- [編集]小西 友七
- [編集]南出 康世
- カテゴリ:
- 単行本 (1998頁)
- ISBN:
- 4469041653
- 発売元:
- 大修館書店 (2003/11)
- 価格:
- ¥ 3,465 (税込)
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名前につられてはいけない
高校入学にジーニアス英和を買うついでに,ジーニアス和英を買うのはやめておいた方がよいと思います。レビューの一つに書かれているとおり,日本語の分析がよくありません。巻頭にはいろいろとハイブリッド方式についてもっともらしいことが書いてありますが,端的に言うと,コンピュータが使えるようになったので,英和辞典の情報を利用して和英を作ったということだと解釈しています。丁寧に記述している項目もありますが,日本語の見出しの下に英和辞典から引いてきた項目が並んでおり,どの語を使ってよいのか学習者には分からなくなる場合が少なくありません。類語辞典的な使い方ができると言う人もいますが,類語辞典として作った辞書でもありませんので,見出し語の下の英語項目間の記述に統一感がなく,例文も少ないので比較して適切な語を選ぶというのが困難です。プログレッシブ和英のような日本語の分析からスタートしてきちんと和英辞典としてどうあるべきかという明確な編集方針をもって作り直してもらいたいものです。絶対に名前につられてはいけません。
多少英語ができるなら、イライラするはずです
これはただの日本語で引ける英語語法辞典。日本語の意味の分析が雑で、該当する英語表現が少なすぎます。本当に英語を書いていて「あっこういうの英語でなんて言うんだっけ?」と悩む学習者の気持ちがわかっているのかどうか怪しいところではあります。
語法等の説明を英和辞典並に入れて一石二鳥のようなことをいってますが、話を返すと、英和辞典気取りの語法・文法説明に割いたスペースのおかげで、純粋な和英辞典としての情報量は中辞典クラスではダントツに低いです。
以上の理由で実用辞典としては買う価値無しです。高校などの学習用としてはどういう評価がされているか気になります。いかんせん英和が有名なので、名前だけでも、結構な数の受験生が買うと思いますしね。
それでもやっぱり重宝しています。
この辞書、私は大変気に入っており、重宝しています。分かりませんが、そもそもこの辞書は、「逆引き広辞苑」の登場を横目で見ながら企画されたものだったのではないでしょうか。当初は「和英検索辞典」とか、他の呼称を考えていたものが、単に「和英辞典」として出たまでは良かったのですが、他の和英辞典より売れてしまい、昨今ではIC電子辞書搭載和英のスタンダードにまでなってしまったことが、昨今、あれこれ非難されている原因なのでしょう。告白すれば、私もこれの初版を購入した時はちょっとがっかりしました。ライトハウスのような囲み記事はないし、ニューセンチュリーのような類義語解説はないし、プログレッシブほど情報密度が高くないと感じました。この第2版も、気になる誤植(ではなく誤入力と呼ぶべきものですが)が散見される点等、それはそれでがっくりきていますが、それでも私は結局、実のところこの辞書のハイブリッド方式が一番使い勝手が良いと感じており、引き続き愛用しています。かつて海外の人の利用を考えてローマ字見出しにしていた和英辞典の殆どが昨今ではかな見出しになっていますが、このハイブリッド方式にはそれに近いものがあると感じてもいます。つまり、海外の人向けのものと国内の人向けのものが同じものでなければならないほど、現在の和英辞典は選択の幅が狭くないということだと私は思うのですが、まあ、実際には海外と国内、あるいは中学、高校、大学生、一般人といった区分けできっぱり割り切れるものではなく、個々人の好みや学習の度合い等に応じて自分に合ったものを選ぶのがベストでしょう。要するに私は、「和英辞典はこうあるべき」みたいな偏狭な視点でどれもこれもが同じようなものになってしまってもつまらないと思うのです。この辞書は、その中の一つの選択肢として非常にユニークなものであり、これはこれで大変優秀な内容を備えていると思います。
もうひとつ信頼が置けません。
