- [著]押井 守
- カテゴリ:
- 単行本 (254頁)
- ISBN:
- 434401538X
- 発売元:
- 幻冬舎 (2008/07)
- 価格:
- ¥ 1,680 (税込)
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映画スカイ・クロラ製作過程の詳述&極めて貴重な自伝です
本書は映画スカイ・クロラの製作過程を必要とされる7つのスキル(対話力・妄想力・構築力・意思力・提示力・同胞力・選択力)を切り口に詳述する7章とプロローグ・エピローグで構成されます。
映画の製作過程については他著と重なる部分が散見されますが、巧く纏められており、映画製作の背景と(アニメ)映画監督に必要とされる(一部は一般の仕事にも適用できる)スキルが何であるかが分かります。
しかし、本書で最も重要なのは、異例の80P(全体の約1/3)を要するエピローグでしょう。
そこには友達がおらず妄想癖があり優等生を演じ苛められっ子だった小学生時代。大ボラ吹きの探偵だった父と良く働くハイカラな母。一転落ちこぼれになり自我のよすがを革命活動に見出した高校生時代。映画に没頭し、恋に落ちた大学生時代。そして初恋の相手との結婚・就職・アニメとの出会い。初恋の相手との離婚。その娘との別れ。再婚。仕事での成功と挫折。そして再起。スカイ・クロラとの出会いと娘との再会。愛犬の死と娘の再婚。等々が赤裸々に描かれています。
ベートーヴェン・ゴッホ・川端康成・東山魁夷(20世紀最高の日本画家)ら超一流の芸術家は心に闇と孤独を抱えるが故にまた至高の芸術に到達すると私は理解していますが、押井守という芸術家(演出家・映画監督)もまた心に深い闇と孤独を抱えていたと知りました。僅か80Pですが、本書は極めて貴重な自伝でもあります。
後世、必須の資料となることだろう
映画『スカイ・クロラ』に関する記述は
あちこちで触れられたものであるからして
特に新鮮味は無い。
本書の価値は、後半の自伝に近い箇所。
今まで断片的にしか語られてこなかった
私生活が垣間見えることによって、
氏の原風景が明らかとなっており、
後世、押井守という映画監督を語る際に
必須の資料となることだろう。
タイトルにダマされるな!
ビジネス書のような売りで読者層の幅を広げよう、と出版元が考えたのかも知れないが、このタイトルにダマされてドン引きしてはいけない!(僕は刊行予告で「何だコレハ?」とイデオンのラストくらいヒックリコケタ!)
内容は、スカイ・クロラを軸に押井監督がアニメーション制作の方法論、「押井の哲学」(byポアロ)を語ったもの。もともとは雑誌『ゲーテ』に連載されたインタビューに加筆、修正してまとめたものです。しかし! 1冊にまとまり通読すると、一つのテーマを原作から掘り起こし、それを映像に置き換え、いかにアニメーションとして充実させて完成させるかという押井監督の考え方、手法が「7つの」視点から詳細に語られ、読み応え十分な著作になっています。
押井監督はかつて、「パト2」や「イノセンス」で演出ノート『METHODS』1、2(これもスゴイ本だよね)を刊行し、自らの手の内を惜しげもなく開陳したけど、この本もまさにアニメーションの設計図とその工程を作者自身が丁寧に、細部まで解説してくれている。(図版は口絵以外、一切なし。為念)
また、70ページ以上になる「エピローグ」では、生い立ちから現在までを語りつくしていて、正直なところ、押井監督がこういう話をするとは思わなかった。
「押井だから何やっても許されるんだよ」という世評の裏返しのようなエピソードの連続で、一気に通読するほど引き込まれました。
『METHODS』のように、版元品切れになってから評価が高まり、手に入れられなくて重版を待つくらいなら、今のうちに購読しよう!
シンプルな主張
この本の主張はシンプルである。周囲の意見に耳を傾けよ、というものだ。しかし押井守のこれまでの映像作品や著作を追ってきた者には、いまさら感と物足りなさが強いのではないだろうか。そのような主張はこれまでの著作でも著されているし、しかもそれらでは周囲の意見に対して素直に耳を傾けるような殊勝な感じは無かったように思う。むしろ周りの思惑をいかに掻い潜って己の主張を通すか、という他者との力関係に主眼を置いて語られていたこれまでの著作の方が有用であり、面白いと思う。要するに本著作は押井守の著作の中ではかなり「ぬるい」方である。押井作品ならばとりあえずなんでも買う、という人でない限りお薦めできない。押井守のファンである私は、エピローグが補完的で面白かったので、本来の2つ星にひとつ足して、3つ星とする。
押井守の私生活が見える作品
愛犬の死
娘との再会
空手を始めたこと
他人の能力を自分に活かせられれば、仕事の質は10倍アップする。
色々な人との出会い。
スカイクロラが完成するまでの仕事術と私生活がよく描かれている。
