- [著]リサ ランドール
- [原著]Lisa Randall
- [翻訳]向山 信治
- [翻訳]塩原 通緒
- カテゴリ:
- 単行本 (653頁)
- ISBN:
- 4140812397
- 発売元:
- 日本放送出版協会 (2007/06)
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実験により、余剰次元の発見可能性のあるモデル理論かもしれない!
この本をお読みの前にブライアン・グリーン「エレガントな宇宙」を読んだ方は、早く、4部に読み進みたいと思われたかもしれない。何故ならブレーン、ブレーンワールドの解説が専門家から割りと詳しく述べられた初めての翻訳書と思われるからである。これは、著者の話を理解するには、不可欠である。著者の本書の意図は5部以降である。この分野に詳しい人はそれだけでも著者のこの本の目的がお解りに為るだろう。通常の超弦理論では余剰次元はカラビーヤウ空間にコンパクト化されて、われ等の手段ではそれを実験等で確認は不可能であったが、著者たちは通常の道を採らず、ブレーンの存在をメインに考察する事により、直接超弦理論に挑まずに、いくつかのタイプの歪曲した5次元モデルを提唱し、スイスCERNに建設中の大型ハドロン加速器(LHC)の完成稼動により、余剰次元が存在した場合の素粒子反応などについて詳細に述べている。それを理解させるために、長たらしい3部を初心者向きに述べてある。最後の6部の結びの考察ページ数の制限かどうかは、解からぬが雑である。物理学は論文は数学だらけだが、数学ではない。自然科学である。超弦理論にまで行かなくとも、物理学者は、昔から抽象的多次元空間には慣れている。実際に、実験により、余剰次元の存在を示唆する結果が出たら、ランドール達は更に新しい宇宙観を我々に与えるのだ。その意味するところは非常に大きい。しかし、本の最後の6部結びの考察で述べている様に未解決な問題は多い。この点に関しては、 LEE SMOLINの著作物は未翻訳のものを含めて、この本の理解深めてくれます。著者のモデルは超弦理論のブレーンと標準理論における新粒子の発見可能性などの良い所取りのハイブリッド理論であり、基本的には超弦理論の亜種に属し、あまり整美な理論とは個人的には思いません。良い結果が出ても、前述した LEE SMOLIN等の指摘した難問題が待っています。これは、ランドール達の仕事を興味ある素晴しきモデルであり、それが、確かめられても、統一理論への道は未だ遠いのです。彼女の理論は背景依存です。一般相対性理論は背景独立です。時間も空間もプランク尺度で連続ではない事は20世紀末には、超弦理論でも、ループ量子重力理論でも、それらとは他の道を行くペンローズ達にも理論的に議論されてます。しかし、ランドールの論文は、実際に近い将来に加速器で余剰次元の存在確認できる事を示唆した重要さで、誰もが認めるべきでしょう!しかし、各章の初めの言葉のセンスが悪い。
Sept-masque de couleur
自然科学で宇宙は理解できない
第20章 からが著者の主張である。それまでは、素粒子物理学とひも理論派の到達したレベルを解説している。その解説も、高校での物理学の相当程度を理解しているという事が前提で書かれている。原子核や、電磁波の理解を前提にし、スペクトル解析などの数学の理解も要求される。しかし、その前提さえあれば、著者の 主張する ワープする宇宙 が理解できる。
多次元が、目に見えないのは、時空が歪曲していて、重力が特定の領域に集中しているからである。したがって、多次元は、無限に伸びているが、我々には4次元にしか見えない。直近の著者の説では、この4次元空間は、多次元宇宙のなかの、孤立した孤島であるという。つまり、この世界は宇宙の中で閉じ込められた特異な世界という事なのだ。
しかし、著者が、第24章(あなたは、そこにいるのか、いないのか?)で指摘するように、時間と空間の存在は、人間の幻想であるかも知れないし、物質やエネルギーの根源的理解には、未だ、ほど遠いとしかいいようがない。人間の五感と意識は、限られた認識装置でしかない事も承知している科学者なのである。
自然科学では、全宇宙が理解できないのではないだろうか というのが、読後感です。
簡単ではないぞよ!
