- [著]ダニエル キイス
- [原著]Daniel Keyes
- [翻訳]小尾 芙佐
- カテゴリ:
- 新書 (485頁)
- ISBN:
- 4151101012
- 発売元:
- 早川書房 (1999/10)
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- ¥ 840 (税込)
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知は力、しかし、いつかは衰え、死んでゆく。アルジャーノンのように。
「アルジャーノンに花束を」という小説の題名は知っていましたが、このような哲学的な内容の作品だとは思いませんでした。医療や科学が障害者に何ができるのか。障害持つものの苦悩は本人しかわかりませんし、本人もわからない場合がある。それを一方的に、家族や医師や科学者が施術をほどこし、スーパー人間を作りあげる。それは本人にとって本当に幸せなことなのか?チャーリーは自ら、知を求め、手術を受け、能力を授かります。その結果、スーパー人間になるが、孤独は深まるばかり。そして、どんどん能力が衰えて痴呆になってゆく恐怖。これは、ふつうのエリートたちにもいえることではないでしょうか。優れた能力を持つヒトは、劣った人間を下げすみ、馬鹿にする。劣った人間たちは、さらにおとった人々をいじめて憂さを晴らす。人間の心理を知り、うまく働くなった脳を抱えながら、それでも生きて勉強をしていきたいと願うチャーリー、ヒトに施しを受けることを拒み、自立しようとする彼の生き様は尊敬に値します。私はたぶんアルジャーノンのように、すべてに絶望して死んでゆくのでしょう。
花束を
この本は映画を見るように読むことができました。
皆様はわりと色々哲学的、道徳的なことを考えさせられたとゆう感想が多く見受けられますが。私ももちろん色々考えさせられましたが、何はともあれ、読書するということ自体を
エンターテイメントとして楽しむにはとても上出来な文章であると思います。
映画の画面を見るように情景が浮かんできました。
楽しめました。
人として
初めから最後まで、ひたすら、人として生きたい。
知的障害者から天才、そして再び知的障害者に。
その間、自分が生まれてきた理由を求め、自分が生きた証を残したいがために、ただひたすらに。壮絶である。
都会の雑踏と、急ぎ足で通り過ぎる時代の流れに翻弄されている我々現代人に、もう一度、人として生きる原点を見直させる本です。
検討
ストーリー構成は単純だが、主人公の思索の変化の描写が秀逸。本書には「泣ける」という特徴があるが、それは副産物。多くの人が抱える懊悩、自我への疑問、そういう心理の闇に、主人公が限られた時間内に全力を傾けて戦いを挑む姿に、日常生活のなかで見失っていた何かを思い出させてくれるからかな〜と私は思う。大袈裟な表現を承知で言えば、人類必読の書。
素晴らしい仕事をした訳者に感謝したい一冊。‾‾他の推薦されたタイトル: The Fates by Tino Georgiou. 極度のよい.
号泣しました
こんなに感動させる「ひらがな」に出会ったことはありません。
この哀しい言葉の変化は翻訳の方の努力の賜物でしょう。
人間の残酷さ、切なさ、すべてがこの「ひらがな」に凝縮されています。
一人称の作品であるがゆえの感動
この作品もSF小説のジャンルに分類されるのだろうが、普遍的に「文学」として認識されている事が多いかもしれない。
それほど広く誰にでも読まれている作品。
日本版としてドラマ化もされたが、そちらは観ていない。
ユースケ・サンタマリアが主人公役だったことくらいしか知らない。
ストーリーに関して多くは語らない。
知能障害を持った純朴な青年が、知能を高める脳手術を受け天才になっていくが、知能を得ると共に知らなければ幸せだった真実を知り深く傷つき段々と孤独となっていく。
テーマは結構単純だ。
幸せとは何だろう、知能が高いことは単純にイイコトなのか……。
そしてストーリーは意外な展開を迎える。
一人称の文体を採用することによって主人公の知能の変化を読者に如実に伝えていき、悲哀をいっそう際立たせる秀逸な作品。
心優しき男の物語…
このお話が人々を感動させるのは、知能が上がり、再び下がるという経験をしてもなお、この主人公の本質がとても『優しい』からだろう。
しかし、知能レベルの変化はその「表現」を変えてしまう。そして人は「表現」を見て相手を判断する。彼が再び知能を失った時、どれほどのものを失わなくてはいけないのか…。彼の本質が変わっていない事を理解している読者は、そこに涙する。
SFの至宝の一つだ。
非常に残酷な…
感動はしませんでした。
確かに最後のページで涙しました。が、それは
「なんて残酷な話だろう」と思ったからで。
知的障害者を身内に持つと、他の方のように
外から見ることが出来ないからかもしれません。
最後に、「障害者も人格を持った人間なんだ」みたいな事を書いてますが
そんな事は家族なら皆解っている事です。
★天才も障害者★
●これもSFなんですね
読み始めは本当にあったことかと思っていましたが、途中から創作であることに気が付きました。
根底に知性と慈悲が同時に存在できないという考えがあるようで、文化の違いを感じます。
とはいえ、内容は緻密に(でも、科学的なことに関しては深追いせず)進み、手術によって知性を得たねずみに人を投影させ、最後にねずみに花束をあげてほしいという純真さのみを残すことにより、物語に深遠さを与えています。
●現代医学への警鐘をも鳴らしているのかも知れない
買いですが。
あらすじ自体は特にどうのこうのということはないのですが、あとがきにある「心温まる」といったニュアンスの言葉にとても違和感を覚えました。チャーリーが再び知能を失っていく様が、それが本人に自覚されているところなどが一致して思われて、最近見た「明日の記憶」を思い出して不憫で仕方がなかったからです。
