晴らしい本です。
いい漢さん揃いですね
女性には比較的敬遠されがちな作家さんでしたが、水滸伝には興味があり読み始めました。
現在5巻まで読み、もうすっかり北方ファンになっています。
それほど詳細な表現をしていないにも係らず、ありありと情景が浮かんでくるのは
絶対なる文章の力なんでしょうね。すごい!
キャラクターも魅かれる漢さんばかりで引き込まれてしまいます。
是非とも女性の方にも読んでみて欲しいです。
読みやすいです
水滸伝は読んでみたい!でも、あまり堅苦しい本は苦手・・・。
そんな人にオススメです。
北方さんの水滸伝はわかりやすい・・・と聞いたので買ってみたのですが、
確かに読みやすく親しみやすかった。
登場人物があまりに多いので、ちょっと混乱するけれど、
そのへんは、冒頭の登場人物一覧でカバーできますから。
遂に出ました
正直に言うと文庫本になるのを待ってました。ハードカバーの時から、読みたいのを我慢してました。読み出したら、止まらないのをわかっていたからです。三国志の時は、我慢できずにハードカバーを買い続けてしまいました。しかも水滸伝は、19巻ですからね。困ったもんです。それで、書店でハードカバーを見ると見ない事にしていました。
ですから、毎月読み続けます。
「これは、水滸伝じゃない」「現実味がない」等のつまらない意見の人は、読まなければいいでしょう。それは、ハードボイルド小説に対して、もっとも凡庸ないつもの批判だという気がします。大体、水滸伝自体が、中国の大衆小説なのです。しかも、時代によってすこしずつ内容も変化しているはずです。だから、「原作と違う」という考え方自体の発想が変なのですよ。大衆小説の王道は、その時代と場所によって変化していくことです。
読みたい人だけが、読み続ければいいのです。
シリーズに惚れてしまった
本を読んで、まずい、と思った。この本は全19巻、関連本を含めると、20数巻になる。また長い付き合いを始めなくてはならない。
負けることが分かっている物語。一人ひとりのキャラがあまりにも立っている。著者北方謙三は既存の水滸伝の話をいったん解体し、キャラの性格も変え、新たなキャラも増やし、(108の玉の欠片など最初から登場もせず)、事態考証もしっかりとして、見事な漢(おとこ)たちの物語を作っている気がした。
例えば、豹子頭林冲である。
もと禁軍(皇帝軍)の武術師範代。謀反の疑いで獄中に入れられている間に高きゅうに慰み者にされた妻は自害する。地獄のような獄の中で林冲は思う。
「いまになって、はっきり分かる。自分は、張藍を愛していたのだ。それを張藍に伝えることが、もうできなかった。志がなんだ。そういう時は思う。志などというものがあったために、張藍への愛をついに自覚することがなかった。張藍が死んでからの自覚など、自覚ではないのた。」(p161)
将来の梁山泊のリーダー宋江と密同盟を結んでいた林冲は、妻とのラブラブは仮の姿なのだと思い込んでいた。槍の腕は天下一だが、精神的な切なさと弱さを併せ持つ。このときの経験が林冲を陰のある、しかし魅力的な漢にする。
彼らの負けざまを楽しもう。
