- [著]斎藤 純
- カテゴリ:
- 文庫 (268頁)
- ISBN:
- 4331606856
- 発売元:
- 廣済堂出版 (1998/08)
- 価格:
- ¥ 570 (税込)
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ユーズド商品:¥ 443 より
バイク乗りの意識の浮遊を描き切った、隠れた名作
オートバイというのは不思議な乗り物である。
いわゆる「風を切って」走る爽快感、これは乗ってない人でもわかる。
しかし、意識がどこかへ飛んでいくようなエクスタシーは
乗ってない人にはわからないだろう。
この実験的小説は、オートバイ乗りのそういう意識の浮遊感を
見事にあらわしきっている。
エッセイとミステリーとノンフィクションの融合……とでも言おうか。
だがそういうジャンル分けは意味を持たない。
何かを感じさせる本である。
何といっても、文章がうまい。
テンポよく読まされているうちに、まるでオートバイに乗っているような気持ちになる。
それにしても……「暁のキックスタート」。タイトルがいいではないか。
フィクションとノンフィクションの融合
『暁のキックスタート』、いいタイトルだ。片岡義男のバイク小説を思い起こし、懐かしさから購入した。
淀みなく流れるきれいな文章に引き込まれて読み進めていくうちに、{この本、どこかで読んだような気が・・・・・}といった、いわばデジャビュ的感覚に囚われ始めた。登場人物も語られる事柄もまったく違うのだが、風景描写や内面描写がそう感じさせたのかも知れない。それに私もオートバイ乗り(30年)だから、似通った感覚を持っていても不思議ではないだろうと思いつつ読み続けた。
しかしその感覚は小説の半ばを過ぎて明らかになった。『禅とオートバイ修理技術』が引用されているではないか!デジャビュではなかった。最初に語られる「深い穴ポコ」は、「奪われた記憶」に似ている。穴ポコを埋めるために、オートバイでひたすら走り続ける「ぼく」の心の奥底には絶えず「パイドロス」が潜んでいるような気がした。しかし、ユーモアがあっても悲劇的ではないので安心して読んでほしい。
解説に、「フィクションとノンフィクションの境界線を自由に跨いで行ったり来たりする実験的小説」とあるが、素晴らしい試みだと思う。遅れてきたオートバイ乗りにしては知識が豊富だし、ところどころに的確な引用(フィクションとノンフィクション)が挿入されていて、これが実に効果的だ。こうした小説をもっと読みたいものだ。明日から二連休、私も「穴ポコ埋め」のツーリングに出かけよう。
雑誌の制約からか ちょっとお上品
平成8年に唯一のツーリング専門誌「アウトライダー」に連載されたバイク旅行に関する短編集なのだが、雑誌の性格上なのか、私にはちょっと上品かなあ。
オートバイ小説がいくつか紹介されているがこの本の基調は、丸山健二や浮谷東次郎の叩き付けるような激しい情熱でもなく、ロバートパーシングの「禅とオートバイ修理技術」(これは名作!)の神経をすり減らすような緊張でもなく、片岡義男のお洒落なナルかかった、オートバイ旅行のように感じてしまう。
とはいえ、この本を読んで冬の寒い日にもかかわらずツーリングに出かけてしまいました。好きなんだけど、人に向かってスキとはちょっと恥ずかしくて言いにくい、オートバイ乗りのハーレクインロマンスと言ったら怒られるかなぁ?
読み終えた後にはオートバイに乗ってしまっています
「読み終えた後には、思わずオートバイに乗ってしまう」そんな本です。オートバイ乗りでなければわからないオートバイに乗っているときの躍動感、操る楽しみ、オートバイギアへのこだわり等が伝わってきます。それとこの本はオートバイだけでなく、絵画、旅、自由、青春など色々なテーマについて氏の考えが書かれており、人生本としても十分楽しめます。お勧めの一冊です。
人気のいないキャンプ場
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オートバイ小説の傑作
オートバイに対する熱い思い入れを書き続けている斎藤氏のこれが、(オートバイ関連の作品としては)一番面白い本かもしれない。物語とエッセイがちりばめられた傑作。多分ご自身の経験から来るであろうウンチクは読んでいて私自身旅の参考になった。また斎藤氏のオートバイに対する思い入れは読んでいて納得させられる所が多かった。この後発表させた'オートバイ・ライフ'の影になってしまっているのか、あまり話題になってないがかなり楽しめる作品です。私は読みやすい、この作品の方が気に入っている。ただ、ツーリング先で女の人と待ち合わせてるってのはなんか、某煙草のCMみたいでしたが...。
