地獄変・偸盗 (新潮文庫)

  • [著]芥川 龍之介

カテゴリ:
文庫 (220頁)
ISBN:
4101025029
発売元:
新潮社 (1968/11)
価格:
¥ 380 (税込)
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121,256 位
評価: 4.5
2008
06/15
Sun

地獄変がおすすめ

100.0% (2 / 2)
[No.8] posted by unbalance

 「偸盗」は芥川らしくないメロドラマだなーと読んでいたら、芥川自身も自分の一番の悪作だと自嘲していたとか。「地獄変」は自身の娘が焼け死ぬ様を題材とした作家の業と人間性の対立を描いていて、この短編集のなかでは一番好きな作品です。「藪の中」は一つの事件を様々な人の視点から描いて構成の妙を楽しむことができます。
 「羅生門」「鼻」「蜘蛛の糸」などに比べれば、知名度は劣るかもしれませんが、「地獄変」「藪の中」を読むためだけに買ってしまっても良いかもしれません。

2007
08/16
Thu

芥川自身の話でもある。

0.0% (0 / 1)
[No.7] posted by くにたち蟄居日記

 「地獄変」という作品を考えたい。

 「地獄変」の主人公は 絵描きである。絵に取り付かれた余りに ついに実の娘が火炙りになってしまう場面ですら 絵筆をとって 描いてしまう芸術家として 芥川は書いている。

 要は 芸術という「悪魔」に取り付かれてしまった芸術家の話である。芥川の最後を知っている僕らからしてみると 「地獄変」の主人公はどうしても芥川自身に重なって見えてしまう。

 芥川龍之介は 稀に見る鋭敏な文学的神経を持っていた。余りに「鋭敏」であった事が彼の不幸であった。良く切れる剃刀は 持っている自分自身を傷つけてしまうことは 髭剃りの話だけではない。う。

 その意味で そんな剃刀など捨ててしまえば 芥川には市井の幸せもあったかもしれない。但し「地獄変」の主人公同様 芥川は 自分の芸術に取り付かれてしまっていた。手にしていた剃刀が自分に向かってくるのを 芥川はどんな思いで見ていたのかは 例えば「歯車」あたりを読めば僕らにも想像くらいはつく。

 「地獄変」の主人公は 絵を書上げた翌日に縊死したと芥川は書いている。そうして その姿は 芥川自身の将来の予言ともなった。

2005
09/18
Sun

うーむ

20.0% (1 / 5)
[No.6] posted by するめいか

 とりあえず、別に面白くなかったと思うんだけど、藪の中だけは本当に例外。
 もう超傑作です。人間の意見の食い違いを表し、現実と虚構までも浮き彫りにしてゆく。本当びっくりでした。

2005
09/18
Sun

地獄変

100.0% (3 / 3)
[No.5] posted by hooper-s_r

主人公の良秀は芸術を追求するあまり最愛の娘を燃されそれを絵にした・・大殿様に燃やされたようだが私は、良秀の意志でもあったようにおもえる。じっくり言葉を読めばいろいろな広がりがある小説です。芥川は読者に創造をさせるところが本当にすごいです。

2003
12/12
Fri

脱帽。

85.7% (6 / 7)
[No.4] posted by Denny`S好き

著者には多くの名作があるし、今更何もコメントはないのだが本編中の『藪の中』について。とにかく、この完璧な完成度はそうない。大学時代に講義で本作の分析をイヤと言うほどやったのだが、本当にスキやミスが一切ない。どころか、三者三様の語りの中に真実を見出そうとすれば、分析しているこちらが「藪の中」に迷い込む・・・。芥川龍之介の揺るがぬライフワークだったテーマの追求は、これだけ見事に人間の虚栄を完結かつ明晰に昇華した。本当に、頭が下がる。

2003
11/09
Sun

代表作を含む王朝ものの短編集

50.0% (4 / 8)
[No.3] posted by ピエロ

「今昔物語」「宇治拾遺物語」の古典に材を取った、「地獄変」と「藪の中」、著者の代表作ともいえる傑作2作を含む『王朝もの』の短編6作が収められています。

この『王朝もの』、元とした話をそのまま読み易く現代風に書き直したのではなく、そこにきちんと著者の書きたかった主題、さまざまな愛の形だったり道徳や人生への懐疑だったり芸術への執着だったりが書き込まれていて、それでいてとてもおもしろい。中にはメロドラマっぽいものもありますが、どの作も出だしの1行を読んだだけですっかり魅せられてしまい、著者の描く絢爛な、陰惨な、妖美な王朝時代に心遊ばせることができる、とてもすぐれた作品群です。

2002
07/10
Wed

エゴイズムを多面的な視点で描く作品集

75.0% (3 / 4)
[No.2] posted by bluepasta

芥川の王朝物と呼ばれる、平安時代を舞台にした作品を集めた短編集。今昔物語を中心に、日本の古い説話から題材を取っています。地獄の絵を書くためにさまざまなものを犠牲にする主人公の姿を描いた「地獄変」。したたかに生きる女泥棒の沙金と二人の兄弟を中心に、廃墟と化した京都に住む人々の愛憎を描写した「偸盗」。ある殺人事件をさまざまな登場人物の独白で多面的に分析した「藪の中」など、奥深くかつ読んでいて面白い小説ばかりです。

人が違えば同じ事件もまったく評価や印象が違う、という真実を、さまざまな切り口で見せてくれるところ、人間のエゴイズムを徹底して追及するところが、芥川の小説がもつ素晴らしさだと思います。とにかくお勧めです。

2002
02/28
Thu

芥川龍之介の短編

100.0% (8 / 8)
[No.1] posted by わっく

始めて『地獄変』を読んだ小学生の時、私が感じたのは恐怖です。主人公が苦悩と恍惚の表情で地獄変の屏風絵を描き上げる表情を想像して、それが恐ろしくてたまらなかったのを覚えています。
単に芸術至上主義の悲劇と言うだけでなく、いつでも、誰にでも起こり得る道徳心との葛藤こそがこの作品の味付けをしているのだと思います。おすすめです。


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