- [著]細川 貂々
- カテゴリ:
- 単行本 (205頁)
- ISBN:
- 4344012682
- 発売元:
- 幻冬舎 (2006/12)
- 価格:
- ¥ 1,260 (税込)
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あのころ、唯一読めた本
「子ども時代のイグアナが、あんなに小さいなんて!?」等々、
イグアナそのものへの興味も満たしてくれますが、
著者のいじけ具合と、それに対するご主人の一喝が印象的でした。
私自身、疲労の極限でウツウツとしていたころに、唯一楽しめた本です。
無理なく笑えました。
その後、NHKの番組でこのご夫婦を拝見しましたが、
マンガとあまりギャップがなくて、好感が持てました。
「ツレがうつに…」よりも
「ツレがうつになりまして」と「その後のツレがうつになりまして」を読んだ後に、その二著の間にこの「イグアナの嫁」があることを知りました。ですからこれも「ツレがうつになりまして」シリーズの一冊なのですが、装丁が全く異なるために関連性がないかのように見えます。なぜ幻冬舎はこういう形で本書を出したのだろう、といぶかしく思います。
私は「(その後の)ツレが…」の二著よりも本書のほうが心に残りました。それはおそらくこういう理由からでしょう。「(その後の)ツレが…」のほうは、夫がすでにウツになっていて、そうしたウツの家族とどう生きていくかという視点から描いているため、ウツの家族が身近にいない私にとっては、自分に強く引き寄せながら読むという心構えにどうしてもなれませんでした。しかし「イグアナ」のほうは、かつてはどちらかというとプラス思考で元気ハツラツだったツレがウツ病に苦しんでいく過程を描いています。その過程を読むことで初めて、ウツ病がひょっとしたら私だってかかるかもしれない身近な病でありうるという実感を得たのです。
そしてそのウツの背景に、バブル崩壊以降の日本経済の鬱々とした状況があることがかすかに見えてきます。バブルという先輩たちのソウの時代のつけを後輩のツレが支払わされているようにも見え、心が痛みました。
著者とツレの厳しい現実を、ペットのイグがしれっとみつめてくれている、そんな日々を描いたこのマンガエッセイは、なかなか味のある一冊であるように私には思えたのです。
可愛いイラストによる未知の世界への誘い
ツレウツで「うつ」について正面から向き合った貂々さんにより、世の中に鬱病による誤解が少なくなったのではないだろうか。「ツレウツ」は読者が知らない世界を紹介した有意義な本だと思うが、「イグアナの嫁」ではペットとしてイグアナを飼うことを知ることが出来る貴重な本。(イグアナ飼ってる人少ないでしょうから。)私も生涯(多分)イグアナは飼わないと思うので本書を大変に面白く読むことが出来た。貂々さんの著書の特徴は深刻な事件でも可愛いイラストでホッコリとかわしてしまうことだ。イグアナに手を噛まれたシーンなどは本当は流血事件なのだが、絵が可愛いので読めてしまうのが良い。コミックタイプのエッセイ本は数多く出ているが、個人的には貂々の本が一番気に入っている。今後の活躍にも期待しています。
読むとホッとする本
とてもいい本だと思う。
ツレがうつになりまして』の続編ということだが、時期的にはむしろ前編でイグが家族になったときから、夫妻のアップダウンの人生、そしてご主人のうつの発症と続いていく。
『ツレうつ』は、夫妻がうつとどんなふうに向き合い、そして折り合いをつけていったか、というストーリーがメインになっていたが、『イグアナの嫁』はイグが家にやってきて、イグアナの飼い主として夫妻がビギナーから始める様子が丁寧に書いてある。だから、イグアナの飼い方の入門にもなっている。
マニュアルと違うところは、怖いものは怖いと描写があることだ。それが次第にかわいくなっていくさまが、きちんと描かれているのでペットを飼っている人には、すごく納得がいくストーリーになっている。
その飼育ストーリーを縦糸に、夫妻の貧乏とうつとの戦いを横糸にして本書は出来上がっている。そのせいか、一気に読んでしまえる。そして、読後感がとてもさわやかなのが特徴だろう。
絵もおもしろいのでけっこう笑える。個人的には、発情したイグとぬいぐるみの恋人との場面が、何度見ても笑わずにはいられない。
ペットがイグアナだったらこんな感じ?
