- [著]齋藤孝
- カテゴリ:
- 新書 (224頁)
- ISBN:
- 433403456X
- 発売元:
- 光文社 (2008/06/17)
- 価格:
- ¥ 777 (税込)
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誤読される権利
「取り合えず 読んでみた」というのが 実感である。
ニーチェの本は読んだことがないので 本書で斎藤が引用している各種の言葉が どれほどニーチェの望んだ方向で 紹介されているのかどうかが分からない事が 僕にとっての本書の難しさである。
斎藤は 巧みにも「ニーチェを知りたいと思ったとき 理論を完璧に理解しなくていい。全体像がつかめなくても構わない。むしろ 一つのアフォリズムを座右の銘にし 大事にしていくことだ」と本書の冒頭で述べている。この宣言によって 斎藤は ニーチェの言葉を自由に使う権利を得た。そうして その「使い方」は ニーチェの趣旨に則っていなくてもよいことになったわけだ。
「誤読」という言葉がある。本書は斎藤によって 自由に 若しくは 確信犯的に「誤読」されている可能性を常に感じた。
但し 本は 発刊された瞬間に 著者の手を離れるものであるし 「誤読される権利」だってあると考えてもよいのだと思う。何より 読まれることが その本にとっては一番大事なのに違いない。
そう考えると 本書経由でニーチェの著作を読む人がいるとしたら それは斎藤のお蔭であり ニーチェも そんな斎藤に感謝するのではないかと思う。
いまだにニーチェを読んでいない僕が 本書に感想を言うとしたら 現段階では まだこの程度である。
雑草
高校生のとき「ツァラトストラ」を読破し、全集からドイツ語の原書まで読んでニーチェの影響悪影響を嫌というほど受けた私にとってニーチェは心の師であり、カントのような息の詰まる理路整然とした生き方や、ショーペンハウエルのような言動不一致な生き方より、その破天荒な生き方こそ人間的魅力に満ちた生き方に魅かれるのである。著者もそのように感銘した人物、なら同胞として歓迎したいところであるが、残念ながらニーチェについて全くと言っていいほど理解ができていない情けない文章の羅列であり、「彼岸の」ニーチェもこれでは浮かばれまい。むしろニーチェをダシにして自説を展開せんがための勝手な解釈が目立って、真のニーチェ支持者からは反発を買うだけだろう。ルサンチマンを嫉妬と同一に解釈したり(「キリスト教徒には奴隷根性のルサンチマンがある」というのは主人に対する嫉妬心を表した言葉ではないよ)、哲学に対する基礎知識が欠如している人間が、ニーチェのアフォリズムを自分勝手に解釈すること、これこそニーチェが最も忌み嫌ったことである。このような書物のためニーチェが記した言葉を、著者が熟読した、かどうかわからぬツァラトストラの中から引用してみよう:
「今や雑草は麦と呼ばれんとしている!」
今を力強く生きるための本
私はニーチェが好きです。
大学時代に少しかじった程度ですが、今もニーチェの言葉は励みになっています。
社会人になって11年目。仕事のプレッシャーに負けそうなときもありましたが、
逃げずにやってこれたのは自分の根底にニーチェ的な強さがあったからだと思います。
ニーチェが好きな理由は、人間の「生」を全面的に肯定する思想だからです。
いろんな哲学者がいますが、自分の行動を変え、よりよく生きるためにニーチェほど
大きな影響を与えてくれる人は居ません。
ニーチェの思想を厳密に理解しようとすれば、それなりの読み込みが必要であり、
この本は著者独自の解釈が入っている部分もあるかも知れません。
しかし、厳密に理解すること自体はさして重要ではなく、その思想をよりよく生きる
ためにどのように活用するかが最も重要です。
本書は哲学には縁のない人がニーチェの思想の一端を知り、よりよく生きるための
ヒントを得られるという意味で良書だと思います。何度も読み返したい本です。
情熱的に生きろ!とニーチェは言う。
人生について考察している本である。
ニーチェが好きなようで、
ニーチェのよくわからない
文章を著者が読み解いて、
自分の経験談を
メインに述べる感じで、
ニーチェの事がわかるというわけではない。
ニーチェの事を詳しく知りたいと言う人には
向かないが、齋藤孝さんのファンとか、
文章が好きなら、読んでもいいと思う。
この著者は多くの本を書いていて、
同じ事を書いていると言っているレビューの方も
いるが、俺はその正反対で、
いろんな事を言っていて
面白い方だと思うけどな〜。
だってさ、教育や読書、社会情勢に人生論、
それに喫茶店で2時間もたない男とは
付き合うな!でしょ(笑)
絶対同じこと言ってないよ〜
と俺は思うのだが。
役に立つニ−チェ(?)
