補給戦―何が勝敗を決定するのか (中公文庫BIBLIO)

  • [著]マーチン・ファン クレフェルト
  • [原著]Martin van Creveld
  • [翻訳]佐藤 佐三郎

カテゴリ:
文庫 (422頁)
ISBN:
4122046904
発売元:
中央公論新社 (2006/05)
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8,088 位
評価: 4.5
2008
06/08
Sun

名著! 多くの場合、補給が軽視されていたのではなく、局面が許さなかったということが分かる。

100.0% (3 / 3)
[No.18] posted by 近藤 カツオ

 具体的な数字を挙げられていて丁寧に分かりやすいので、補給の困難性の本質がどのあたりにあるのか分かるようになってきました。
 どんな作戦立案者も補給の必要性を切実に理解はしていたのに、ノルマンジーの連合軍といった極めて少ない例外を除いて確保できなかった理由が、また多くの作戦が補給に眼をつむって戦局を進めた背景がわかります。
 また、兵站を歴史的に考察して、補給の方法(軍需倉庫から補給を直接受けた初期の段階、ナポレオンの略奪時代、基地からの永続的補給時代(馬車、鉄道、自動車))の興味深い実例が淡々と述べられています。
 最後の「知性だけがすべてではない」という章に著者の結論と現代の軍隊の問題がまとめて極めて論理的演繹的に述べられていますが、ここはぜひ自らお読みください。

 クラウゼビッツの戦争論をはじめとする、中公文庫のこのシリーズは良い本が多いですね。

2008
06/05
Thu

翻訳の悪さを補って余りある内容

100.0% (1 / 1)
[No.17] posted by 愛国者

近現代の主な戦史を、補給という観点から解剖した異色の軍事史である。
翻訳は、軍事関係書にありがちな原文を直に訳し降ろしたような、籾殻付玄米
といったところだが、それでもズンズン読み進んでしまった。それほど面白い。
細かいところで疑問に思う点もないではないが、こういう観点から戦争を
大きく見る本は非常に珍しいので、文庫本になったのは本当に嬉しい。

現代の戦争は、本書の扱う戦争とは様相が違ってきているが、しかし逆に
現地調達(略奪)はますます致命的な結果を生むようになってきている。
このような本を読んで、最前線で華々しく闘うだけでは戦争は完結しない
という事実を頭にたたき込むことは、軍人はもちろん一般市民にとっても
決して損にはならないだろう。
むしろ銃後のイケイケドンドンが国を滅ぼすことの方が多いことを思えば、
こうした本が売れる方が望ましいと思うのだが・・・それは無理かな。

2008
03/18
Tue

兵站から見る戦史

80.0% (4 / 5)
[No.16] posted by θ

兵站というものが戦争においていかに重要なものかを説いた書。

かつては戦地略奪ですんでいた兵站が、だんだんと補給にする必要に迫られてきた。
補給では、戦隊が伸びきってしまうと補給に大量のコストがかかってしまい、大きなロスになる。

これまであまり語られなかった兵站という視点から、戦争の歴史を見るのはなかなか面白い。
具体的な内容は、実際に本書を読んでいただきたい。


第二次大戦の日本は、補給路が壊滅して、結果惨敗した。
ベトナム戦争でアメリカは、ついに北ベトナムのホーチミンルートを断つことが出来ず、敗北した。
派手ではないが、やはり兵站は戦争の最重要要素である。

2008
03/11
Tue

この本の内容を悪用すべきでない

21.7% (5 / 23)
[No.15] posted by 戦史君

最も読まれるべき戦史本。しかしこの本で旧日本軍の蛮行を正当化するのは愚か。逆に補給のような基本的なことを考えずに数万、10万単位の軍隊を進軍させると何が起こるかくらいのことは理解できなければならない。旧陸海軍の参謀であってもそのくらいは想像できただろう。当時の日本人は日本軍の補給思想の無さを知っておりその結果何が中国で起きたか知っていただろう。日本人はそれを理解できぬほど馬鹿ではない。もちろん参謀将校も知っていた。彼らは知らぬフリをしているだけ。日露戦争では15年戦争よりも補給を考えていた。この本を通じて知られることは、欧米の戦史は補給をしようと思っても物理的限界でできなかった、しかし旧日本軍は最初からそれをしようとしなかったということ。

