- [著]アガサ クリスティー
- [原著]Agatha Christie
- [翻訳]羽田 詩津子
- カテゴリ:
- 文庫 (445頁)
- ISBN:
- 4151300031
- 発売元:
- 早川書房 (2003/12)
- 価格:
- ¥ 777 (税込)
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「フェアかアンフェアか」を超えて
発表当時、メイントリックがフェアかアンフェアかを巡って物議を醸し、問題作扱いされた本作。
しかし、トリック自体には、すでに前例があり、趣向そのものが問題というわけではありません。
本作がミステリとして成立しているか否かは、以下の二点から考えることができます。
ひとつは、読者に事件を推理するための手がかりが十全に与えられているかどうか、ということ。
もうひとつは、犯人の行動が、その時その時の彼(彼女)の心理状態と矛盾しない、ということです。
つまり、前者が〈犯人当てミステリ〉として求められる論理的整合性の観点、
後者が犯人が当然持つべき心理的一貫性・必然性の観点、ということになります。
個人的に本作は、前者に気を配るあまり、後者がおろそか
となり、不自然さを露呈してしまった、という印象です。
ただ、現代に至るまで、本作を雛形として改善が試みられた、
同趣向の作品が数多く生み出されている、という現実があります。
ゆえに、いくら瑕瑾があったとしても、本作の歴史的価値が揺らぐことは決してないのです。
◆本作のバリエーション作品
・『第二の銃声』(アントニイ・バークリー)
・『夜歩く』(横溝正史)
思いついた者がみなもらう
このトリックを思いついた時点で、クリスティの勝ち。
クリスティの最高傑作として、本作を採るか「そして誰もいなくなった」を採るか、意見の分かれるところだと思いますが、僕は「そして誰も」を採ります。圧倒的なサスペンス物として。
僕はどちらかというと「アンフェア」派ですが(というか、「ズルくないか?」って思う)、本作の歴史的価値は認めます。もしまったくこの作品のトリックを知らない、ピュアな青少年は読んだほうがいいと思います。素直にだまされる快感に目覚めるから(笑)。
あ、考えてみれば、読み終わってすぐ読み返したくなるっていうことでは、こっちが上かあ。
うーん、クリスティやクイーンやカーをむさぼるように読んでた頃に戻りたいなあ。今そういう時期にいる人は幸せ。
オモロー
読み終わった感想として、かなり質の高いミステリ小説で面白い
私は読む時間があまり取れなくグダグダと読んでましたが
20ページづつぐらいに区切りがあるので内容を忘れず読めました
話しの内容はある村でアクロイドと言う人が殺害され
村に引っ越して南瓜の栽培をしていたポアロが調査に乗り出すといった感じです
事件をややこしくするために、「偶然」を入れてるので納得いかない人もいるかも
犯人についてはアガサ・クリスティーの小説を読んでいる方は薄々気が付くかもしれません
私は何の根拠もありませんでしたが、中盤辺りから「もしかすると○○が犯人かも」
と思っていたら当たってました
しかしその裏にあるアガサの仕掛けにはまったく気が付きませんでした
その仕掛けとは読み終わってからのお楽しみということで、お薦めです
アガサの作品の中でも最高傑作だと思う
1926年に書かれたものだが、とても読みやすかった。また27の章に分かれていて章ごとがの展開がわかりやすく読みやすい。ABC殺人事件やオリエント急行殺人事件と比べても読みやすかったし面白かった。とにかく、誰が犯人なのか25章までわからない。私は真犯人を当てることができなかった。100人の読者中当てることができるのは3人くらいしかいないのでは?と思った。あまりにも意表を突くこの結末は、前後のアガサの小説にもなく、最初で最後の展開と言えるだろう。巻頭に「殺人事件が起き、検死があり、登場人物が次から次に疑われる、本格推理小説が好きな、パンキーに捧げる」とアガサが書いている内容どおりだった。まさに「登場人物が次から次に疑われる」アガサの素晴らしい最高傑作だと思う。
ヤラレました
言わずと知れた名作ミステリーです。トリックについて言及出来ないので(ネタバレになってしまいますし、ミステリーのネタバレは特にキツイですから)読んでいただくしかないのですが、面白かったです。
当然今の作品の方が洗練されているとは思いますが、この時代の、科学捜査でなく、人間味の妙を、人間観察を、灰色の脳細胞を働かせるポアロの推理はとても面白かったです。フェアか?アンフェアか?犯人が当てられたか、分からなかった、とかも、もちろん議論されてしかるべきですし、それで良いのですが、私は単純に楽しめました。私はフェアだと思いますし、犯人が分からなかったのですが小説として楽しめました。
いろいろ書きたいこともあるのですが、この本の感想を書く(未読の方へが、また)のが難しい!!!に挑戦してみたのですが、本当に難しい!!
