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宮崎駿が描き下ろしたオールカラーの絵物語。1982年「アニメージュ」にて『風の谷のナウシカ』の連載を開始したのとほぼ同時期に描かれた作品である。水彩の淡い色をいくつも重ねて着色した絵が美しい。
作物の育たない貧しい国の王子シュナは、大地に豊饒をもたらすという「金色の種」を求め、西へと旅に出る。つらい旅の途中、人間を売り買いする町で商品として売られている姉妹と出会う。彼女らを助けた後、ひとりでたどり着いた「神人の土地」で、金色の種を見つけるが…。どんな状況にあっても、生きようとする人間のたくましさ。強い心だけが生みだすことのできる、やさしさ。そして、弱さと無力さ。宮崎は、短い物語のなかに、そんなものを、ただそのまま描き出してみせる。
世界観の作りこみとそれを表現する絵の力は圧巻。特に「神人の土地」にあふれる虫、植物、巨人、月の造形には、一切の迷いが見らない。彼の頭のなかに広がる原風景を見せられているようで、生々しいほどの迫力に満ちている。死と生、喜びと恐怖の一体となったこの世界観は、以降の宮崎作品にも幾度となく登場する。
チベットの民話に感銘を受けた宮崎が「地味な企画」ということでアニメ化を断念し「自分なりの映像化」を行ったものが、本作である。だがアニメという万人に向けた形をとっていれば、また違うものになっていたはずだ。淡々と、厳かに物語が進行する本書の独特の雰囲気は、絵物語という形態であればこその魅力といえるだろう。(門倉紫麻)
極上の絵本のような
100.0% (2 / 2)
[No.48] posted by 樽井
絵本というか、漫画というか。
一応ジャンル的には漫画なんですが、普通のジャンプとかサンデーのような漫画的なお約束やコマ割ではないから、漫画とストレートにいうとちょっとイメージが違うかも知れません。「風の谷のナウシカ」とかの漫画版を知っておられたら、あんな感じです。イメージでいうと、アニメ文庫とかが一番近いのかな。
さて。御本人さんがあとがきで書かれているように、この「シュナの旅」は民話を下敷きにして描いているんですが、、、どこをどうとっても宮崎テイスト。小さな痩せた土地の王子が、他の国からやってきた旅人の言葉に希望を抱き、村を豊かにする黄金の穀物の種を求めて旅に出、少女を助け、助けられ、、、という話で、そのままアニメ映画化してもなんの問題もないようなお話です。才能というか、強い個性のある芸術家というのは何を題材にどうやってみても、結局はその人のテイストというか印がその作品には強く押されるのですねぇと改めて思った作品でした。他のレビューであがっているように内容は文句なしです。
「崖の上のポニョ」効果か増版がかかっていくつかの本屋さんでは平積みでした。
人は自分のためだけに生きるのではなく、自分以外の何かのために命を燃やさなければならないと気付かせてくれる本
100.0% (2 / 2)
[No.47] posted by シュー
宮崎作品のさまざまな要素を含み水彩で描かれたオールカラーの物語であって、これが文庫サイズとは言えど470円で買えるのは超お買い得にして、ファンにとっては家宝となる。レビューの多さにつられて購入しましたが、やはり感動しました。家族みんなで読みました。
自国民のためにに旅立つこと、テアと妹を救出開放すること等、シュナが自己犠牲を払いながら旅を続けていきますが、こうした自己の利益を追求しない無私の主人公を読者は、何とか目的が達成するようにと、応援せざるを得ません。また、シュナが助けを必要としている時は、今度はテアが命を削ってシュナを守ります。シュナが自分の国に帰ろうとするときも村人もシュナとの別れを惜しみます。つまり、他者の幸福を求めようとするシュナには、皆がその行いを応援し、自然にシュナの幸福と成功を期待するのだなと気付かされました。人は一人では生きられないよ、人はなぜ、何のためにいきるのか、それは誰かの役に立つために生きているんだよ、それが人の世だよ、といつも自分の子どもには言い聞かせているのですが、大人の私にはこうした物語がそれを再確認させてくれます。子どもにも、大人にも、万人に心からお薦めします。
とにかく良かった
50.0% (1 / 2)
[No.46] posted by はちみつ7
けっして難しいことではないんです。まっすぐなんです。
私のたからものです。皆に読んでもらいたいです。
宮崎駿作品の原点。初期作品の世界観が凝縮された名作。
100.0% (1 / 1)
[No.45] posted by kirin70
たまたま書店にあった本書を手に取ってからウン十年、ずうっとお気に入りの本です。コミックというより、絵本に近いのかもしれません。「ゲド戦記」で使われたのは、キャラクターでお話はコミック版ナウシカに近いと思います。初期の宮崎作品にある冒険と優しさにあふれています。「もののけ姫」以降の作品は商業主義に走りすぎていて、今ひとつ好きになれませんが、この本はずっと宝物のように、ときどき開いては読み返したい傑作です。
漫画?絵本?
