- [著]村上 春樹
- カテゴリ:
- ハードカバー (501頁)
- ISBN:
- 4103534230
- 発売元:
- 新潮社 (2009/05/29)
- 価格:
- ¥ 1,890 (税込)
- 在庫状況:
- 在庫あり。
ユーズド商品:¥ 1,000 より
この本が売れた理由。〜10人の客が来て、1人が気に入ったら〜
この本がなぜここまで売れたのか。
「春樹氏の小説、あるいはこの小説は、そこまで多くの人に理解され、共感されるものではないように思う。なのになぜここまで売れたのだろうか。」
そのように考える方が多くいるように思います。
春樹氏のかつてのインタビューに答えたもので、面白いものがあります。(引用は正確ではありません。)
〜10人の客が来たとして、1人の客に気に入ってもらったら、その喫茶店は成功する。〜
特に価値観や嗜好性が多様化している現代において、とても面白い指摘だと思います。
そして、この本が売れたことにも、春樹氏が日本随一の作家であることも、ここにポイントがあるように思います。
ひたすら厚く、にもかかわらず絶望的なまでに薄い
いま小説家に望むのはこのように薄いぺらぺらの物語ではない。いまのマーケットで消費される物語ではなく、いまの時代を書く書き手が村上春樹ではないということはこれではっきりしてしまった。しかし、それでは誰が書くのだろう?
不思議な世界
書き出しからグッと引き込まれる
文章力はさすがです。
特に第1巻の冒頭部分は凄かった。
2巻では、核心に迫ろうとする部分で
はぐらかされているもどかしさがありました。
読後もなんとなく1Q84の世界にいるような
気分を感じました。
内容から得られるものは特になかったですが
3巻も読んでみようと思います。
本作は純文学ではない
2009年6月16日の読売新聞に村上春樹のインタビュー記事がある。
「バルザックのような世俗そのものを書いた小説が好きで、この時代の世相全体を立体的に描く僕なりの「総合小説」を書きたかった。純文学というジャンルを超えて、様々なアプローチをとり、たくさん引き出しを確保して、今ある時代の空気の中に、人間の生命を埋め込めればと思った」(抜粋)
また過去にインタビューで
「今の日本人には『カラマーゾフの兄弟』は長いし、難しい」と言っていた。
つまりバカにしているのだ、見下しているのだ。
チミたち、ガチで怒りたまへ。
歯食いしばって読め。ロシア正教をウィキで調べろ。
亀山郁夫のドストエフスキー関連書籍を全て読め!
ファウストも読め!!
そして春樹に言ってやるのだ。
「はぁ?『カラマーゾフの兄弟』ぐらいチョロイし」と。
まぁ、でも実際のところ深いとこまで読める人は絶対的少数だよね。
割合としては1割も厳しいような気がする。
某外務官僚は「日本人の実質識字率は5%」と言ってるし。
本書の中身について。
Book1のレビューで遠まわしに「もう、これ純文学じゃなくなってるよね?」と書いた。
筆者本人が「純文学というジャンルを超えて」といってる様に、本作は純文学作品ではない。
倫理観(善悪)、DV、宗教、物語、人のつながり等々色んなテーマがてんこ盛りの本作はとっちらかし過ぎていること、文体が読み易すぎることでひっかかりがないものになっていて、心にあまり響いてこない。けれど、それなりに楽しく(自分の中では漫画を読むに近い感覚で)読めたのでエンタメ小説として面白い、という評価。
ところで、Book1とBook2あわせて原稿1984枚で書いているのだから、
氏はBook3を出すつもりは最初なかったと思うので(インタビュアーに「続編を期待する声も上がるが」と聞かれ、氏は「どうなんだろう。この後どうするかということは、ゆっくり考えて行きたい」と言っているし)
Book3は蛇足になると思うのだけど、どうよ?
でも、出たら出たでとりあえず読むのだけど。
実際蛇足かどうか判別するためだけでなく、
エンタメ小説として楽しむために。
私には合ってた
今までに読んだ村上作品の中で一番良かった。
万人に向けた文章になったと思います。なんだか安心感。
いろんなジャンルの事がちりばめられているので
何度も読めるんじゃないかと楽しみ。
個人の成長だけじゃなくて、
日本の成長についても考えさせられました。
出てくる単語がワールドワイドな感じ。
独自性のこと、依存症のこと、
神経症のことなんかを考えました。
リトルピープルは依存症だと思う。良くも悪くもなる。
この話は十分免疫つけるのに役立ちました。
どうもありがとう、と言いたい。
いろんな人がいろんな気持ちになるといい。
そういう目的の本じゃないかな。
これからもこういう、頭がすっきりするようなお話を
たくさん作っていって欲しいです。
愛だけは普遍で不変で不偏。
この本は,内容が一切明らかにされていない前評判の段階から「超有名」になり,店頭に並んだとたんにベストセラーになった。
なので,うさんくさいなぁと思い,ひねくれて読まなかったが,やっぱりどんなもんか気になるので今更読んでみた。
物語の中には,NHKの受信料の集金がこの世のすべてだと確信している人,とある宗教がすべてだと確信している人,
ドメスティックバイオレンスに及ぶ男は殺してもかまわないと確信している人,その他色々な人たちが出てくる。
どの人たちの確信も同じ世界にいる人の間では「あまりに自明」のことであろうが,
外から見れば「そんなことないでしょ」と一蹴されるようなことである。
だとすれば,私たちが当然だと思っていること,
たとえば,セックスは愛情交歓,快楽,受胎のためにあるということ,空に浮かぶ月は一つであること,なども
自明ではないのかもしれない・・・つまり,すべての物事は多義的である(それを受け入れる柔軟さが必要である)ということが言いたいのかな,
と思った。
そして,その中で,後半になってメロドラマ的にクローズアップされる「愛」。
これだけは,1984年だろうが1Q84年だろうが,不変で普遍で不偏である。
さしあたり,自分はそのように理解してみたが,しかし,「以上,物語は終わりです」というわけには行くまい。
ストーリーは中途半端であり,その場限りの面白さだけでは,テレビのバラエティ番組と同レベルである。
4月に「BOOK3」が出るというが,1984年の延長線上に生きる者にも理解できるように1Q84年の謎を解き明かしてほしい。
それはそれとして,この人の小説はよくおいしそうな料理が出てくる。
主人公が夕飯に作るエビとマッシュルームとセロリの炒め物が読むからにおいしそうだったので,
マネして作ってみたら,思ったとおりおいしかった。
料理のレパートリーが増えた。
面白かった。純粋に。
小説なので、読者によって当然好き嫌いはあると思います。
スピード感のあるスリラーが好きな人もいれば、熟考されられるミステリーが好きな人もいると思います。それを踏まえたうえで、この本をオススメする理由は、この本以外に、この本で感じることができる本を探すことができないからです。村上春樹は、だからすごいんだなと思います。
似たようなミステリーや、似たようなルポは散見されます。なので、あの本が好きなら、この本も好きでは?などと、推薦することもできます。
しかし、この本を似たものに出合ったことはありません。
楽しめました春樹ワールド♪ わくわく、どきどき!
