- [著]東野 圭吾
- カテゴリ:
- 文庫 (353頁)
- ISBN:
- 4334723683
- 発売元:
- 光文社 (1997/03)
- 価格:
- ¥ 600 (税込)
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ページをめくる手が止まりません!
本作は、「恩人」の殺人現場を目撃した「美しき凶器」による壮絶な復讐譚です。
感情の動きもなく、動機も定かでないまま、
4人のターゲットを追い詰めていく描写は読み応えがあります。
暴走族を始めとする無気力・無軌道な若者のたむろする様子と、
「女ターミネーター」の問答無用な殺戮ぶりが、
倫理的にどうなの?という点を除けば、実にマッチしています。
また、そんな特異な風貌の「美しき凶器」をなかなか逮捕させてくれない、
東京という大都市の無機質ぶりもよく表われていると思います。
ん〜なんだか虚しい・・・
読んだあとの感想は,どの人も浮かばれないな…でした。
過去にドーピングを行った4人のスポーツ選手は,道を間違えたなと思いました。1度は道を間違えてしまっても,2度はやっぱりだめだと思います。佐倉翔子はとんでもない女だと思いましたが,人間の弱くて汚いところが,彼女によって表現されている気がしました。でも,何で彼女だけ助かるの!?とか思ってしまいましたよ。
タランチュラは最初はただただ怖いだけでしたが,最後の一言で,感情を持った女性なんだと感じました。こんな人生を生きたタランチュラは,とても可哀想です。
有介の妻の小夜子は,どこにでもいる普通の女性でしたが,最後に勇気をもって佐倉翔子と戦うところは,健気で強くて美しかったです。妊娠中だったので,やっぱりドーピング効果もあったってことなのかな…
でもやっぱり最後誰も幸せになれないのがとても辛かったです。
怖かった!
小説の活字だけでここまで恐怖が伝わってくるとは思いませんでした。まるで情景が浮かんでくるようでした。でもただ怖いだけでなく、最後は泣いてしまいました。子供が欲しかったんだなって…。
頂点を目指すアスリートが陥った罠―美しき凶器はまさに狂気である!
単行本で刊行されたのが1992年で、文庫版の初版は1997年。その文庫版には、若い日の東野圭吾の爽やかな素顔が載せられている。本書『美しき凶器』は現在も28刷まで版を重ねている。「爽やかさ」から男性としての「渋さ」を醸し出した彼の写真もまた読者の注意を惹くことであろう。但し、内容は爽やかさとはきわめて対極にある。一貫してぞくぞくとした恐怖心を植え付けてくれる。登場人物の一人における心の闇を描いた箇所が端的に示しているように、「恐怖と快楽とは紙一重」なのだ。
読み進めれば直ちに分かるように、表題『美しき凶器』とは、ある外国人女性のことを指している。むろんただの女性でない。肉体的に洗練化されたサイボーグと称してよい(映画『ターミネーター3』に登場した女性を思わず想起したが、その女性のきちんとしたモチーフは存在するらしい)。「主人」を殺害された復讐を果たすべく、全く手段を選ばない彼女の言動はたしかに常軌を逸している。じわりじわりと追い詰められてゆく男女併せて4人の心境を察すると、生きた心地がしなかったであろう(一人だけそうでない人間がいた。その人物の密かな計画も見物だった)。
彼らは元トップアスリートであるが、選手としての追い詰められた状況から禁断の○○に手を染め、それは結果的にその後の人生の歯車を確実に狂わせてゆく。かつての栄光は実は「虚構」に過ぎず、それを真に悟ったときには自らの「死」を代償とせねばならないというわけだ。本書の背景にあるのは、そんな儚く悲しい人生模様の赤裸々な活写ではないのか。とはいえ、そのサイボーグと称された女性が最後の最後で発したセリフは実に人間的であった。東野作品は全体としての読み応えとともに、情緒的なエンディングを多用する印象が私にはある。だから彼の作品は途中で頓挫してはいけないのだ。「時代性」を反映した作品であることも見過ごしてはならないだろう。
映像でも見たい作品
築き上げた地位と名声の為に忌まわしい過去を葬り去ろうする四人の元スポーツ選手が逆に返り討ちに会うとある意味陳腐なストーリー。ただ、驚異的な肉体能力を持ちその四人を狙う娘の登場によって、ミステリーというよりはスリラー小説となった感じがする。実際によく話題になるドーピングも肉体はもちろん精神的な改造も可能するものかとその可能性を感じずにはいられなかった。
物語には最後に一ひねりも二ひねりもあり、盛り上がって結末を迎えるが、娘(タランチュラ)の最後の一言はそれまでなんの感情も表に出さなかったロボットの様な人間の唯一の感情表現であり、娘の悲しい過去を垣間見せられた感じだった。
怖いがおもしろい
東野さんの本でまだ読んでない本があったので読みました。
この本も、やっぱり先が気になり、続きが読みたくて読みたくて仕方ない感じです。
やっぱり東野さんの本はおもしろい。
おすすめです!
