打ちのめされるようなすごい本

  • [著]米原 万里

カテゴリ:
単行本 (535頁)
ISBN:
416368400X
発売元:
文藝春秋 (2006/10)
価格:
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4,455 位
評価: 5.0
2008
09/02
Tue

あなたも私も打ちのめされる

100.0% (1 / 1)
[No.15] posted by ビックス

打ちのめされるようなすごい本、とは、まさに本書のことである。
ここには人間米原万里がいる。
本書に比べたら「魔女の一ダース」も「オリガ・モリソヴナ」もカスのようなものである。
恥も外聞も見栄も虚飾もかなぐり捨てた、生身の人間、裸の米原万里(誰だ、そんなもの見たくないと言ってている人は?!)が、まさしく赤裸々に自分自身をあらわにしているのだ。
正直、私は愕然とした。
米原万里のこうした一面を、それまでの書物からは読み取ることが出来なかったからだ。いや、この本からしか読み取ることが出来ないのだ。
本書で打ちのめされない人がいるとすれば、それは、タダひとり、故米原万里だけである。
ただの書評集だと思ったら大間違い。
文句なしの最高傑作だ。

2008
01/28
Mon

このほんこそ、打ちのめされるようなすごい本である。

33.3% (1 / 3)
[No.14] posted by きりぽんた

 様々な分野の著作についての書評をまとめた本であるが、著者の複眼視的柔軟な思考と幅広い興味が溢れてでている本である。この本こそ、打ちのめされるようなすごい本である。小生の2007年のベスト本。

2007
12/05
Wed

惜しい人を亡くしたと、遅ればせながら思う

80.0% (8 / 10)
[No.13] posted by モワノンプリュ

 しょせんは書評本…と甘く見たのが間違いだった。結局、読み終えるのに1週間もかかってしまった。500頁余(しかも第二部は上下2段組)の厚みも一因だろうし、並行して他の本も読んでいたが、それにしても、だ。
 言うまでもなく、本書に専心できなかったのは退屈だったからでも(なら途中で放り出している)、難しかったからでもない(と思う)。本を褒める言葉として時々、「面白いのに1度に多く読み進めない」という表現を見かけるが、正にそんな感じだった。どんどん先に進みたいのに、たちまち正体不明の満腹感に襲われて、つい休憩を入れてしまう。そんなことの繰り返しだった。
 告白すれば、米原本は今回が初体験。実は本書のタイトルが嫌いで、最初に読むなら他のものをと密かに心に決めていたのだが、ひょんなキッカケで頁を開いたら、そのまま米原ワールドに拉致されてしまった。私には馴染みのない本が主に扱われていたり、「ハリポタにはまった」(P203)などと容易には看過し難い過ちを犯していたり(…笑)、大塚ひかり『源氏の男はみんなサイテー』文庫版のための04年の解説(p485)が明らかに丸谷才一『輝く日の宮』への03年の書評(P460)の焼き直しだったりと、手放しで米原礼賛をブチ上げるのは躊躇われるが、しかしこの1週間、自分が本書を読み通すであろうことを疑ったことは一瞬としてなかった(でもタイトルはやっぱり嫌い。その含意や編集者の気持ちは分からぬでもないが、米原さんがご存命なら、こういうタイトルはお付けにならないのではないか? ビギナーのくせに僭越だが…)。
 闘病中の文章は、読んでいて辛かった。惜しい人を亡くしたものだと思う。