見目美しい女史。しかし、才色兼備などとという言葉ではかたづけられない天才。私は文系ですが、学生時代から宇宙にロマンチックに憧れ、事典やホーキングなどを読んできました。そんな私からすると、この本は骨太。数式はありませんが、その分、イマジネーションをたくさん働かせる必要があります。しかし、これは文系出身者が、最新の宇宙論を理解するための最低限の関門なのです。がんばって!
期待が大きかったので残念
正直言って、これがベストセラーとは驚きである。このボリューム(混んだ電車で読むにはかさばる)と内容で、一般読者が最後まで楽しめたのだろうかと心配になった。すごく期待を持たせるタイトルであるが、内容は数式がないにせよ、私には難しかった。
量子物理学の過去から現在までの研究をたどる部分がかなり冗長で、著者の研究に辿り着くまでが苦労して、息切れしてしまう。ここまでは一般の科学書や雑誌でも読んでいるので、話は見える。最終段にいたって著者の研究内容の説明は文章を読むこと自体はできるわけだが、意義がよく分からないし、その発想の背景とか立証方法が見えてこない。期待していたのにすごく残念だった。
門外漢には難解そのもの
分かりやすいという評価(帯のね)だったので読んでみたものの、残念ながらまったく内容を理解することはできませんでした。分かったのは、フラットランドを球体が通過する話くらいですが(笑)、これは著者の作った話ではありませんしf(^^;;;
こういった分野になじみのない文系人間には難解です。
星4つにしたのは、自分の理解の悪さで評価を下げるのが申し訳ないという理由によるものです。
とはいえ、雰囲気は楽しめた気がするので、しばらく本書を手放す気はしませんが。
行きつ戻りつの世界
最新の物理学の内容が相対理論から丁寧に説明されている。
各理論の説明は分かりやすいが、一気に読めず、行きつ戻りつとなってしまった。
最後のところ、リサ・ランドールの主張する理論のところは更に難しくなるが、熱意を持って書いているのが翻訳を通しても伝わってくる。
読了した後に理解するしない、は別にして「いい本」だと気づかされる。
しかし、最新の理論も行きつ戻りつの世界であるなぁ、と感じた。必ずしも一直線に進んでいるのではない。
厚さ以上の中身。
最新物理学を導入する、読み易い1冊。
次元とは何かという問いからスタートして、現代物理学を説明し通し、更なる発展としてランドール氏らの打ち立てた最新の理論を教え、そして最終的に再び次元とは何かを問う所に戻る。一点から拡がって行く風呂敷が、最終的に一点に収斂するその流れが、何の不自然もなく一周する話の運びも秀逸。
難しい数式を一切使わず、その為に難しくなる筈の解説はしかし、徐行運転で躓きも最小に抑えられている。各章の冒頭にはポップソングの歌詞の一節と、切り分けられた短篇小説とが挿入されてもいて、実にフランクな出来だ。
これまでに関連書籍を少しでも齧ったことがあれば、そして、理解しようという意志さえあれば、文系の者であるレヴュアーでも概要は文句無く理解可能であった。
早くLHC稼働しないかな……。
これ1冊で、相対性理論・量子力学・モデル理論・対称性・階層性問題・超対称性・ひも理論・超ひも理論・ブレーン・余剰次元を総洗い!
