黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)

  • [著]ポー
  • [翻訳]小川 高義

カテゴリ:
文庫 (219頁)
ISBN:
4334751105
発売元:
光文社 (2006/10/12)
価格:
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98,080 位
評価: 5.0
2008
11/05
Wed

「生き埋め」というオブセッション

[No.4] posted by カナン

◆「アモンティラードの樽」

  屈辱を受けた男が、相手を地下墓地に誘い込み、生き埋めにする話。


  たしかに、憎い相手に対する復讐としては、これに勝るものはないでしょうね。

  自分の手は汚さず、誰にも気づかれず、何より相手に
  長時間恐怖を与えつつ、なぶり殺しにする――。

  いやあ、考えただけで恐ろしい。


  ポーには本作以外にも「早すぎた埋葬」という、そのものズバリの作品もあり、
  なにか生き埋めという行為に対し、強烈なオブセッションを感じさせます。



 ▽付記

   「アモンティラード」とはスペイン産のシェリー酒のタイプのひとつ。

   樽の中に四分の三ほどワインを入れ、約半年間放置するとワインの表面に
   白い膜が張り、フロール香という独特の芳香がして、淡黄色になります。

   「アモンティラード」はそこからさらに熟成させることによってつくられ、
   こはく色になり、口あたりが格段に増します。

2007
11/04
Sun

古臭いが面白い

20.0% (2 / 10)
[No.3] posted by ヒデボン

 古臭いが面白く読めたのは、「古典新訳」シリーズで、翻訳者の皆さん、頑張っているからだ。21世紀の今、ポーの小説を真面目に読んでいるのは、英文科の暇な学生くらいだろう。この文庫のなかでも、「黒猫」は久しぶりに読んでみて、プロットを思い出して、ゾッとしたりして、結構面白かった。「早すぎた埋葬」は、日本のスリラー等でよく聴く話で、地方の小都市では今でも・・・なので、少々気にはなる。つまるところ、江戸川乱歩のほうが、私には面白い。

2007
05/11
Fri

優れた訳

75.0% (9 / 12)
[No.2] posted by アマゾン太郎

 『さゆり』『停電の夜』などで名高い、小川高義氏による訳文がとてもいきいきとして読みやすい。
 「アモンティリャードの樽」には訳者の創意が加えられており、それでいて原著を損なっていないことに驚かされる。
 岩波文庫の八木敏雄氏の訳(これも優れたもの)と読み比べてみることをお勧めしたい。
 残念なのは、ボリュームが少ないわりに、同じ傾向の作品(自己破壊衝動もの)が並ぶこと。
 「アッシャー家の崩壊」や「盗まれた手紙」「赤き死の仮面」「リジーア」など、小川氏ならどのように訳すのか、ぜひ続刊を期待したい。

2007
05/01
Tue

無駄のない文体

80.0% (4 / 5)
[No.1] posted by カナブンとスズメ

黒猫、老人の眼、自身の分身など
――「彼」にとって消したい存在、否定したい存在。
けれどもその否定したい存在こそが
「彼」にとってあるべき姿へと誘う存在。
躍動する否定者・物。
それを押さえ込もうとする「彼」。
「彼」のあるべき存在をめぐって
「彼」と否定者・物が繰り広げる奇怪な
物語が収録されています。

『モルグ街の殺人』などを読んでいて、
ポーの文には無駄なところはなく、
明晰な文体になっていることに
改めて感嘆しました。


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