スリリング
東野作品は色々と読ませておりますがこの作品も面白かったというか、皆さんがおっしゃるとおり怖かったです。。途中ターミネーターのようで少々緩みましたが、どんどん恐怖に引き込まれた感じでした。。妊婦さんが、、という箇所があったのでまさかまさか最後は、、利用される??なんて思いましたが、結末は胸がじんとなり、涙ぐみました。
結末はあの一言で、やられた。。と思いました。。最後のページを何度か読み返し、今まで酷いと思っていたことが一瞬で消え去りました。
秀作だと思います。。
美しき凶器
この作品の主人公はいったい誰かというと、やはりタランチュラだと思う。最初は4人が主人公と思っていたが、読んでいくにつれ、彼女があわれになった。名前や年齢も明らかにされておらず、おそらく普通の教育は受けてないと考えられるが、頭のいい人である。それだけに仙堂に洗脳されてしまった彼女が悲しい。最後に「美しき凶器」の本当の意味がわかった。彼女に対する凶器となったものは、銃でもなく刑事でもなく彼女が本当に欲しかったものだから。
この作者の小説のいいところは、現実にありえないがその気になれば本当にありそう、と思わせるところである。「変身」「分身」など、本当にあったらすごいが怖いと思う。ただ、「幻夜」「白夜行」とか読んでると、東野さんってひょっとして女性恐怖症?なんて思ってしまう。
誰がハッピーになれるだろうか
安生拓馬・丹羽潤也・日浦有介・佐倉翔子の4人は、自分たちの悪しき過去(ドーピング)を隠蔽するために、仙道之則宅に放火殺人という大罪を犯してしまう。しかし、4人の背後に仙道之則の弟子であるタランチュラが襲い掛かってくる。警察に助けを求めることは出来ないから、最後まで逃げ回るかタランチュラを殺すしかない。
最後までよんでみるとは、4人にとっても、タランチュラにとっても決してHappyで終わることはないなあ。むしろ、かわいそうだなと思いました。彼らはドーピングによって、一時期の栄光を味わうことは出来たのだろうが、ずっと心の中にもやもやとしてものを抱えなければいけないという面では、つらいだろう。ずっと、負の十字架を背負っていかねばならないわけですから。タランチュラは、クライマックスが悲惨でかわいそうだなという感じがする。なんか、純粋すぎるがゆえに一番の被害者という感じがしてならない。
ドーピングを行うということは、自分の力でなく、薬の力で勝とうとしていたわけだ。それは、スポーツマンシップに反すると思える。卑怯な自分の姿を皆に見られたくないために、結局殺人を犯してしまう。自分の心ももっと磨いてほしいものだ。
めちゃめちゃ怖かったです
4人のスポーツ選手が過去に犯した過ち(ドーピング)の証拠隠滅をしようとしてかつてドーピングの手ほどきを受けた仙堂の別荘に忍び込み、データを盗もうとしますが手違いで仙堂を殺害してしまいます。その模様の一部始終を監視カメラの映像で見ていた仙堂の教え子の娘に見られていたため、4人はこの娘に命を狙わてしまいます・・・。
簡単に言えばこんなストーリーなんですが、この娘がただものじゃありません。
仙道に秘密の地下室で鍛えられたせいで超人的な肉体の持ち主です。 身長190センチ、筋骨隆々、山梨から東京まで自転車で移動してしまうというツワモノです。 この娘に命を狙われたら、生きた心地はしないでしょう。 ハラハラドキドキしながらページを捲りました。
最後に娘の女性らしい一面がうかがえる文面があります。 娘が子供を身ごもっては、流産してしまっていたことを思うと、普通に生活をしたいという願望があったのかと思います。
少し古い作品ですが、とても面白いです。みなさんもぜひご一読を!