ミステリ好きな方で未読の方はもちろん、物語の面白さ、人間観察からの推理など、に興味のある方にオススメ致します。
犯人がわかっていても
良質のミステリーは何度読んでも面白い。犯人がわかっていても面白い。この「アクロイド殺し」はむしろ犯人がわかっていて、二度目、三度目に読んだほうが、プロットがどのように展開していくのかを確認できるのでより興味をもって接する事ができるのだ。
このミステリーの展開をアンフェアだとする意見があるが、私は決してそうは思わない。「早いもの勝ち!」で、クリスティーが最初にやってしまったことだから許されるのだ。ミステリー・プロットの展開は同じトリックを何回も使ったり、他の作者が、二度目、三度目に同じことをやるからアンフェアになってしまうのだ。
クリスティの作品は、再読に値する良質のミステリーが揃っている。特に本書はお薦めである。
アンフェアの定義とは?
本書は犯人を読み解くための手がかりが全て与えられた中で、「やられた! だまされた!」と感じる最大級の意外性・驚愕感が味わえる、真に良質で秀れた推理作品にして、クリスティーのみならず、数ある本格推理小説の中における最高傑作である。
それだけに、本書がアンフェアであるという意見が未だにつきまとうのは非常に残念なことである。
私は、推理小説におけるアンフェア(不公正)とは、「読者に提供する情報が、虚偽・虚飾であることを承知しながら、それを正しい情報であるかのように伝えること」と考える。
この定義に照らし合わせれば、本書には何一つ読者に対して「虚偽・虚飾であることを承知しながら、それを正しい情報であるかのように伝え」たものはないのだから、本書はアンフェアではない。
しかし、本書をアンフェアであると主張する人の多くは、読者から見れば当然信頼すべき人物を真犯人とする設定にしたことが、読者に対する裏切り行為、すなわちアンフェアであるというもののようである。
私自身はそういう人物も含めてすべての登場人物を疑うのが推理小説読者の義務であると考えるので、本書がアンフェアであるとは思わない。
私にはアンフェア派は単にこの作品が気に入らない、それを「アンフェア」という言葉で正当化しようとしているだけのようにしか思えない。
もしも本書をアンフェアと主張するなら、それがどのような定義に基づくものか、そして、それが他の著者の作品においてはどうなのかも客観的に検証してもらいたい。
それらがなく、ただ単に本書のみをアンフェアと主張するのはアンフェア(不公正)な行為であると思う。
当時の推理小説の常識を覆しました
そのあまりに衝撃的な手法はファンの間でも大激論が交わされたそうです。・・・・もちろん、詳しくは言えませんが。
実は、最近ノリにノッている東野圭吾先生の著作にも、明らかに影響を受けたと思われるものがあります。・・・・もちろん、どの話なのかは言えませんが(笑)
アリかナシか?WHICH? ぜひこの大激論にご参加ください。(一ファンとして宣伝してみました)
ミステリに縁遠い方、騙されたと思って読んで、更に小説に騙されて下さい。
ミステリ、推理小説を読んだことのない方には俄然オススメです。
トリックは、現在ではもう使い古され、アクロイドよりも洗練されたものが出ていますので、
何冊かミステリを読んだことのある人でしたらスグ気付くと思います。
私もかなり早い段階で気付きましたので、驚きはありませんでした。(むしろ納得?)
この驚きが得られ、楽しめるのは、ミステリとあまり縁のない方でしょう。
ですから、騙されたと思って読んで、小説からまた騙されてください。
縁のある方は、まぁゆっくり読まなければ楽しめます(笑)
でも、このトリックを1920年代に考えたという点は素晴らしい。
ミステリの歴史を把握する為のテキスト、古典として読めむならば、コア、ライト問わず、
ミステリファンにとっては読む価値はあると思います。
が、値段と本のボリュームを考えた場合「是非」とは言いきれません。
有名すぎるミステリー
クリスティーを不動のミステリー女王にせしめた有名すぎる作品。
アクロイド氏と付き合いのあった婦人が睡眠薬で不可解な死を遂げる。
その相談をポアロに持ちかけたアクロイド氏もその後何者かに殺されてしまう。
引退した名探偵ポアロが華麗な謎解きに乗り出す。
トリックが突拍子もなく、賛否両論と聞いていたが
私たちが普段考える純粋な「トリック」
を考えていると肩透かしを食らう。
これは設定トリックとでもいうのだろうか?
もし犯人なら「意外であろう人物」を自分なりに
探して見当をつけていたが、見事にハズれた。
「そして誰もいなくなった」「オリエント急行」
で得た驚きに比べると若干見劣りがするものの、
それでも決して読んで損はしない名作です。
