- [著]西澤 保彦
- カテゴリ:
- 文庫 (146頁)
- ISBN:
- 4396328109
- 発売元:
- 祥伝社 (2000/10)
- 価格:
- ¥ 400 (税込)
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中篇の難しさ
祥伝社の中篇シリーズの一冊。テーマ競作「無人島」に挑戦したもの。
双葉社の「なつこシリーズ」のパイロット版ということだが、こんな内容では本編の方も読んでみようという気が起こらない。あまりにもはじけた内容にどうついていったらいいのか。
失敗の原因のひとつは中篇であることだろう。かなり錯綜したプロットのわりにページ数が少ない。そのため無理に詰め込むような形になってしまい、面白くなくなったのではないか。
中篇は難しい。トリックひとつでは足りないし、あんまり複雑なものも書けない。軽く読めるのは確かだが…。
いくら箸休めと言っても
作者は「奈津子」シリーズを箸休め的に書いているようだ。作中に実名の作家を登場させたり、内容も本来のロジカル・ミステリ路線から外れ、設定の奇抜さだけをウリにしたり、お気楽な内容だ。
しかし、本作の内容はヒドイと思う。一種の誘拐ものだが、動機・ストーリー展開がお粗末で、その上これと言った趣向もない。内輪受けするだけの作品を公にするのは賛成できないなぁ。
文句なしに面白い
セクシャルノベルの鬼才、森奈津子をモチーフにした著者の愛情溢れる(?)作品。
文体もよく似せて書いており、シチュエーションの描写だけでも大笑いで楽しめる。
さすが自他共に認める森奈津子ファン(笑)。
本当に森奈津子が書いたと言われたら信じてしまいそうだ。
森奈津子ファンにこそ薦めたい
森奈津子をはじめ、実在の作家をモデルとする登場人物が複数。
推理小説としては微妙なところと思われる。それよりも文体模写として素晴らしい。主人公のモノローグ・妄想は実に森奈津子のコメディ作品やエッセイに似て、作中作の濡れ場は実に森奈津子の書く官能小説に似ている。森奈津子がこの本を書いたと言われたら信じたかも知れない。
ロジックの妙を期待して読んではいけない。主人公/作家・森奈津子の人格に魅了され、笑うのだ。
妄想爆走・爆笑ミステリ
ぐははははは。
もう、とにかく抱腹絶倒。主人公・奈津子は耽美作家だからして、人一倍、いや人十倍くらい想像(妄想かもしれない)が豊かなのだが、この奈津子の妄想力豊かな性格がこの小説のキモ。この妄想が奔流のように一人称で語られている。
とにかく奈津子ったら、すごい。楽しい。アッパレ。推理部分は、もうつけたしみたいなもんだ。
主人公・森奈津子は、実在するお笑い百合SM小説家(←それって、いったい)の森奈津子がモデル。モリナツ、心が広いなあ。と、いうか、本当にこうしたはじけた作家さんなのだろうか。そんなわけで、次回は森奈津子作品を読んでみようと誓った私。
なお、この本はエロティックな記述が多いので、18歳未満だとか、その手の小説が苦手な方は要注意。
森奈津子
実在の作家たる森奈津子を主人公としたシリーズの第1作。ロジックに淫する突き詰め方にとりわけ魅力のある作者だが、本シリーズでは、森奈津子自身の魅力を全面に押し出しロジックはやや控えめ。ともかく過剰。
