- [著]陳 桂棣
- [著]春桃
- [著]納村 公子
- [著]椙田 雅美
- カテゴリ:
- 単行本 (301頁)
- ISBN:
- 4163677208
- 発売元:
- 文藝春秋 (2005/11)
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いまは21世紀なんだけど
いったい彼らにとっての20世紀とはなんだったのだろう??? と、この類の情報に接する度に嘆息してしまう、我が日本は世紀初頭に日露戦争を戦い、続く大東亜戦争を戦いぬき、多大な惨禍も瞬く間に克服し20世紀後半からの反映に連なる現在がある、われわれ日本人と日本は大きく誇っていいのである、われわれは確かに20世紀を生きたのだと、
本書の対象となっている国などはさしずめいまだに19世紀以前で時間は止まったままだ、原因は指摘するまでもないだろう(他のレビュアの方々が詳しく語っている)、1990年前後にソビエト連邦をはじめとする共産党主導の社会主義国家郡はなだれをうつように崩壊した、冷戦構造終了からすでに15年を経過、ご近所の複数の国がかかえる諸問題はすべて同じ原因であることと彼らの胡散臭さに関しては、こころある人は事あるごとに語る必要があるとおもう、「理想」は理想を支えきる技術にこそ保証されるのだと、
中共の抱える最大の矛盾、農民の悲劇に迫るルポルタージュ
中華人民共和国(中共)では昨今、都市部と農民の地域格差が伝えられて
います。一方で国の政策に不満をもった農民たちの抗議行動がしばしば起こっ
ていることが報道されています。しかしながら、本書には想像を遥かに超えた現
実がありました。共産党本部、地方組織、警察が一体となって税金や公金を搾
取する現実。そして抗議を押さえ込むための目を覆おうような虐待の数々。元来
中間搾取の無い世界を標榜した毛沢東の共産革命は一体何だったのか。他国
のことながら、驚くと共に絶望を覚えました。
本書は、現代中共の「タブー」に踏み込んだため刊行二ヵ月で発禁処分にな
ったそうです。昨今、中国は将来の成長市場として日本の企業が相次いで進出
していますが、先のソニー製デジカメ問題など一党独裁下の国は大変危険です。
ところで、毛沢東の革命闘争を支え、表面だけのばら色の改革開放政策にエー
ルを送り続けた朝日新聞は、この現実をどう説明してくれるのでしょうか。
中国の火薬庫である農業問題
日本国内人口の7倍、中国国内人口の70%、約9億人が農業に従事しているという。
本書はその中国農民の(特に安寧省を中心とした)驚くべき実情が赤裸々に描かれている。共産党地方幹部による農民への虐待・搾取は、日本の時代劇に出てくる悪代官でさえ可愛く思えてしまう。そこには血も涙もない悪ばかりだ。
文中に下記のような文章がある
「1990年から2000年のたった10年で、わが国が農民から徴収した税金の総額は、87億9000万元から一気に5.3倍の465億3000万元に急増した。(中略)都市の住民の収入が農民の6倍という状況で、農民が納めた税額は都市の住民の4倍なのである。」
数字は、中国農民の納税実態が徴収というより搾取という表現が的確であることを雄弁に語っている。
本書には多くのページを割いて、現状の事態を打破すべく行われている農業改革の様子を記述しているが、具体的な成果はなんら上がっていない。
改革を行えば当然行政改革となり、公務員を削減すること=共産党員を削減することにつながる。都市の住民が農民の6倍の収入をもっても、共産党が人民を統治するのに都市でろうが農民であろうがそのコストは均一なのだ。その事実一つでも、中国が農業の改革に成功することは実現不可能であろう。
本書は中国の未来を占う上で、欠かすことのできない良書である。
本書を読み終え、天安門事件学生指導者の一人で今は米国に亡命中の王丹氏の言葉を思い出した。
「党の将来と国益のどちらかを選ばなくてはならないとき、共産党(中国)は常に党を選ぶ」
渾身の力作
著者夫婦が私財を投げ打って調査執筆した渾身のルポルタージュ。書かれている事柄はまるで小説のようであり、実際にこの世の中で起こっている出来事とは思えない。
この本を読むと、中国の経済発展がいかに「張り子の虎」か、農村部の貧農たちの犠牲のもとで成り立っているか、がよくわかる。日本の左派も、真に人権や平和を希求するなら、共産党政権に擦り寄るのではなく、こうした「虐げられた人々」救済のために立ち上がる、ぐらいの気概を持って欲しいものである。
ちなみに本書は、やはり中国国内で発行されたことからか、「頼みの綱」を共産党政権指導部に託しているが(それでも発禁になったわけだが)、それはどう考えても「叶わぬ望み」であることも申し添えておく。
信じられないような中国農民の悲惨な現実
本書は地方の悪徳幹部を農民が告発し
中央政府が公正に裁くという構図
中央政府を批判する内容では出版が許可されない
という現実があるのだろう
その為に本書はそういう構図をとっているのか
あるいは筆者夫妻が中央政府に幻想を抱いているのか
私には分からない
筆者夫妻が二年間安徽省で取材した迫真のルポ
本書の発行と発禁処分は現代中国の肯定面と否定面を象徴
本書が中央テレビでも採り上げられたのは
中共中枢でも後押しする勢力が存在
発禁処分は反対勢力が存在という中共中枢での内部対立
第一章:事件
・村党支部書記の不正を告発した丁作明リンチ死事件
・副村長の不正を訴えた村を襲撃、四人を殺害
・税金取り立て抵抗事件:公安、武装警察が32台の車輌
200人で村を襲い、村民52人を逮捕
第二章:何が問題なのか
年収入の5%を超えないという公式文書が守られない
国税と地方税に二分割する分税制
地方行政は農民から収奪せざるを得ない
課せられた税の種類は三百種類近く
「地方政府は地方利益により運営という構造上」の問題
「工業化国家の為の蓄積は農村と農民を犠牲
農民の余剰労働価値を都市の工業資本の原始蓄積」
第三章:改革の長い道のり
地方幹部は恣意的な税収入手段を失うので猛烈に抵抗
「先祖代々守ってきた土地が負担に変わる
耐えかねた農民は故郷を捨て
巨大な人口潮流となって各地の都市に流入
都市に流入した農民の圧倒的多数は都会の片隅に寄生
都市住民が享受している所得保障や医療保険
住宅手当といった社会福祉には入れてもらえない」
一億を越す農村部の余剰労働力は都市部へ民工潮として溢れ出し
戸籍差別により低賃金で社会保障も一切ない
中国の脅威の国際競争力の真相
農民はもはや従順に従うだけの存在ではない
農民は次々と立ち上がっている
中国古来の易姓革命が再現する実在的可能性が存する