2007
09/05
Wed

通訳業と文筆業の真のセレブリティだった米原万里さん

88.9% (8 / 9)
[No.12] posted by 酸度のエチュード

 プロ通訳が仕事のために勉強する労力を傍目からでも見たことのない人には分からないかもしれませんが、通訳業とエッセイストの仕事(+プライベートまで)をこなしながらこれだけ読書しているとは恐ろしいくらいに感嘆し、少しは見習わなくては、と思いました。
 敗戦を終戦と呼ぶ日本人に対する批判や、外務省をアメリカの属国であることをカモフラージュするための機関(米原氏は外務省の仕事もこなしてました!)などといったさりげないトゲは本当にチャーミング。
 生前の米原氏のエッセーなどのおもしろさを期待すると裏切られと感じられる読者もいるかもしれないが、書評エッセーで米原氏が取捨選択して見せる(開示する)プライベート・ライフの切り取り方は、真似ようと思って出来るものではありません。
 この本の唯一の欠点は、目の前にメモ帳やインターネットに接続しているPCがないと、読みたい本リストを作ったりアマゾンで注文したり在庫確認ができなくて不安になることでしょうか。

2007
08/05
Sun

一気にその書評を読んで打ちのめされました

87.5% (7 / 8)
[No.11] posted by ib_pata

 日本人は読書会といいますと、同じ本を読んで感想を語り合うみたいなことをやりますが、あれって非効率的ですよね。テーマを決め、それぞれ同じジャンルで違った本を読んで、その内容を報告しあう方がよっぽどタメになります。なんか、不遜な云い方ですが、最高の読み手の方に、あまり知らないジャンルの面白本をじっくり解説してもらったようで、個人的な知識の地平が一気に広がったように感じます。ある程度、分量もあるので、読んだ気にさせてもらったというか、重要なエキスだけ教えてもらった、みたいな。

 ネルー好きの親類筋の女性が、なんかの式典に招かれたんだけど、不可触賤民をステッキをステッキで振り上げて追っ払ったネルーを見て百年の恋が冷めたみたいな話や(p.29)、バチカンがカトリックの多いスロヴェニアとクロアチアを独立させるためにユーゴ内戦を画策したというような話(p.173)、日本では病院の霊安室から火葬場へ直行する「直葬」など葬儀の簡略化傾向が顕著になりつつあるというような話(p.265)も面白かったです。

2007
05/18
Fri

いやはや毒があります

71.4% (10 / 14)
[No.10] posted by satotsuji

著者の博覧強記ぶりには驚かされます。かなり未知の分野の本が含まれていたので、参考になりました。同時に、毒気もかなりあるので、免疫の無い方、広い心で読めない方にはお勧めいたしません。毒食わば・・・の方のみ御覧ください。

2007
03/21
Wed

本好きの人はぜひご一読を

94.5% (52 / 55)
[No.9] posted by るるやま・かおる

TV「ブロードキャスター」で見て、見た目もしゃべり方も濃い人だなーと思っていたのだが、エッセイを読んで好きになった。知性も知識欲も生き方も動物の可愛がり方も濃い人で、早世されたことが本当に残念だ。会ったことのない人に対してリアルに悲しむ自分に驚いている。
とにかく圧倒的なエネルギーで本の世界を渉猟し、その感想、批評を綴った文章を集めたのが本書で、書評を読むことには、読みたい本、読むべき本を探すという楽しみがあるが、まずその点で実に優れた内容をもっている。本書を読み終えたのち、読みたい本が数十冊にもなって、楽しみな一方、どれから読むべきか悩む。
1つだけ欠点をあげると、米原さんはあまりの本好きなので、のめり込みも強く、ちょっと褒めすぎじゃないかと思えるものがある。
タイトルの「打ちのめされるようなすごい本」も1冊特定されるのだが、それは本書を手にとってからのお楽しみ。
読書日記は亡くなる直前まで書かれている。最後の本が死因となったガンの治療に関するものであることが本当につらい。うまくまとまらないけど、本好きはぜひご一読を。本全体から米原さんのパワーが溢れている。

2007
03/07
Wed

打ちのめされた本

94.3% (33 / 35)
[No.8] posted by Tochitli

昨年、私的に最もショックだったニュースの一つが米原さんの死である。米原さんは超第一級の通訳、翻訳、小説家、エッセイスト、動物愛護家、皮肉屋と卓越した才能で人生を豊かにしてくれた方である。

