- [著]田中 森一
- カテゴリ:
- 単行本 (410頁)
- ISBN:
- 4344013433
- 発売元:
- 幻冬舎 (2007/06)
- 価格:
- ¥ 1,785 (税込)
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よくぞ書いてくれました
正しい世の中とは何かを決めるのはだれなのか?
バブルで狂うと、人々はどのように行動するのか?
貧困、差別に苦しむ人たちにとって、裏社会とはどういう存在なのか?
とても考えさせられた本です。よくぞ書いてくれました。
ただし著者の考え方に、貧しいから裏社会にいくのはしょうがない、という理屈があるのは残念。
そういう世界の人の方が人として魅力的、というのは別の次元の話だし。
なぜ裏社会という不幸の再生産の仕組を壊そうとしなかったのか。。。
高い志がある人の大切さを痛感しました。本書に実名が出てくる総理大臣経験者たちにお願いしたい。
どのような思いでこの金を受け取ったのか、ぜひ本書の深みで書いて彼らの志の評価を世の判断に委ねて欲しい。
がんばれ幻冬舎。
下衆な暴露本
田中森一の考え方には全く共感できない。
ヤクザや仕手筋が悪だと青臭いことを言うつもりはないが、必要悪なら必要悪としての付き合い方ってものがあるだろう。彼の判断機軸は合法か違法かにあって、合法であれば立法の精神に反しても是としている。要は自分なりの正義を持ち合わせていないのだ。闇社会の代理人とか呼ばれているようだが、代理人ではなくアウトローそのままじゃないか。
さらに、ヤクザやバブル紳士の人物評価にしても、金払いがいいとか、飲み食いの世話に気が回るとか、金銭の使い方に関するものがほとんど。金銭を通じたやり取りの中からその人の生き様や価値観についてもっと評価できるところは見えなかったのか?
暴露本としても品がない。政治家やヤクザ、検事の名前がたくさん出てくるが、自己弁護の視点からべらべらと知っていることを書いている様子は芸能人の暴露本とかわりない。大阪地検次席検事に「これは絶対外で言うたらあかんぞ。手柄話みたいにしてしゃべるやないぞ」と釘を刺されたことを節操も無く書いているが、自己弁護のために必要な暴露ですらなく、戒められたばずの手柄話である。元検事、元弁護士としての品性を疑う。
意思なき反転
最初は、
現場たたき上げの特捜部検事が、上層部の闇に愛想を尽かし、
闇社会の守護神として転身をしたのかと思った。
でも、結論は同じでも、そこに至る動機は違った。
ただ一つ言えることは、表裏一体なんだ。
正義と悪。
信頼と裏切り。
立場が変われば違った見方ができる。
そして、相手の立場にたった見方ができるからこそ、
相手を口説き落とせることができる。
そして、愛される。
愛されることと憎まれること。
まさに、表裏一体が故に、
明確な意思や動機がなきまま、人生が反転していった。
とにかく面白く一晩で読みきりました^^
日本の闇を描ききる
マスメディアが取り上げない、社会の暗部に
スポットを当てた点が、佐藤優氏の著書とイメージが重なった。
国の秩序を守ること、を大義名分に、
罪を犯さない者に対して、ストーリーを作り上げ、
裁判という、公の場を通じて、表舞台から葬り去る。
田中さんにしても、佐藤さんにしても、
その輩達に真っ向から戦いを挑んでいる。
官僚、検事、弁護士といった、
社会的にはエライと思われている人々が、
多くの人が知らない所で、公然と口に出せない、
策をめぐらしているかと思うと、暗澹たる気持ちにさせられる。
日本の裏側を見つめる意味でも、
大変貴重な作品だと思われます。
貧困の出自、政財官の癒着、バブルがこんな田中氏にしてしまったか。
図書館で借りた。かなりの予約満杯で長期間待たされてやっと読むことができた。とても面白かった。ものすごい実名がどんどん出過ぎてハラハラした。誰もが知っている大物政治家さん、反社会的勢力さんというよりはアウトロー社会の頂点に立つ皆さん、バブル紳士やバブルの寵児の皆さん、影の問題を抱える大企業の経営者達、大阪の都銀のカリスマ頭取を中心とした大事件に関わる皆さん、検察庁の大物OB,そりが合わない検察先輩、これらの実名さんが次から次へと登場し、全く飽きさせない400ページである。本書が面白い理由の一つには、田中森一氏の信じられないような前半生がある。長崎県の漁村でかなりの貧困家庭に長男として育ち、金がない、勉強も出来ない環境から、かなりの苦労をして岡山大学法文学部に入学。そこから在学中に司法試験一発合格。