- [著]カート・ヴォネガット・ジュニア
- [翻訳]浅倉 久志
- カテゴリ:
- 文庫 (346頁)
- ISBN:
- 4150102627
- 発売元:
- 早川書房 (2000)
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- ¥ 672 (税込)
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最後はある意味感銘深いが、取っ付き難い
作者の意図が最後の方までハッキリしないので、
様々な場面にどのような意味があるのか良く分からず、
フラストレーションが溜まります。
随分ともったいを付けた割には、落ちが弱いと感じました。
それと、登場人物があまり魅力的ではない点が好きになれません。
例えば、話の本筋とは全く関係がないのですが、登場人物が、
未来を見通せるが故に悩む(?)、という一点だけ
F. ハーバートの「砂漠の救世主」と似ていると感じました。
私は、「砂漠の救世主」のポウルの悩みには共感できますが、
この作品のラムファードの考えは意味不明です。
話の落ちとしては弱いと思ったのですが、最後に出てくる
教訓じみた台詞の中に,若干感銘を受けたものがあったので、
星2つです。最後まで読み通す根気が無ければ、星1つ以下でしょう。
今世界に必要なのはとびきりのユーモアなのだ
ヴォネガットの描く世界観や人間観はどうしようもなく絶望的なのに、彼のそれらに対する視線はなぜこんなにも温かなのか。
地球、火星、水星、また地球と太陽系をウィルストン・ナイルス・ラムファードの手によって流浪し、最後にたどり着いたタイタン(木星の衛星)で明かされる主人公マラカイ・コンスタントの使命とは?企業を宗教を死を人間そのものをユーモアを交えながらシニカルに書いているのに、読み終わったあとになぜか優しい心持になりした。誇張ではなく、一つの世界の終わりと始まりが本書にはあります。
ストーリーに振り回される感覚が楽しい
まず読み手の想像を超え続けて振り回し続けるストーリーがすごいと感じました。
私の読解力の問題かもしれませんが、主人公と一緒に読み手も振り回される感覚です。
振り回されて、振り回され続けて、なぜか終盤に近づくにつれて、理解できてくるというか、
ストーリーが収束されてくる感覚になり、すっきりした気分で結末を迎えられる。
これはヴォネガットの計算ずくのことなのか。2回読むともっとすっきり理解して読めました。
物語のおもしろさはもちろん、そんなヴォネガットの技巧にも感心してしまう作品です。
流石は本人が一番気に入っている作品に上げているというだけある感じです。
超オススメです☆
ヴォネガットは好きで読んでいたので気になっていたものの、
本作はタイトルが地味に思えて何となく読んでいなかった。
先日、川上未映子氏がテレビで、めっちゃおもしろい、
48ページまでちょっと読みにくいかもしれんけど、
そこを過ぎたらもう、ほんま一気。
と紹介していて、ではとりあえず48ページまで……
なんて思って読み始めたのですが、
ほんとにそのあたりからぐいぐい引き込まれました。
これ、最後までひっぱるのかな……と思われるような大きな設定やナゾなども、
どんどん解決して、話はどんどんどんどん展開していく。
ついにはこんなスケールの話になるとは……。
ある意味では人生のすべてが詰まっているとも言えるような作品です。
笑って泣ける作品ですが、「笑って泣ける」なんて陳腐な言いまわしが
まったく適さないような質の高いやり方で笑いと涙を与えてくれる。
本物のウィットとはこういうもののことを言うのでしょう。
全編すばらしいですが、最後の場面が本当にたまらない。
独特の翻訳も味があって、雰囲気にとてもよくマッチしている。
完成度の高い傑作。
最初から最後まで練られたストーリー、設定。
非の打ち所のない傑作。
心の中で育つ夢や目標も、辿り着いてみれば実は枯れ尾花。
そこには何も無く、あるのは自らの魂の軌跡のみ。
人類の歴史は取るに足りない1つの部品のために作り上げられ、それ以上の意味なんてない。
ラムフォードとその犬カザックのキャラクターがとても魅力的。
神のように振舞い、時間の中に溶けていく。
トーストみたいにあったかだ
前期ヴォネガットを語る上ではずすことのできない作品。
世間的には、「猫のゆりかご」と人気を二分する作品だが、
ヴォネガット一流の、読後のしみじみ感を満喫できる
「タイタン」のほうがわたしはお気に入りだ。
ヴォネガットと言えば、しっちゃかめっちゃかな話の展開だが、
ここでのしっちゃかめっちゃか度合いは半端ない。
地球を飛び出して、はるかかなたの星の世界へ飛ばされまくる人生も、
そういうものだと受け入れるべきか。
トラルファマドール星人、大活躍。
パンクチュアルな意味において、カートは今、天国におります。
私自身、この長い物語は、ラスト3ページの"サロの贈り物"の
ためだけにあると思っている。
ここを読むだけで、ほらまた鳥肌が立って、目頭が熱くなる。
天国にいる誰かさんは、あんたのことが気に入ってるんじゃないかな云々は、
いろいろな作品で使われている言葉だけれど、
「タイタン」ではとても重く、やさしく、トーストみたいにあったかだ。
まさに名作。
傑作ね
↓映画のフットルースで主人公のケビン・ベーコンが言った「classic」とは「傑作」という意味です。
その発言をしたが故に、彼とは相容れない価値観を持つ保守的な土地の人から警戒されるわけです。
作家ヴォネガットの米国での捉えられ方が如実に現れたシーンとして印象に残っています。
本作はヴォネガットの作家デビュー2作目でありますが、既に完成しています。お亡くなりになるまで、
人間という存在を見る軸が全くぶれませんでした。本当に凄い人です。
カザック、さようなら!
