- [著]森 達也
- カテゴリ:
- 単行本 (287頁)
- ISBN:
- 4408535389
- 発売元:
- 実業之日本社 (2008/08/29)
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伝えたいテーマは何?
特別に「死」を難しく語って欲しいとは思わないが、サブタイトルとして「死」がテーマなら、ジャーナリストとて、あるいは文筆家としての鋭い目線が欲しい。それが読者に「コッリ」と五感に触れるのわけで、健康な人間が、遠景の「ベックリンの死の島」を観て語っているようにしか思えない。けして「死の島」には踏み入らない。つまり医学者ならばミクロまで分け入って生命の謎を解き明かし、文筆家ならとうていたどり着けないミクロを超えて、心の中まで分け入ることが出来るのではないか?それが文筆家なのでは?と思ってしまう。ジャーナリストならば「来るべき未来は、ジャーナリストの手の中にある」といった有名な言葉のようなベクトルが欲しいが、この文章からはそれは感じないし、有っても無くてもよいモノがあるとしたら私にはこの本は無くてもよい。100の言葉より「ベックリンの死の島」や「柳原和子の癌を生きる」の方が雄弁に語りかけてくると思うのは私だけだろうか?
みんなつながっている
本は主体的に読むしかない(つまり自分たちが自分たちのスタンスで読む以外に方法はない)。批判したい人は批判すればいいし、賛同する人は賛同すればいい。
世の中にはものが溢れている。一円でも節約したいという気持ちがある一方で、安易に、コンピニで買わなくてもよさそうなものを買ったりもする。
人はいろいろな矛盾をかかえながら、時にそれを直視したり、見て見ぬふりをしながら生きていく。
純粋な人ほど、今の世の中は生きにくい。はずだ。
回りくどくなってしまったが、森達也さんは、世の中のいろいろな事象に正面から向き合っている人である。
賛否はそれぞれ。
僕などがいえることはあまりないが、キーワードのいくつかは示すことができるかもしれない。もちろん、ただ単に僕の頭に浮かんだ言葉だが。
「ガイアシンフォニー」、「本橋成一」、「サイード」、「池澤夏樹」、「坂本龍一」、「宮崎駿」、「龍村仁」、「coyote」、「無農薬」、「マクドナルド」、「北海道」、「沖縄」、「プロムス」、「ジョンコルトレーン」、「マイルスデイビス」、「エレファントカシマシ」…
お奨めしたいのは、要するに自分について考えるヒントに満ちあふれているからだ。
気心の知れた古い友人と雑談している気分
森達也の本を読んでいるととても気持ちが良い。たぶんいろいろなところで似ているんだろう。いろんな生き物(特にかなへび!)を飼ったこと、中学高校時代の友人池田君の話、飼い犬の話、あとがきにある小学校低学年のとき夜中に突然死の恐怖に襲われたこと、どれも僕も似たような経験がある。年齢も同じだし、普通よりいい年になってから生まれた子供が3人も同じ、池袋ではなかったけどやっぱり学生街で映画三昧の学生生活を送ったことなど、なんか昔から知っている気心しれた友人と楽しく歓談しているような気分。
「死を想え(メメント・モリ)」という表題(実際には「想え」だけだけど)のわりには内容は重すぎない。それぞれの話に多少の出来不出来があるが、どれも気持ちよく読める。みんながみんな、この気分を味わえるわけではないだろうけど、森達也の本を読んだことがあり、それに違和感を感じなかった人ならきっとおもしろく読めるだろうと思う。
「死」との距離感
森さんの最新刊は、雑誌「月刊J-novel」に連載されたエッセイ・評論を集めた一冊です。それぞれの文章の初出は2004年秋から2006年末まで。と言っても、ぼくはこの雑誌については知らなかったので、はじめて読むものばかり。
本の大きなテーマは「死」。もともとはタイトルも『メメント・モリ』というものだったようです。ほんとうに、おっきなテーマです。とは言っても、それぞれの文章は真正面から「死」をあつかっているわけではありません。だから、あんまり肩に力を込めて読む必要もありません。要するに、森さんのいつもの文章です。
とくに印象深かったのは、「池田くんとの思い出」という文章。中学時代の友人である池田くんは、大学に入ると自殺してしまう。その池田くんの遺書のようなノートが残されていて、そこには「森が羨ましい」という一文が書き記されていた、とのこと。
一般には、オウムやメディアに対する発言が多くあるので、「社会的な」監督・物書きの一人とされる森さんだけど、たまに出てくるひどく個人的なお話(例えば池田くんの思い出やペットのこと)が、ぼくには面白く感じました。それに、そういった個人的なものごとにこそ、この本のテーマである「死」は合っているようにも思ったのです。
だから、欲を言えば、そういった森さんのより個人的なものごとのことなんかを、もっともっと読みたかったです。
映像の世界には帰れない?
この著者は、なんというのか、懊悩しているようでありながら、実は自分のスタンスに絶対の自信を持っている
のではあるまいか。
どうして、こんな未加工の主観の垂れ流しに値段がつくと思っているんだろ?
かつて『放送禁止歌』や『職業欄はエスパー』などに感銘を受けたけれど、その後の『A』や『A2』での内幕や
ドキュメンタリーについての著者の考え方から透けて見える筆者の開き直りの臭いや、さらには『下山事件』
証言捏造などが露になった後、こうした自意識というか、主観の垂れ流しを見せ付けられると、過去に感銘
を受けた著作も眉に唾して見ないわけにはいかないッス。
正直、呆れています。
待ってました
月刊ジェイノベルの連載がやっとのことで単行本ですよ。
正直待ちくたびれましたよ。
この他にも東京FMの森の朝ごはんの単行本もまだまだとヤキモキしてます。
森達也の書籍はハズレなしっす。