判事でもなく弁護士でもなく正義感から検事に任官。そして大阪、東京地検特捜部での活躍。私は田中氏のこの前半生だけの物語でいい。ここまでなら十分に尊敬し、努力のなせる業の力をもらって感動を覚える。しかしその後の検察内部の実態を知るにつけ、また田中氏のバランス感覚の欠如から、ヤメ検弁護士の道に入り周りからの大量のスイートナーに浮かれ、バブル社会に踊った闇の皆さんとの深い交流の進展、これは私には理解できない。購入したジェットヘリにて長崎の母校へ降り立つところなどは、構造設計偽装事件のマンション分譲会社の社長とダブった。「検事」は被告人を起訴して処罰する仕事、「弁護士」は犯罪者として国から訴追された被告人の権利と利益を擁護する仕事。田中氏は前者から後者に反転、反社会的事件の弁護活動を行ってきた。私は田中氏ならばこそ、本来あるべき地検の検事の仕事を全うして欲しかった。そして私と同じ「正義の味方」として悪を見つけて起訴する仕事が田中氏には最適であり、適材適所であった。この不運は、検察内部、政・財・官の癒着、そして田中森一氏の弱さと勘違いによってもたらされたと思う。田中氏のこれからの余生をどう生きるのか気になる。
読み始めたら止まらない
知人から「兎に角面白いから読んでみろ」と言われて読んでみた。確かに面白い。
所謂”ヤメ検”弁護士として有名経済事件で暗躍した人物の半生と事件の内幕。内容も文章も読みものとして面白さ満点だ。特に誰もが知る有名事件の内幕を実名で赤裸々に描かれている生々しさは、ここまで書いたら著者は殺されてしまうのでは?と心配するくらい。
読み始めたら止まらなくなるので、時間のあるときに読み始めましょう。
すごい。
要約、簡略化して小学校の社会の教科書に使って欲しい。
政治と金
予想はしていたけれど…世の中、やっぱり政治と金で動いてるんだなーと思わされる本。彼が身を置いていた場所は(検察時代も、弁護士になってからも)よっぽどタフなひとしかいられない世界だと思う。億単位の金をポンポンやりとりできる人たちがいたなんて。
バブル史を知る上でもためになる一冊。バブル以降の世代としては、本当に夢が持てた時代だったようでうらやましい。
おもしろかった!
すごいですこの本!実名わんさか出てきます。
検事時代はバッサバッサと悪人をしょっぴくも
検察も所詮は国の味方、議員に都合が悪い場合は立件できなくなるよう
上層部から圧力をかけられてしまい、検事を辞めてしまいます。
弁護士時代は、裏社会の人たちと手を組んでキタナイ仕事ばかりを
やっているという前提で読み始めましたが、
そうでなく、組長であろうとも個人と向き合えば律儀な人ばかりで
意外にヤバイ仕事はしてませんでした。
なかでも田中氏が、ヤクザといえども根っからの悪ではなく、
彼らの生い立ちを聞いてると涙が出てくるぐらい
極貧(おむつ洗うのと食事の準備のタライが同じぐらい貧しい)で
差別を受けている人達が自然とそうなってしまう
というエピソードがグッときました。
バブルの時は、金額が1000億単位で飛び交っていた様も
当時子供だった身としては、そんなに金が溢れていたんだ・・・と
びっくりしました。うらやましがらずにはいられません。
そんな世界にいた結果ああなってしまうわけですが。
世の中私達の知らないところで、色んなことが暗躍してるんだなぁと
検事・弁護士の両方の視点から見ることができて
とても面白かったです。たくさんの人に読んでもらいたい1冊です。
統治層と闇勢力の接点にいる「ヤメ検」
バブル経済たけなわの一九八八年二月、検察庁の退職金八〇〇万円を受け取った著者は大阪に弁護士事務所を開く。開業一年目にして、顧問先企業は一〇〇社超、顧問料ひと月一〇〇〇万円以上(他に弁護士報酬など)、開業翌年には高額所得者のランキング入り、弁護士としてトップクラスの収入を得るようになる。金銭感覚が狂ってくる。日本に二機しかない七億円のヘリコプターを買ったり、豪華マンションを棟ごと買うなどバブルにまみれていく。
まさに《伝説の特捜エース検事は、なぜ「裏」世界の弁護人に転向したのか》が赤裸々に綴られていく。著者は言う。「この国は、エスタブリッシュメントとアウトローの双方が見えない部分で絡み合い、動いている」と。
それにしても「ヤメ検」とは何とおかしな存在だろう。「検察の正義」を実践してきた者が、罪を犯した人間を弁護し、法廷でかつての同僚や後輩と対峙するという矛盾。時に検察・国税情報を教え、法の抜け穴まで伝授する。本書を読むと、「エスタブリッシュメントとアウトロー」の接点にいるのが「ヤメ検」だとよくわかる。