SFの形をとっていますけれど、作者はSFが手段として、効果的だから使っているだけで、本当はSFじゃなくても良い、と考えているのではないかと思わせる、不変的、哲学的テーマに物語るチカラでいかに読者を離さず考えさせるか?という挑戦のように感じました。
なかなか面白いです、結構古い(恐らく30年ぐらい前の発表作)にもかかわらず、物凄くテンポが良く、読みやすいです。物語のペースに入るのに(作者の少しひねった皮肉等に慣れるのに)私は時間が少しかかりましたが、本を読まれる方ならほとんど感じないぐらいかも知れません。
人間の矛盾さや生きている事の意味などの問いかけを、このままでは誰も考えませんが、それについて考えさせるきっかけなり、答えなり、覚悟なり、分からないまま過ごす事も選択のひとつだと思わせたり、読後の清々しさを求めたりする方にオススメ。
何となくジョン・「ガープの世界」・アーヴィングをSFでしかもおとぎ話風にして、少し皮肉を効かせた感じでしょうか?
途中で出てくる宗教〈徹底的に無関心な神の教会〉(神さまは存在するが、我々人間がどんな事をしようと、何をしないとも、基本的には全く関心がない、と考える宗教)の存在が面白かったです。未来の事が分かる教祖の最後は納得は行かないが、主人公の事より気になりました。
著者一流の名セリフ「私を利用してくれてありがとう」「いや、どういたしまして」
約50年前に発表された本作は20世紀小説の大傑作。大富豪コンスタント氏が宇宙のさすらい人となり、太陽系の星を転々とし、最後に家族3人がタイタンに安住するが、そのタイタン到着までの悠久の人類史が遥かな宇宙旅行途中に円盤の故障でそこに不時着したトラルファマドール星人に部品を届けるべく同星人による干渉を受けた結果だった、という壮大かつ荒唐無稽な寓話。しかし、波乱万丈の生涯を余儀なくされたコンスタント夫人は、「だれにとってもいちばん不幸なことがあるとしたら、それはだれにもなにごとにも利用されないことである」という箴言を残す。ヴォネガットの哲学を示す何たる名セリフであることか。本書は、タイタンが舞台になって以降の切なくも美しく、作者の優しさを感じさせる終盤が圧倒的に素晴らしいが、そこに至るまでの展開にも、異星からの攻撃を受けて初めて一致団結する地球人の姿や徹底的に無関心な教会という架空の宗教に込められた現代社会への皮肉、時空を超えた存在という概念や人の人に対する博愛の象徴としての消防車賛歌といった後の彼の作品で繰り返されるモチーフが含まれている。感動の終盤では自身の生誕地という理由以外に何故著者がインディアナ州インディアナポリスにこだわるかもわかる。
ヴォネガットらしさは本作で開花した。以後、「母なる夜」、「猫のゆりかご」、「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」、「スローターハウス5」と秀作が続く。私の青春の愛読書だったが、20世紀米国小説の金字塔たる不滅の作品群だと今も確信する。なお、翻訳云々を指摘しているレビューもあるが、私は読みにくさを昔も今も感じなかったことを付言する。
それでは、単時点的な意味において、さようなら。
最高傑作
もう4回読んだけど、また読みたくなってきた。
始まりもラストも、その間も最高に面白い!!
とにかく、最高