2008
01/18
Fri

国家戦略を考える上で

87.5% (7 / 8)
[No.14] posted by nobu2002

ヨーロッパのナポレオン戦争からWWIIまでの戦争の話で、陸戦が主な話である。海軍は全く出てこない。
興味深いのは、ロンメルの砂漠戦に必要な補給をどの港で陸揚げするかの見誤りである。
いっぽう、日本に目を向けるとどうであったか。国内はほとんど陸続きであるが、ほとんどが似たような食事、似たような地形、しかもさほど遠くないとなると兵站の発想が育たなかったのは納得できる。国外に行く場合は、南方のガ島のような揚陸も難しく、そこに行き着くだけでもかなり大変なのにもかかわらず、現地調達を旨としていたのは、諦めなのだろうか。
現在の国家のエネルギー食糧問題を考えるに、補給路をどのように確保するか、国家戦略を考えなければならない。

2008
01/07
Mon

内容は良いのに酷い訳

56.3% (9 / 16)
[No.13] posted by lucius

内容の良さは他のレビューをみて分かるとおり。
ただし、例となる各戦争・作戦の周辺状況はほとんど語られず、固有名詞が説明なしに既知のものとして語られるため、近代以降の西欧軍事史の知識がある程度必要となる。
また全てを差し引いても、訳文が理解を妨げるまでに酷すぎる。
原文もある程度悪文なのかもしれないが、「なかでも最も際立っていることは」など冗長な訳文が乱発され(「特筆すべきは」の一言で済む!)、「Aのケースが無かったとは言い切れない場合もあった(Aはあったのかなかったのか!)」といった冗談のような文章も散見される。この他英語の仮定文や並置文をダラダラと直訳した文章が目立つ、実に拙い翻訳であった。これで挫折した人もいるのではないか……もったいない。

2007
12/09
Sun

名著、ただしあまり日本には適応できない部分もあるが

31.6% (6 / 19)
[No.12] posted by lm700j

なんか読んでて違和感があるなあと思った
要するに陸続きの国どうしの戦争に限るって話だよね
ノルマンディー上陸もドーバー海峡を越えればするの話
太平洋戦争で言えば中国大陸の戦いに相当するかと
日本人なら南海の孤島にな〜んも輸送船が届かなくてあぼんという話のほうがなじみ深い
補給に関してのこれまでの常識を打ち破るって内容なんだけど
海を越えてのシーレーンを守りつつの戦争がどんだけあったかというと
この本にあるような戦争に比べると意外と少ないんじゃないのかなあと
最初のほうは中世の名残のある時代の話
軍隊は現地調達が基本で、その場でとどまると略奪するものがなくなる
なので常に移動し続けないといけなかったと
次は近代に入ってナポレオンとかプロシアの話
兵站の仕組みを整えたり鉄道の活用に苦労すると
次はWW1の話で兵站に関する話でシュリーフェンプランぬるぽ
WW2ではドイツの自動車産業は世界一ーーーではなかったとか
ロンメルが陥った陸揚げする港の選択の罠とか
そしてノルマンディー上陸で補給に関して慎重になりすぎてたって話
日本国内の戦いの場合はあまり兵站とかは考えなくてもよかったんじゃないのかな
もとから人口も農業生産も大きかったわけだし
そして海洋国家の宿命としてシーレーンの防衛が重要だけど
それは兵站に限ったことではなくて平和な時も考えないといけない
そういうことを考えると兵站以前の問題になってくるわけ