表紙のピンクが目にまぶしすぎます
たくさんのレビューで既出のとおり、ほとんど数式は出てきませんし、たくさんの歌に彩られた本です。
私のような素人にも非常に速いペースで読むことができる読み物であって論文や専門書ではありません。書評などでは全体的に非常に平易とは言われていますが、難しい内容もあるため、何度も読み返してみたくなる部分も多くあります。
何よりも私にとっては、飽きずに何度か読み返したくなるためテキスト量の割にお値ごろ感があります。何日か持ち歩いて読んでいたのですが、難しい本を読んでいるとはわかりにくい、わからないこともぜんぶ包み込んでしまうような『ガーリーでかわいい装丁』が著者の美しさとも重なるものがありお気に入りです。(書棚ではピンクが目にまぶしすぎます)
テキスト量が多いため、読むには時間がかかります。必然的に持ち歩き時間が長くなってしまうのですが、その上でもブックカバーは「もっとテカリ」のある丈夫な紙でも良いようにも感じました。(もちろんカバーをはずした中にあるブルーの水玉もかわいいです)
とにかく装丁がかわいいです。
内容のわかりやすさとしては本当は☆4.8個くらい、つけたい心境です。
とにかく情報量も文字量も多いので、GWなどの渋滞対策として旅行のお供にでも持っていくのも良いかもしれません。
最新の理論に触れる興奮
内容については多くの方が既に触れられていますので、主観で感じたことを。
理論物理学というビジュアルや直感で分かりづらいジャンルでありながら、
それも最新の仮説を紹介する内容としては、比較的内容の理解はしやすいと感じました。
ただどうしても一般向けの本を初めて執筆したということがあってか、
たとえ話が多すぎて、話の流れがぶった切られてしまって、把握しづらい部分もあったことも確かです。
話の盛り上げ方や面白さを求める本ではないにしても、主題に絡むアイクとアシーナのフィクションののストーリーは結構楽しめました。
何より、もっとも新しい理論を知り、(部分的にでも)理解できるという興奮は、
多少の読みづらさも補ってあまりあるものだと思いました。
いつか来た道 ・・・
「より根本的な構造を探す旅はもうおしまいで、これ以上続けても無駄なんて、そんなことがありうるだろうか?
それはどう考えてもおかしなことで、とうてい信用できない」
「ダークマターやダークエネルギーにしろ、私たちはその存在を間接的に確認しているだけであり、
それと同じように、余剰次元も直接的には私たちの前に現れてこない。
それでも余剰次元の痕跡が、間接的ではあるにせよ、究極的に余剰次元の存在を明かしてくれる。」
ダークマターやダークエネルギーが気になっているので、期待して読んでみました・・・
等価原理(の局所性)や黒体の「紫外発散」、反粒子(時間をさかのぼる粒子)、ヒッグス機構(静止できること・・・質量の起源)の説明は、
とてもわかりやすく、繰り込み群(電磁気力と強い力に対する仮想粒子の量子力学過程)を天下り的に飲み込んでしまえば、
「すべての力は究極的には同じはず」という方針の下、「大統一理論(GUT)」の登場です。
ここで、探究の道しるべであった "対称性" が、一転、本題である "階層性問題" を招いてしまいます。
「原子スケールで重力が弱いといっても・・・プランクスケール長さ・・・までいくと、もはや重力は・・・無視できない」
「物質の根本をなす最も基本的で分割不可能な物体は、ひも」
「ひも理論の目標は、量子力学と重力をプランクスケール長さより小さい距離で調和させること」
超ひも理論学者(エドワード・ウィッテン)の面目に合点がいったのは、
双対性(強く相互作用する超ひも理論と弱く相互作用する超重力理論の等価性)の件(p418)・・・スゴイもんです。
4部までは、勉強になる方も多いと思う。私の場合、5部以降、何だか嘘っぽくて、突然シラケてしまいました。
この感覚は、ブライアン・グリーン著『エレガントな宇宙』と同じです。
著者ランドールの言葉で言えば、「可能性のあるモデルがいくつも立てられる。・・・現在のところは、
多くの可能性のなかからどれを選んでいいのかわからないし、いずれにしても、どれも格別正しそうには見えない。」
って感じです。
余剰次元(ブレーン)って概念も、"隠れた変数(ジョン・ベル)問題" に過ぎず、理論物理学の息苦しさを再確認した次第。
