- [著]外山 滋比古
- カテゴリ:
- 文庫 (223頁)
- ISBN:
- 4480020470
- 発売元:
- 筑摩書房 (1986/04/24)
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和書で思考についてこれほどの実践的良書は他にない
「本を読む本」の訳者である外山氏の著作
なかなか内容が濃くて実践的かつ参考になった。
以下本書の実践的な要約を記す。
学校教育について、思考においてグライダー型人間訓練所と言及する。ここでグライダーとは自力で飛ぶことができないことを例えている。つまり、自力で考える、考えを整理するということを教えられない。グライダーの対として飛行機型がある。これは、思考が創造的で自ら整理できる人間である。学校教育を離れ社会に出ると飛行機型を求められる。グライダーでいくら優秀でも実社会では役に立たない。私たちは飛行機型を目指さなければならない。
まず、創造的な思考をするためにはどうすればよいか?
・朝飯前に知的作業を行う。
・考えを寝かせる。(時間を置き、発酵させる)
・編纂・編集し、二次的な創造を行う。(エディターシップ、メタ・クリエイション、カクテル)
・周辺に関心、広く視野を持つ。(セレンディピティ、副次的発見)
次に思考を整理するにはどうすればよいか?
・メタ化(抽象化)する。
・スクラップ
・カード・ノートに書き留める。
・博覧強記(一つのテーマに絞って集中的に読書・記憶、つんどく法)
・メモをメタ・ノートに転記する。
・ノートの記述を読み上げる。(より多くのチャンネルを通し純化させる。)
・不要な情報は忘却する。(気分転換、眠る、汗を流す)
・とにかくテーマに沿って思ったことを終わりまで書いてみる。
飛行機の推進を上げるにはどうすればよいか?
・異質な者同士で雑談する。(ブレインストーミング)
・自分自身、他人を誉める。(自己暗示、円滑な思考)
・現実の行動(1次的現実)になぞらえて思考する。
・未知への遭遇。(とにかく繰り返しぶつかり、自分で考える)
和書で思考について書かれた本の中でも特に良書と感じるので★5つです。
本書を読んで一人でも多くの人が自分で考えることの素晴らしさを感じてくれたら。
中学・高校教育で鍛えた頭を実社会で役に立たせるためには、ステップアップが必要です。そのヒントとなるのが本書だと思います。
受動的な知識習得を「グライダー能力」、自分で考える力を「飛行機能力」と定義していますが、言い得て妙ですね。勿論のことながら、「飛行機能力」がなかなか身に付きません、現代社会においては。
「思考は醗酵する」とでも申しましょうか。寝ている間に思考が整理されるというお話は、大脳学の先生もおっしゃっています。しかしながら、本書が書かれたのは20年以上も前のことです。外山先生、エライ!!
グライダートリック
最初のグライダーの比喩がうまい。乗せられた気分だ。
思うに、比喩も本書で重要視されている脱線の一種なのだろう。
ふと、この本を読んでいて、不思議なパラドックスに乗っていることに気づいた。
グライダーではなく、飛行機にならなきゃいけないんだとは思うのだが、
読み心地はグライダーに乗っているようにスムーズに風に流されていくのだ。
内容より、そういう方法論がおもしろい。
インターネット以前の本であることに意味があり
最近の思考や情報の整理にはインターネットなどをはじめにしたツール偏向のきらいがありあまりしっくりしないと思っていた中、20年も前に書かれた本書を読みこれが本当の思考の整理だと思った。
思考はすこぶる生身の人間が行うものであり、ツールではなく人間本位の考え方に立脚しているからである。
数か月でなくなる現代のハウツー的な本を何冊も読むより本書を読むことをぜひお薦めします。20年も読まれてきた実績もある本ですので。
ビジネス書のエッセンスはこの本にあり
「世に出回るビジネス書のエッセンスはこの本にあり」
アイデアの出し方や思考の整理に関するビジネス書は何冊か
読んだが、本書はまさにその本質が書かれている。
しかも、理屈や理論というより、具体的なのだ。
著者が実践しているアイデアの生み出し方や思考の整理の方
法が多数紹介されており、大変参考になる。
以下の6点は、参考になりおもしろいと思った内容を自分なり
の解釈でまとめたものである。
●アイデアの生み出し方
【素材】と【ヒントや型】を混ぜ合わせ、寝かせておく。