40.0% (2 / 5)
[No.44] posted by おちゃ
コレは漫画ってよりも絵本って言ったほうが正しいのかもしれません。
この本からナウシカが生まれたのでは無いであろうかと思うほど似てる部分があります。
今となっては映像化されないのでしょうが、この頃の作品はとても良かった。
宮崎駿映画は出せば出すほど衰えていくような気がします。
私の中では、風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタがすべてでありそれを超えるものは、宮崎アニメからは存在、出現しないという事を感じています。
ただ、原点の一つではないかと思うこの作品や、ルパン三世カリオストロの城、未来少年コナンは何回見ても楽しいものです。
さわやかに感動できる名作
100.0% (3 / 3)
[No.43] posted by はままっこ
世界観はナウシカとかなり似ていますが、ナウシカは壮大なテーマをじっくり語った分、
政治的哲学的な要素が難解であったり、モノクロの細かい絵柄が読み辛い印象がありました。
一方シュナの旅は、難しい要素をとことんそぎ落として、宮崎アニメのエッセンスを凝縮したような作品です。
オールカラーで水彩画の優しいタッチが映像的で美しく、子供にもオススメできます。
随所で後のジブリ作品をいろいろ連想できるのも楽しいです。
主人公とヒロインはナウシカ、アシタカの雰囲気を持っているし、他はヤックル、ジゴ坊、サツキとメイなどなど。
短いですが、さわやかに感動できる素晴らしい作品です。
ジブリ映画 『ゲド戦記』 の原案
91.7% (11 / 12)
[No.42] posted by あやたすく
ジブリ映画『ゲド戦記』のストーリー原案として、再び注目された佳作。
共通するストーリー。
最初、娘は少年に助けられた。
やがて少年は心が闇に支配されるが、
逆に少女が少年の「心の光」を取り戻す。
映画の舞台設定は小説「ゲド戦記」(グウィン作)からとられているが、大筋は、この絵物語「シュナの旅」の影響の方が強い。
ストーリーだけでなく、砂漠に打ち捨てられた船のシーンや、
廃屋を覗き込むシーンのカットはなどは同一だったりして、
映画『ゲド戦記』との類似点を探すのも楽しい。
また、ヒロインの描写は、のちのナウシカを想起させる。
ジブリアニメが好きな方は、是非とも手元に置いておきたい一冊です。
宮崎の隠れた名作
57.1% (4 / 7)
[No.41] posted by ハニーペイスト
宮崎の作品にはいずれも聖なる地、ファンタジアが登場するものが多いように思う。
ナウシカ(漫画版)、千と千尋、トトロ、ハウル城、猫の恩返し、ラピュタ、もののけなど。今作品はチベットの民話をモチーフにされているが、今作品の聖地も自然をテーマとしたものである。
毎年くり返しくり返し読める1冊
92.3% (12 / 13)
[No.40] posted by 五十展伝
18才の時に出会い、43才になった今も、本棚の目にとまった時や、宮崎駿監督の映画の話題を見聞きした時に、くり返しくり返し読んでいます。
映画化されない(私はゲド戦記にインスピレーション与えているとしてもゲド戦記とは全くの別物だと思っていますのでゲド戦記も観ていない)のが不思議ですが、それもまた良いのかなと最近思っています。
この本が氣になっている人は、まずユーズド(中古本)で良いからゲットして読んでみてください。氣にいらなかったら下取りします!?
累計で5冊ぐらい買って人に貸したりあげたりしているうちに、初版本が手許になくなったのだけが心残りです。
宮崎駿の満点作品
100.0% (7 / 7)
[No.39] posted by オリゴ糖
宮崎監督が大事に温めた最高のネタだと思う。最近はゲド戦記の見本としても話題だけど、至る所に宮崎さんの世界があるのでこれは独立した映画のよう。
さらに嬉しいのは全ページ宮崎さん直筆の絵がカラーになっていること!漫画とアニメのいいとこ取り笑
ジブリファンでない方にも本当にお勧めの作品。