2007
12/02
Sun

まさに補給戦

100.0% (17 / 17)
[No.11] posted by FreshAir

興味深い一冊だった。類書が少ないだけに、関心のある方には一読を勧める。ただ、そう難解な本ではないものの、理解のためには本書で述べられている戦いに関する基礎的な知識は多少は必要だ。

特に印象的だったのは、ナチスドイツの東部戦線での補給に関する分析と、砂漠の狐と呼ばれたロンメルの戦術に関する補給面からの考察である。一般的に、これらの戦いはヒトラーの介入が作戦遂行を困難にした大きな要因と指摘されていて私もそう信じていたのだけれど、著者の分析データからは少し異なる見解が浮かび上がってくるのがちょっと驚きだった。

我々はどうしても派手で独創的な戦略や作戦や戦いそのものに目が行きやすい。しかし、結局、優れた戦略を成功させるには、それを支えるための地道な調査や兵站や補給物資や補給線の確保維持という、一見面白くもなく基本的だが実は非常な困難さを伴う作業とそれを担う部隊抜きでは難しいというのが実感としてわかってくる。その一方で、完璧な準備をもって実施される作戦というのは実は少なく、そのような準備が可能で物量にも恵まれたノルマンディー上陸作戦ですら結局は予定通りには進まなかったと示してくれる。そして、だからこそ、それを乗り越えて作戦を成功に導くには卓越した能力と臨機応変さと決断力を持ったリーダシップの存在が必要であることも同時に明らかにされてゆく。このような点はビジネスの世界にも通じるものがある。

一方、本書はアフリカ戦線に関する部分を除くと、平坦地が中心のヨーロッパにおける陸軍の大軍同士の戦いだけを対象としている。最新のものでさえ気がつけば既に60年以上昔のものだ。同じようなことが同じ形で今後ヨーロッパで再度起きるとは考えにくい。ジャングル、山間部、諸島、ゲリラ戦、ハイテク兵器でカバーした機動戦、といった戦いでも結局全て補給の問題はつきまとうので、それらに関しても同様の視点から分析したものがあるのなら読んでみたいと思った。

2007
07/18
Wed

本当に「過去を直視」すべきは朝日新聞

33.9% (75 / 221)
[No.10] posted by 最近も「数万人の女性を拉致し、強姦し性の奴隷とした」という米紙の社説を嘘とわかって載せていた。最低だ

現在、国際社会では「日本国は国策として女性を強制連行し性奴隷とした」という話が常識となっている。
そうなった最大の原因は、朝日新聞の「政府・軍による強制連行」の嘘話の大宣伝である。
その朝日新聞は現在、
「官憲による強制連行があったかどうかは枝葉であり、問題の本質から目をそらそうとしている」
と言っている。
人間ここまで汚くなれるのだろうか?
ならば朝日の記者は世界中に飛んで「実は政府・軍による強制連行の証拠は一切無いんだ」と誤解を解くべきだろう。
それが責任のとり方じゃないのか?
朝日の記者にだって少しは良心があるのだろう?

2007
07/18
Wed

悪質な多事争論

31.8% (64 / 201)
[No.9] posted by 「広義の強制性」は元々、強制連行の証拠がないと気付いた左翼が、それでも日本を貶めるため使い始めた言葉

3月5日のTBS・NEWS23の多事争論で筑紫哲也氏は、慰安婦問題での安倍総理の答弁について
「業者にそういうこと(強制連行)をやらせたことに強制性があるという、まあ日本人が聞いてもわからない説明であります」
と述べている。
まず安倍総理はそうは述べていないし、「やらせ」た証拠もない。
通達の1枚たりともない。
「悪質な業者を取り締まれ」という通達ならある。
発言を捏造しておいて、日本人が聞いてもわからないとしている。
汚いとしか言いようがない。
慰安婦問題については、小林よしのり著『平成攘夷論』をぜひ読んでほしい。


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