イグアナを飼い始めた夫婦の日常を描いたコミックエッセイで
イグアナという動物をペットとして飼うことが想像もつかないので
とても面白かった。
イグアナも人になつくことや、最初は15cmほどのかわいい大きさでも
成長すれば150cmと10倍にも成長すること、発情期の時は飼い主を
襲うなど、大変さがよく分かった。
馴染みのないペットとの生活が垣間見れて面白いです。
ペットに対する愛情が伝わってくるのでほのぼのした気分になります。
決して美談ではなく
「ツレがうつになりまして」の続編なのですが。
正直、売れに売れた前作より、
こっちの方が読み応えがあったなぁ。
イグアナの話かと思いきや、
なんの。
”生きるの不器用夫婦”の成長物語だ。
イグは、そのきっかけであったり、支えであったりなのだけど、
イグは2人を見守る役目でしかない。
ただ、そこに在ることで。
前作を読む限りでは、テンテンさんは筋金入りのポジ人間だと思った。
「マイナス思考クイーンだった」というのは、単なる謙遜で。
でも、彼女は変わったのだ。
大切な人の弱さに向き合うことで、
彼女は自分自身の弱さとも向き合った。
「背に腹は変えられない!」と。
そしてその結果、彼女は少し、強くなった。
彼女が変わることで、
ツレさんもまた、力をリカバーしていく。
以前の彼が持っていた力ではないかもしれない。
だが、今の彼が最も必要とする、力を。
彼女の描く”2人と1匹の歩いた道”は、
順調な右肩上がりの、サクセスストーリーではない。
そこに「鬱を克服した夫婦の美談」が描かれているのではない。
3歩進んで2歩下がる。
いや、時には2歩進んで3歩下がることさえ。
でも、それこそが、人間臭さだ。
あたし達の現実は、そうやって日々営まれている。
かっこつけるでもなく、美化するでもなく。
事実を事実のままに。
そしてその最後に描かれたのは、
他の誰でもない、
彼にとっての、彼女にとっての、
”幸せに生きる在り方”だった。
そこに、人間の「弱さの力」を垣間見た気がした。
前作は鬱への入門書として、
そしてこちらは、鬱に限らず、
自分自身を考えるキッカケとして。
それにしてもマイナス思考クイーン時代のテンテンさん、
ネガなあたしと似てる・・・・・。
夜明け前
『ツレがうつに〜』を書いた細川さんが、マンガ家デビューしたものの思い描いていたように旨くいかない時期の心を見せた。マンガ家デビューしたものの、連載を持っているわけでもなく、支えていてくれていた夫がウツになり、今こそ自分がしっかりせねばと思うもののなかなか旨くはいかない。
そんな2人のもとにやってきたイグアナのイグは、少しずつ成長して大人になってきて、発情期を迎えるまでになる。
自分にしか描けないマンガを模索して何度も落ち込む細川さんと、なかなかウツと旨く付き合えない夫と、発情期の自分を持て余すイグ。
このまま不幸かもしれないって思う時があって、でも何とかしたいって少しづつ変化してきた細川家。
他人と比較してしまうのは人間誰しも持つ弱さだけど、その行為が現状を変えようとする力にもなる。
さらりとマンガで書いてるけど、本当に大変だったんだろうなと感慨にふける箇所もあった。
けっこうじわっと感動する。
いぐあな
この本には爬虫類のイグアナが沢山載っています。
漫画で書くとかわいくていいのですが、実際買ったら大変でしょう。
でもこの著者は大変なことを、ユーモラスに書いていてとても気持ちいいです。
でもイグアナって日光浴するのですね。
この本を読んで知りました。
ペットもかすがい
姉妹作である『ツレがうつになりまして。』では、お連れ合いのうつ病体験がメインに描かれていましたが、こちらは時間軸を少し遡り、夫婦の元へ小さなイグアナがやってきたところから物語が始まります。
子なし職なしの変わり者夫婦が、ペットを飼う事で自己犠牲の喜びを共有し・・・
なんて書くと大仰ですが、まったり、ほっこり、陽だまりの幸せに感謝したくなりました。
とことんマイナス思考の著者と、正反対にプラス思考なお連れ合い。
いつも明るく強く前向きな"ツレ"さんが、どうしてうつになってしまったのか?
詳しい経緯が明かされているあたりも見所だと思います。
イグ〜!
イグかわいい!
というのも、弊家でも爬虫類を飼っている。
イラストとしてカワイイのはもちろん、爬虫類の魅力が
爬虫類好きにも伝わってくるのがステキだ。
とくに、両手両足を後ろに投げ出してくつろぐポーズは、
たまらない。たとえ他人のイグであっても抱きしめたくなろう。
もちろん、イグアナのイグちゃんはペットとして、
仮にこれが別の動物であったとしても同じように
ほんわかとした日常が描かれることになったかもしれないが、
やっぱりイグアナは絵になる。
もちろん、これが劇画調であれば話は変わってくるが、
あじわいぶかくやさしい絵で等身大の日常がつづられていて、
思わず応援したくなるような、そんなステキなエッセイです。