このニュースに「打ちのめされている」間に彼女の生前の筆が数冊出版された。
2005年の書評総括を12月25日に新聞に発表し、その5ケ月後になくなられた。
1995年から2005年にわたる米原さんの読書記。仕事でご多忙の中、一体いつこれだけの本を読み込んだ(そうお手軽には読めそうにない本ばかりである)のだろう。そして2003年にガンを告知されてから、絶望する事なく逍遥と病気と向き合ってきた彼女の静かな闘争心と、あくなき知識欲に感服する。

読書日記というのはその人を知る非常に有効な手段であり、米原さんが読んだ本を見ていると彼女が真剣に(死期を感じながら)日本を憂い、世界を憂い(政治家を名指しで非常に辛らつに批判しているが、それは決して感情論ではなく確たる信念の基づいた指摘である)、辛い闘病の中も絶望することなく未来を描いていたと考える。
そしてその反面決して人にはみせなかった「いのち」への執着―数々の医学関連の書物の批評からーも垣間見ることができる。そこで胸と目頭が熱くなった。

あとがきを米原さんの義弟である井上ひさし氏が書いている。「すぐれた書評かというものは、今まで読み進めている書物と自分の思想や知識をたえず混ぜ合わせ爆発させて、その末にこれまでになかった知恵を産み出す勤勉な創作家である」
彼女は絶えず好奇心のアンテナを張り巡らせ、その卓越した才能を持ったまま旅立った。それが惜しくて仕方ない・・・

2007
03/05
Mon

下世話なシモネタ話がもうきけないとおもうと、(T_T)

92.6% (25 / 27)
[No.7] posted by 人形美々寿

巻末のイロハ順になった書名・著者名一覧がものがたる、量質ともに「打ちのめされる」
幅と奥行きである。『ブルマーの社会史』は著者の面目躍如、こんな本があったのかと
またもや打ちのめされる。

がん治療について、数値データをもとにくいさがると、いとも簡単に"当方の治療方針に
異議を唱える方はもうこなくて結構”と治療費を返金して(?)なにもなかったことにされたというはなし、実話だと思うと、市井のイチ凡人はノコノコ病院に行かないほうがよさそうかとおもってしまう、本気で。わが身をのっとってくれ、すきなように、とすでに捨て鉢なのは同年代のせい?

書評対象は新進作家の小説あり(一例 恩田陸、姫野カオルコ)、ノンフィクション(当然ながら
ロシア関係豊富)ありで本当に多彩。子どもにも読ませたいと
思う本も紹介されている。例えば澤地久枝の『昭和史のおんな』(179頁)。なぜこの本がいいのか
という背景説明にとても説得力があり、見事。むだな修飾語や持ってまわった言い方がないぶん、
言葉でいわれた日には、たちうちできない日本男児ばかりだったのかなぁ。
なくなる前に一度浮いた話を聞きたかった。心根は本当にやさしくて、しかも超聡明。ただただ残念。

2007
02/02
Fri

米原さんの知的好奇心溢れる読書日記です。

92.9% (26 / 28)
[No.6] posted by サトマン

 昨年度惜しまれつつ若くしてお亡くなりになった 米原万里さんが、死の直前まで綴っていた 読書日記です。この読書日記は 週刊文春に およそ1月に一度掲載をされていたものをまとめた、私が10年程、欠かさずに読んでいる、楽しみのコーナーでもありました。

 この本で、改めで米原さんの読書日記を読む。非常に好奇心旺盛で、文学、ノンフィクションなど食わず嫌いなどせず、何でも読まれている。

 ただ、最後3回の読書日記は壮絶なガン日記でもある。末期ガンになり、色々なガン治療の本を読む。その中で思考したことを綴っている。とても興味深くもある。

 ご冥福をお祈りいたします。


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