- [著]崎谷 はるひ
- カテゴリ:
- 文庫 (382頁)
- ISBN:
- 4344813812
- 発売元:
- 幻冬舎コミックス (2008/07/15)
- 価格:
- ¥ 650 (税込)
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65,141 位
2008
07/16
Wed
別の新しい小説としても
95.7% (22 / 23)
2001年発表作の全面大幅改稿作となっています。
手に取ったとき、その分厚さに驚きましたが、
加筆修正というよりも書き直しに近いほどの筆の入りようです。
恩人の忘れ形見の裕太を引き取り育てる流水と、
その流水への恋慕を隠して「いい子」を装う裕太。
「親子」から「恋人」へと、ぎこちなくも初々しく関係を
変化させていく様を印象的な描写で描いた好作だった旧書。
それを主軸に、最近の著者のリアリティさにこだわった表現が
かなり加わり、セリフのトーンも相当に変わったことで、
初々しく甘い旧作とは趣を変え、シリアスな恋愛ものとして、
結末を知りつつもドキドキしながら読み進めてしまったほど
新しい物語としても楽しめました。
どこかふわふわとした旧作のイメージから、
流水が恋情や嫉妬に子供のように翻弄される様や、
したたかに流水への想いを抱く裕太の内面を克明にすることで、
二人の必死なまでの想いにより惹き付けられるお話になったように
思います。
巻末に収録された同人誌の短編(ほのぼの後日談)もしっかり改稿され、
今回収録されなかったもう1つの短編の要素も組み込むなど、
かなりの徹底した全面改稿ぶりは、旧作を知っている人こそ
見ごたえありかと。
旧作を読んでいても楽しめて、一つの小説として面白かったのですが、
ここまで改稿がされてしまうと、お気に入りの箇所も駆逐されていて、
あのセリフが好きだったのに、あのシーンがよかったのに、と
猛烈に旧作を読み返したくなりました(笑)。
