エクソシスト (創元推理文庫)

  • [原著]William Peter Blatty
  • [翻訳]ウィリアム・ピーター ブラッティ
  • [翻訳]宇野 利泰

カテゴリ:
文庫 (557頁)
ISBN:
448858201X
発売元:
東京創元社 (1999/07)
定価:
¥ 1,029 (税込)
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245,980 位
評価: 3.5
2007
07/23
Mon

善と悪のパラドックス。

0.0% (0 / 1)
[No.4] posted by 眠り姫

医学や神学、映画や芸術、そして歴史、地理、埋蔵文化など、広範な知識を駆使して描かれた物語で、翻訳者の力量を試される大作です。
魂の救済、神の愛と神への信仰、善と悪を如何に認識し、如何に解釈するか。
神の不在を疑わざるを得ない状況に遭遇することがままある我々人間に対する、著者からの回答。
人間の持つ根源的な闇への恐怖が科学の発達を促し、それが森羅万象を論理的に説明付ける態度を涵養し、説明の付かない現象、存在を否定することに繋がる。
悪魔憑きの少女は果たして真の悪魔憑きか、精神の障害による見せ掛けか。
後者の立場を採ると、人は悪であることになり、善なる見せ掛けの奥に悪が潜んでいると認識できる。
前者の立場を採ると、悪なる存在がむしろ触媒となり、その観察者の善性を刺激して、人の善性に気付き、神の愛に目覚めるきっかけとなる。
善なるものに悪が潜み、悪なるものが善を目覚めさせる。
悪が無くならないのは、悪にも意味があるから。
説明の付かない現象を、論理的に説明しようとするのは、虚無への恐怖があるから。
根源的な恐怖に対して、論理で立ち向かおうとすると、ますます追い詰められる。それに対して、勇気を奮って立ち向かうには、信念が必要だ。
神の愛とは、神を信じ続ける信念に基づく。
誤訳、誤植を指摘されてはいるが、それでも一読を薦めたい。英語が堪能な人は原文を。

2003
06/28
Sat

悲しくなるようなヒドイ訳文です

88.9% (32 / 36)
[No.3] posted by 松浦淳

 この作品は以前、新潮社から出ていた。今は創元社から出ているが、翻訳者も訳文も変更されていない全く同じものである。新潮社版を初めて読んだとき、私は首を傾げてばかりいた。意味が通じない部分がたくさんあったからだ。

 アマゾンで本を注文できるようになって最初に買ったのが、エクソシストの原本である。英文を読んでやっと納得した。この翻訳者宇野利泰はプロの翻訳者と呼ぶに値しないと。今はお亡くなりになられている。きっと彼は天国で深く反省し、今頃は一から英語の勉強をやり直しているだろう。

 エクソシストのこの日本語訳には、少なくとも100箇所以上の誤訳や省略がある。日本語で読んだとき、リーガンが笑うとよく口に手を当てたりするのだが(日本人には珍しくないがアメリカ人は普通しない)、原本には歯列矯正器が入っていることが何度も書かれている。それなら納得。しかし、日本語訳にはついぞ歯列矯正の言葉はない。

 屋根裏部屋を調べるリーガンの母・クリスのところで、『電燈のスイッチを入れると、何かが飛び跳ねているのが目に付いたが、彼女が足を踏み入れると同時に、身をひそめてしまった。』この文を読んだとき、どうして屋根裏部屋に『何か』がいるのだろうと不思議に思ったのだが、英文で読んでみると訳者が原文を完全に読み違えてトンデモナイ創作文になっていたことも解った。

 この日本語訳では原作者の訴えたい肝心なテーマを述べているところを、見事なほど完璧に誤訳を続けている。この日本語訳では作品を鑑賞することは全く不可能である。

2002
12/20
Fri

これを越ゆるホラーなし

75.0% (6 / 8)
[No.2] posted by setura99

ハリウッド映画のイメージを追うとがっかりします。これはある一人の神父の心の葛藤です。彼は神を信じられなくなった。そこへ悪魔憑きと思われる少女のエクソシストを頼まれる。しかし科学者としての彼は悪魔の存在は信じられない。悪魔憑きの症状をひとつづつ論理的に解明できることを証明していく神父。しかし、悪魔の存在を信じることができない彼は神を信じることができなくなっていく・・・。それでも彼を頼る少女、少女の母親のために悪魔おろしの儀式を行う。映画のワンシーン、霧に煙る玄関にたたずむカラス神父の姿は何度となく目に浮かぶます。その背中に背負ったたくさんの人の思いを含めて。

2001
09/03
Mon

映画と比べると

62.5% (5 / 8)
[No.1] posted by ポプシー

現在のホラーの記念碑。モダンホラーが好きな人には、必ず読んで欲しい作品です。映画のイメージが強いので、読んで見るとイメージがかなり違います。映画よりも、人々の交流が深く描かれていて、特にラストシーンでは、心が温まるものがあります。DVDのディレクターズカットに追加されているので、そちらもご覧ください。


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