- [著]黄 文雄
- カテゴリ:
- 単行本 (358頁)
- ISBN:
- 4334973256
- 発売元:
- 光文社 (2002/01)
- 定価:
¥ 1,365 (税込)- 在庫状況:
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「知られざる真実」
黄文雄氏の全体の著作のスタンスは「日本の弁明」であろう。はっきり言って中立ではない。
この本も「日本の良い所」と「中国の悪い所」しか書かれてない。
しかし、この本に書かれている内容の大半は資料を常識的かつ厳密に判断した事実に限りなく近いと言える内容なのであり、
この本に「日本の悪い所が書かれていないじゃないか!」という批判は有効であっても、
「この本に書かれていることはデタラメだ!」など罵倒するのは愚昧である。
黄文雄氏の著作が賞賛か完全無視という極端に党派的な読み方をされているのではないかと心配である。
臼井勝美著「日中戦争」と併読すると良いのではないだろうか。
(私には不満の多い著作ではあるが、中間的な良い入門書だと思う。)
また当時のコミンテルン、中国共産党の暗躍を詳しく知りたい人にはこちらを。
K.カール カワカミ「シナ大陸の真相―1931‐1938」
毛沢東語録
曰く「日本は謝罪する必要は無い。日本は国民党と戦って中国人民と共産党を助けてくれたからだ。」
絶対,とんでも本ではない。
「自虐」というけど、健康的な「反抗」と思いつめた「自虐」の区別は難しいです。だからこそ、台湾の黄文雄さん、韓国の呉善花さん、の意見は貴重です。実はこの2人は、逆に各々の母国、文化に反抗し、やや自虐に傾きかけています。しかし、大切なのは2人共戦争という異常な状態だけに目を奪われているのではなく、各々の国の日常をイメージ出来ている、ということです。また、自然環境や文化的背景を、押さえている。どの文化にも矛盾や苦悩と向き合う人間のドラマがあるのです。
日本人はもっと李朝や清朝のことに、ついて知るべきです。その時、各々の国での美しい文化と、それと一緒に清朝の兵や李朝の両班達の見せる残虐さも受け入れるべきです。新撰組という、内部粛正をくり返した集団を愛せるなら、これらの事実も冷静に受け止められる筈です。中国人の食人の文化ぐらいで驚いて「こんなことを言う奴は、とんでもない嘘つきだ」などと騒ぐのは、みっともない。事実だから、しようがない、のです。「残虐な民族」なんて存在しない、これが一番大事です。
大陸も半島も「一旦、口を開いたら、大袈裟なことを大声で言い立てて、世論を作り出さないと、自分達一族ぐるみ悲惨な最期が待ってる」というのが、文化的背景です。別にショッキングな内容ではありません
日中戦争史論の決定版
中国の農村では、腐敗官警による農民の搾取・虐待死が後を絶たず、また開発ラッシュで当局に耕地を奪われる『失地農民』も4千万人以上、毎年約2百万人増加しているという。その実態のルポ「中国農民調査」は共産党政府により発禁処分を受けた。(読売新聞国際版04年10月4日)
近代以前より中国の農民を苦しめた『兵匪』は、現代では『官匪・警匪』となって跳梁している。
黄氏が本書で指摘するような『良民は兵にならず』という中国の国柄や、また、日中戦争直前には絶滅寸前だった中国共産党と満州国境侵犯を狙うソ連の「日本と国民党を戦わせて漁夫の利を得る」という策謀については、多くの外国人研究者も指摘するところであるし、盧溝橋事件についても、少なくとも日本側が故意に起こした事件でないことは今や世界の常識である。第一、北京近辺の第29軍だけで70万と言う中国側の大軍に対し日本軍駐屯兵はわずか5千に過ぎず、全面戦争を仕掛けるにはあまりにも手薄すぎた。にもかかわらず、著名な中国研究者をして「日本がいいタイミングで侵略してきたのは中国共産党にとって大ラッキーだった」などとずれたことを言わせてしまう東京裁判史観とは本当に恐ろしいものである。本書を英訳して全世界の東アジア史研究者に読んでもらう必要があると思う。
それにしても、黄氏の著作にはいつも目から鱗を剥がして貰っているが、なかでも本書は「まだこんなに知らないことがあったか」という驚愕の事実の宝庫である。何より、一次資料と中国人著作・論文を含めた豊富な資料を駆使しての氏の中国史論は、そこらの研究書数冊分にも勝る情報量でしかも歴史の『流れ』を理解でき、大変勉強になる。赤線を引き、付箋をしながら時間をかけてじっくりと読み終えた後には爽快な充実感が残った。本書こそ日中戦争史論の決定版、といって差し支えないと思う。
中国とは如何なる国であるか
労作です。日中間、戦前戦時中と現在において基礎概念が違っていることを平易に表現し、具体例を並べながら、根本的なことを悟らせる。なかなかできることではありません。
私はパールバックの大地を読んでいましたから、軍閥割拠の状況について、少し知ってはいましたが
19世紀~20世紀の中国の状況がここまでひどいとは思いませんでした
日中戦争について書かれた本は往々にして、当時の大陸の状況について書かずに、いきなり日本軍の暴行の例を挙げますが、書いた人が戦中派で当時の状況など常識と感じたか、著作意図を鮮明にするために意図的に省いたか、どちらにしろ現在の若者に読ませるものではない
この本は半ば近くなって日中戦争に入る。実に親切です。
中国国民党軍は、徴兵・訓練された近代国軍ではなく、軍閥の私兵や拉夫(現地徴用)であること
この点について、前置きしない本は読む価値を認められないくらい大きな基本事項なのですが、黄文雄氏は、この本では読者に混乱を与えぬようにゆっくりと解き明かしています。