この寝かせておくというのが大事なのだ。無意識の作用を
意図的に活用するのがポイント。
●情報のメタ化
思いつきや着想を他の思考や型と関連させて整理をし、
普遍化や抽象化を行う。
思考の整理は捨てることだけを言うのではない。より高い
抽象性へ高める質的変化も言うのだ。
●ネタのストック化
着想やヒントはまずは手帳へストック。しばらく寝かせておき、
見返す。そのとき、何でこんなこと書いたんだろうと思うような、
色あせてしまったものは捨てる。そうでないものを別のノートへ
書いておく。いわばふるいをかいくぐった良質の考えの保存の
場である。寝かせている分、以前の着想やヒントより考えの幅
をプラスできる可能性もある。
著者の表現を借りれば「わが思考すべてこの中にあり」である。
●人間の頭脳は工場と倉庫
倉庫に知識を詰め込みすぎても、スペースが狭くなり工場
(ものを考える、生み出す)の能率が下がってしまう。
「忘れる」とは、工場の邪魔になるものを取り除き、工場の
能率アップを図る大事な作業なのである。
●書くことは考えること
何か考えたら書いてみる。
書いているうちに思考の整理がされ、昇華される。
書いているうちに何か浮かんでくる。
(それは、しゃべることも同じ。)
書き出したらとまらないこと。勢いを大事にする。あとで十分
推敲するのだから。
●自分だけのことわざを
ことわざは具体的な現実を定理化し一般化したものである。
自分の経験、知識、思考を凝縮させた自分だけのことわざ
を作ることで思考が体系化される。
面白い読み物
他の方も多くレビューで書いていますが、この本が20年前に出た本であることが非常に興味深いです。読み物としてもよくできていると思います。ビジネス書や自己啓発本を読み漁っている人にとっては新鮮な内容ではないと思いますが、あまりこの手のジャンルの本を読んでいない人にとっては面白く読めると思います。いわゆる成功本ではないので、実務にすぐに!ってわけにはいきませんが、スタンスとして知っておくと良い内容です。
ぜひご一読を!
気に入った点。
・所謂哲学書や論文形式でないので、気軽に読める
・一遍が短いので通勤時間(車内で気軽に)で読める
・端的にまとめられていて、「深い」
・薄いので持ち運びに便利
気に入らなかった点はありません。本書はぜひ大学生、高校生に読んで頂きたい
と思います。
思い考えるには
日々の流れの中で、ふとおもいつくこと・・・
忘れてしまいがちになること
考えの整理がつかないこと
よいアイデアがおもいうかばないとき
そんな人、そんな時に読む本です。
思考にまつわるヒントがたくさんのっています。
基本的な姿勢を学べる
帯に書いてあったとおり、もっと早く読んでいればと思わずにはいられませんでした。
思考方法の基礎的な態度を学べます。
今になって読むと「そうなんだよなあ。最初からわかっていればなあ。」
大学の学部生が読んでこの態度を身につけ、社会にでても思考していくと
いうのがいいのではないでしょうか。
もちろん社会人も必読ですが。
著者の文章を読んでいるだけで、頭が整理されるので
著者の書いた他の本も買って読み始めています。
一晩寝かせるのはカレーだけではなかった!?
文章を書く前に、「考えること」についての貴重なアドバイス本。
「考え」は、まず、寝させてから醗酵させ、またしばらく忘れる。
「見つめるナベは煮えない」ということだ。
すると「熟したテーマは、向うからやってくる」。
「考え」に浅い、深いがあるというのは、整理、抽象化の進行の程度であり、
深くなるほど高度の思考となり、普遍性も大きくなる。
要は、思考の整理には平面的で量的なまとめではなく、
立体的、質的な統合を考えなくてはならない、ということだ。
また、知的活動とは、
理解→想像力→解釈→難解本は体当たり読み→思考的読書→抽象的理解力を高める。
読書については、作者の意図をたどりながらの読み方ではなく、
あえて、自分の新しい解釈を創り出していくことを勧めている。
当然、作者の意図と衝突してもひるまない。
汗のにおいのする思考が本当の独創、想像を生むというのが印象的でした。
本書のテーマ「思考の整理法」としては寝させるほど大切なことはないそうで、
それは日々生活していく上でも素晴らしい名言だと思いました。
感情的になったときには、とりあえずその問題から意識を遠ざける工夫を
こらすのが常套手段だと感じました。
なにごとも、むやみに急いで得られるものは少なく、失くすものの方が大きいですから。。。