久しぶりの村上春樹本、ハードカバー、同時に買った「ブラック・スワン」も楽しめました。内容はさておき、ハードカバーは文庫本に比べると眼に優しく非常に読みやすいです、年齢のせいですが。ハードカバーと同じように読みやすく、安ければ電子ブックは大賛成です。やはり、定価 本体価格x2は高いです、だいたい2回読むことなどないのに、資源の無駄使いのような気がしてきて。。。
感想としては、BOOK1はわくわくどきどきで読み進み、BOOK2は終わりが見えてきて少し読み進むのを躊躇う感じでした。もしかしてSF?パラレルワールドかーと思いましたがハードボイルドに青春文学に私小説とやはり春樹ワールド、久しぶりに素直に楽しめました。続編を期待させる思わせぶりな終わり方で次作が楽しみです。
ふかえりかわいいよふかえり
話としてはフィクションなのでリアリティを求めても仕方がないのかもしれませんが
緻密に描かれたリアリティのある舞台背景の中で人間だけが浮いているように見えました。
リアリティがないことでいい味を出している登場人物もいますが
リアリティがないことで感情移入しづらい登場人物もいます。
ストーリーとしては面白かったのですが感動はできませんでした。
ああいう話し方をする人間っているんでしょうか。
セックスってそんなに簡単にできるものなんでしょうか。
バーにでも行けばできますか。誰か教えてください。
第3部が楽しみ
なぜニュースになるほどのベストセラーになったのだろう。
あれほど世間で話題になったのは、ノルウェイの森以来ではないだろうか。
おかげで、入手するのにしばらく時間がかかった。
やれやれ。
大好きな作家だし、多大な人気があることも承知しているが、万人受けする作家ではないような気がするのだが。
独特の展開と文章を受け入れられない読者もたくさんいただろうに。
世間よりもやや遅れて読んだ村上春樹の「1Q84」は、期待を裏切らない非常に面白い小説だった。
驚いたことに、彼が書いた以前の長編小説よりも格段に内容が「わかりやすく」なっている。
このストーリーがだめな読者は、おそらく彼のこれまでの長編作品のどれを読んでも受け入れることができないだろう。
それほど「村上臭さ」が以前より薄れている。
相変わらず、ある種のメタファーなのか、それとも読者に謎を仕掛けているのか、わかりかねる部分が多々あり、戸惑う面はある。
それでも、以前よりもストーリーに吸引力がある。
淡々とページを繰るのではなく、次の展開が待ち遠しくて先へ先へと読み進むのは初めてかもしれない。
ストーリーは、彼得意のパラレルワールド。
登場人物は、新人が書いた小説の書き直しの片棒を担がされる、小説家の卵「天吾」。
もう一人は、美貌の殺し屋「青豆」。
それぞれ過去に複雑な家庭事情を持ち、現在はそれぞれたった一人で生活を送っている。
まったく関連性がない二人の物語が、あるところから微妙に交わっていく。
ところどころに散りばめられたヒントのようなキーワードは、さながら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のようだ。
しかし、このストーリーは天吾と青豆という登場人物が、それぞれのゴールを目指す。
そういった点でのストーリー展開は「海辺のカフカ」の要素もある。
日本赤軍、ヤマギシ会、エホバの商人、オウム真理教。
過去に実際にあったさまざまな事象を髣髴させる団体をベースに、小説家の卵と、美貌の殺し屋のストーリーは展開する。
これは間違いなく、村上春樹の生涯のテーマである「生と死」をベースにした純愛小説である。
あの日、教室でしっかりと握られた手。
その手のぬくもりを、いつまでたっても心から消すことができなかった。
その手のぬくもりの記憶だけで、人は生きていくことができる。
思い起こせば、ノルウェイの森も大ベストセラーだった。
今回「1Q84」がこれほどの部数が売れたのも、無意識に恋愛小説を人々が求めたからなのだろうか。
上下それぞれ500ページ以上の分厚いストーリーの果てにたどり着いたのは、驚くことに村上春樹が提示する「愛」だった。
第3部が今から楽しみで仕方ない。