塾講師を始めたばかりの新米ですが、塾に置いてあるこの和英をよく覗き込みます。しかし「おや?」と思うこともよくあります。先日もパラパラとページをめくっていたら「せいじつ(誠実)」の所に「拾ったお金を返すとは君は誠実な人だ It is honest [×sincere)] of you to return the money that you found.」というのがありましたが、私はこんなことに「君は誠実な人だ」とは言いません。「君は正直な人だ」なら納得できます。同僚の日本人数人も私の意見に賛成してくれます。この辞書はこんな不自然な日本文のオンパレードです。これは「ハイブリッド方式」が失敗している1例ではないかと思います。またいつだったか、「下痢」になった時に(下品な話ですみません)トイレに行ったあとでこの辞書を開いてみたところ、「下痢をしている have loose bowels(◆これは直接的な表現なのでhave diarrhea [intestinal trouble] などということが多い)」と書いてありました。でも、同僚のアメリカ人は、「have loose bowelsは必ずしもdiarrheaではないよ」と言います。前者は「ゆるい」ことはゆるいが、後者はそれを通り越した本当の下痢だと言うのです。この辞書の宣伝に「ジーニアス和英はここまで進化した」とありますが、本当に進化しているのでしょうか。「ハイブリッド方式」という宣伝文句だけが一人歩きしているように思えます。正直に言って、私が使った限りでは、私はこの辞書にもうひとつ信頼が置けません。個人用には別の会社の和英を使っていますが、ジーニアス和英がたいていの電子辞書に搭載されていることにちょっとした疑問を感じています。
情報量が多い割には使えなかった。
ニュージーランドにホームステイにいったときこの辞書を買って持って行った。ステイ先で宗教の話になったので日本人はキリスト教のような神は持たないことを説明しようとしてこの辞書を引いたがだらだらと情報が載っているだけで使えそうな用例がまったくなかった。なぜかと考えたが多分キリスト教の神の例だけだからだろう。日本人の中にはあまり宗教に関心がある人はいませんと言おうと思って宗教のところを見たが「宗教とか科学の完全な分離」という用例以外は用例がなくあとは宗教音楽・宗教改革・宗教会議みたいな語と訳語が羅列してあるだけだった。このほか何度も和英を使うことがあったがほとんどほしい用例はなかった。ぼくの使い方が悪いせいかしらないが情報量が多い辞書だけど日本人学生としてのぼくの役にはほとんど立たなかった。日本に帰ってインターネットでいろいろ調べてみたらこの和英の初版が問題の多い辞書であることがわかった。友達やら後輩やらにはすすめられない辞書だというのがぼくの正直な印象だ。
追記―この欄に掲載されている書評の中に、何の必然性もなく、ジーニアス和英辞書以外の特定の和英辞書や英和辞書を例に引いて、その問題点をあげているものがあるが、そういうのはどうかなと思う。ここではあくまでもジーニアス和英辞書のレビューをするべきだと思う。無関係の辞書の問題点を指摘することによってジーニアス和英辞書の良さを印象づけようとするというのはこのレビュー欄ではアンフェアなことだと思う。ここではジーニアス和英辞書のレビューであるかぎり色々なものがあって良いと思うが、ほかの辞書はほかの辞書のレビュー欄でやってほしい。
確かに進化したが・・・
ネイティブでも使用されるかどうか意見が分かれる場合、△の印をつけるなど、独自色を出しているが、未だに例文での誤植が多い。少し見ただけでも、「解散」の項目などで誤植を発見。第1版でも誤植が多かったが、第2版でも多い。誤植の多さは辞典としては致命的である。
第一版の欠点を解消し、言葉のニュアンスを丁寧に解説
ジーニアス和英辞典の第一版は、シソーラス代わりに使えるという好意的な評価もありましたが、残念ながら初心者には全く不向きなものとなっていました。
第二版では、第一版の欠点は大幅に解消されています。例えば・・・
日本語と英語の違いとしてよく引き合いに出される素朴な例として、「笑う」という言葉があります。日本語では、「にっこり笑う」「くすりと笑う」などのように、動作を説明する副詞+「笑う」という表現をするのに対し、英語では、別々の動詞 laugh, smile, chuckle, giggle, grin, sneer などを割り当てています。
これは、日本語と英語の一般的な違いのひとつで、日本語でなら擬態語で補足するようなことが、英語では動詞そのものに含まれているわけです。和英辞典で、日本語のありふれた動詞をみると、ひとつの日本語にたくさんの訳語が載っているのはそのせいでもあります。
ジーニアス和英辞典第二版では、このような複数の訳語について、ニュアンスの違いや使い分けのしかたの説明を用意していて、非常に教育的なものなりました。
上に挙げた「笑う」でも、いろいろな笑う状況に応じたたくさんの例文があり、「grin は本来楽しくて笑う意味だが、grin ironically(皮肉に笑う)、grin maliciously(悪意のある笑い方をする)のように悪い意味の副詞を加えて用いることもある」など、具体的に説明しています。
第一版の長所であったシソーラスとしての機能を維持しつつ、初学者のための丁寧な解説を補っていますので、英語のニュアンスを学ぶ上で非常に有用なものでしょう。
例文も丁寧に吟味されています。
もともと日本語と英語は異なる言語なのですから、ある日本語の言葉が一対一で英語と結びつくはずはありませんが、この辞書によって、話の状況に応じた言葉の対応付けを学ぶことができると思います。