自己啓発書としてはそれなりに読む価値があると思います。
しかしニ−チェがホントにそんなことを言ってるかどうかは疑問。
勘違いでも誤読でも、使えるのならそれでいいんだけれど。
この人の本は色々ネタにしながら、結局いつも同じことしか言ってないので2,3冊読めば、次から次へと出る本を追わなくていいのではないかと思います。
ニーチェを読まねばならない理由がわかった
ニーチェとは、このように読むとよい、と著者は言っています。
「ニーチェを知りたいと思ったとき、理論を完璧に理解しなくてもいい」
「むしろ、一つのアフォリズムを座右の銘にし、大事にしていくことだ」
本書を読めば、ニーチェを「読まなければならない」訳が、感動と共に腑に落ちます。
難解どころか、むしろすごく分かりやすくニーチェの名言が解説されていて、自身の座右の銘にしないではいられなくなります。
また、最近の齋藤氏の著作からは、著者の強い気持ち・意志・感情が伝わってきます。
からだの隅々までしみわたる!
「声に出して読みたい日本語」でおなじみの著者が、
憧れの矢になれ!
この瞬間を見よ!
など、ニーチェの代表作「ツァラトゥストラ」から、
心に残る名言を、いろいろな逸話を交えて紹介してくれる。
「座右」とあるように、本書はあくまでニーチェの言葉を体の血肉とすることを望んでいる。
心打たれた言葉を何度も何度も復唱し、暗唱できるようになるまで読み込み、
体の隅々までニーチェの言葉をしみわたらせよ!と。
したがって本書は決してニーチェを「研究」したものではない。
「ニーチェの思想を愛さず、要約するような人間にニーチェは失望する」からだ。
読みやすくて面白い
さすが齋藤孝氏だけあって、読みやすくて面白いです。著者の該博な知識とニーチェへの心酔に裏打ちされた、説得力のある内容となっています。
いわゆる「哲学」のイメージから想像される難しさは一切ありません。強いて言えば「自己啓発書」と「大衆批判書」・「警世書」のミックスみたいな感じです。その手の本が好きな人にはオススメです。
ところで個人的には著者の意見(≒ニーチェの意見)にいちいち頷くことが多いのですが、一点だけ、青色発光ダイオード開発者の一人である中村修二氏に関する意見だけは私は賛同しかねます。著者は中村氏を指して「十分なリスクを背負ったクリエイターであり、もっと(正当に)評価されるべきだ」という旨の主張をしています。これはいかにも高学歴者らしい、あるいは学者らしい意見だなぁと思いました(著者は東大大学院を経て明治大学教授)。しかし、研究資金を投資した側のリスクなどをあまり考慮していない点など、ちょっと考えが浅薄であると私は思います。
ニーチェの入門書として
人気のの著者による、「ツァラトゥストラ」を中心としたニーチェの解説書または入門書として好適の一冊かと思います。4色ボールペンで著者独自の解釈には緑色の線を引いて読み分けるとおもしろいと思います。
高校生で十分読みきれるし、いきなりニーチェの著作読むより、入口としてここから入ったほうがわかりやすいでしょう。
