- [著]レイモンド カーヴァー
- [原著]Raymond Carver
- [翻訳]村上 春樹
- カテゴリ:
- 新書 (301頁)
- ISBN:
- 4124034997
- 発売元:
- 中央公論新社 (2006/07)
- 価格:
- ¥ 1,155 (税込)
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どの話も漏れなく印象的。
カーヴァーの翻訳は村上春樹さんの手によってたくさん紹介されています。
それにもかかわらずあえて原書を読み解く意義はないのかもしれませんが、たまたま手に入ったので原書で読みました。
アメリカの労働者階級の悲哀を見事な筆致で描き出している、と言った文脈で語られることが多いカーヴァーですが、それよりもあの退屈なアメリカの田舎(行ったことのある人にはうなづいてもらえると思います)を描いているのに、どの話も漏れなく印象的なところが素晴らしいです。
チェーホフと並んで、非常に良質な短編作家です。
タイトルが長いけど素敵だなと思っていたのですが、これが同タイトルの短編では酔っ払い寸前の人の発言として出ているのに唸らされました。
翻訳は未見ですが、村上春樹なのではずれではないのでしょう。
でも原書を読む価値も多分にあります。
英語の勉強の一環として、是非。
愛について語るときに我々の語ること
約25頁。たったそれだけの短い文章の中に、誰もが辿り着けるようで辿り着けない本物の愛の意味が存在していました。
二組の若い夫婦が家で、ジンを酌み合いながら互いの恋愛、結婚経験を語りあいます。ある種劇的なその互いの話の中で最期に登場する、ある老夫婦の出来事。その愛の深さは、普遍的であり、恒常的できであり、この世における真実が何気ない日常の中で誰にも気づかれずひっそりと存在しています。この尊さは、誰にでも到達できるものではありません。その日常に埋もれる尊さを、刃のような洞察力で切り抜き、しかしさわやかさで流してしまう作者の才能に感動しました。
お風呂の中でこの短編を読みながら、沸き上がるしぶきのような自分の涙に驚きました。まるで、私の心がカーヴァーの刃によって、さわやかに切り取られたようでした。
忘れられない経験を、カーヴァーによってさせられました。
ライト読者からの感想
あまりガッツリと本を読むタイプではないのですが、村上春樹が訳したということで購入してみました。何かを失くした人や壊してしまった人たちのワンシーンを切り取ったという感じです。ヤマもオチも無い話が多いですが、淡々と進み、読み終わった跡にインクの染みのように喪失感が滲んできます。短編集なので読みたい時にサッとよんで浸たれるのが良かったです。長編は買ってから読み始めるまでに結構な気力を使ってしまうタイプなので・・・。同作者の「ささやかだけれど、役にたつこと」も良い本でした。
カーヴァーすごすぎる
徹底的な短編作家です。あれだけの枚数でこれだけのりんとした詰めたい空気や深い絶望を作りあげることのできる作家はそうはいない。
それだけに、読み方を間違えるとまずいことに。いちいちこれはなんのメタファである、とか考えなくてもいいのだろう。ただそこにある話をそのまま受けとめれば、そのまま楽しめる。
村上春樹による解題も非常に魅力的。客観的に見ているなあ、という感じがする。だって、褒めてないし。
