- [著]秋田 浩之
- カテゴリ:
- 単行本 (350頁)
- ISBN:
- 4532352908
- 発売元:
- 日本経済新聞出版社 (2008/01)
- 価格:
- ¥ 2,310 (税込)
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面白かった、日中米外交の入門として最適?
なかなかニュースに出ない、話題に上らない、話が書いてあって、ためになった。
日本の政治家、首相の話があまりなくて、残念だった。
読んだ感想としては、もっと裏話があっていいと思ったので、あまり、世論を刺激しないようなエピソードを選んだんじゃないかな?と勘ぐってしまいます。
中国国内の話はあまり出てないです。アメリカ国内の話も出てません。
日本の話はもっと出てない。
中国とアメリカがじつは仲がいい?で日本はどうする?というのが全体の流れです。
この本は、結構分厚く、気楽に読むには厳しい本だと思う。
しかし、国際政治を政治のオリンピックだと思えば、このくらいの本は
間違いなく入門レベルだと思う。
この本を読んだだけで、日中米外交のすべてが分かるわけでは、決してないし、
本だけ読んでも分かるとは到底思えない。
政治というのは、難しいものです。
新聞臭がすごい
「米国と中国との狭間」で、という視点が強過ぎると感じた。
米国と中国の要人の日本向け発言集として読むほうが良いだろう。
(なので、この強気のプライシングはちょっと、、、)
筆者は、日本の影響力やオプションの自由度について過小評価していると思う。
中共への評価は、なんというか、日○出身らしい分析である。
最終章の「日本に残されたシナリオ」についても
閉塞感が漂う、何だか官僚あがりのレポートみたいである。
ただし、これは外交部局(外務省)とミリタリー(防衛省)が対等の力関係
にないという(近代自由主義国家では有り得ない)日本国の異常さが
炙り出されたものと解釈することもできる。
印象に残ったのは米国防総省の一画の主、
アンドリュー・マーシャルの台詞である。
「日本人のほうがずっと中国について分かっている。
私はいつも日本に聞くように言っているのだよ」
全世界規模で進行中の中共等の反日プロパガンダに
無策、どころかそれに乗じて利益を得ようとする輩さえ
駆逐できない現況では、マーシャル氏の言葉に
誰が回答することになるだろうか?
それが CHINA Throat の面々ではないことを祈る。
■で、何をすれば良いのか、かなり尻切れトンボです。
・いくつかのFact、発見はありました。(よって★は二つ)但し・・・
・著書の想定した、中国台頭に対する将来シナリオは以下の4つです。
−1.日米同盟を堅持・強化する。
−2.日中接近を進め、将来的に日中協商に近い関係を志向し、日本への危険を減らす
−3.自前の防衛力を格段に増強
−4.非武装中立に近い政策をとり、あらゆる紛争に関与しないと宣言。鎖国
→で、それぞれの可能性を軽く整理した上で、今できる必要な努力は
−日米同盟を堅持し、米軍をアジアに繋ぎ止める努力を払い、日中関係の悪化を防ぎながら、自前の防衛力も充実させる という、ちょっとお粗末な結論となっています。
・素人の私が書くまでもなく、それが出来ないから、さてどうするのか?って話じゃなかったのかって、と。専門家からは米軍が日本から徐々に撤退しつつある現状が報告され、イラクで手痛い失敗に懲り、また無資源の北朝鮮にできればもう関わりたくなさそうですね。中国は”日本がどう望もう”とも巨大な軍事をバックに、覇権国家としての揺るぎない地位を築きつつあります。その際、チベット問題のように少数民族に対するような暴力も言論封鎖をおこない、国内・国外へ正当化しますし、次は台湾でしょう。(起きてほしくはないですが、その次は沖縄=日本というは予想の範囲に入りつつあります。)
(またこの部分に対し、著者の楽観には呆れもしました。「ネット社会が中国都市部に広がり、中国にもいわゆるネット世論が生まれてきている」と。本当ですか???それが真実なら素晴らしいと思いますが、情報統制の外にいる優秀な留学生でさえ、チベット問題について国を批判しないのはなぜですか?
※2008/5/30追記: チベット問題ではネット上でもかなり言論封鎖されていた印象ですが、四川大地震ではあまりの影響の大きさ、不満の大きさに当局のチェックが追いつかず、少しずつネットに国民の本音が見え隠れしてきているようですね。日本の援助要員に対しても冷静な発言が若干見られるようです。日中雪解けのきっかけになるよ良いですね −追記終了)
最後に、日本国内においては、防衛力の一手段である”核”には依然、猛烈なアレルギーがあり、議論すら一切できません。(政治家が議論しましょう、というだけで首が飛ぶような言論封鎖に近いレベル。)
→このように、著者の整理した、今行うべき努力のどれもが”できない”わけです。その前提で、さてどうするか、どこから突破せよ、とアドバイスしてくれるのか?そのレベルの提言を専門家には期待しております。
警世の書
『暗流』は主にアメリカ側の政策決定者への詳細なインタビューを基に構成された好著である。確かに日中の政策当局へのインタビューがやや不足していたり、文献に基づいた分析的な記述が少ないきらいはあるが、それでも本書には一読の価値がある。
21世紀の東アジアは「国家が退場する時代」などではなく、新たな帝国主義とパワーポリティクスのせめぎ合いの舞台となろう。本書を紐解けば、東アジアにおいて日本がいかに困難な状況にあり、また多くの日本人がそのような問題を認識していないかを理解できる。
現在の日米中関係は日米対中国という構図であるが、中国の台頭とともに米中の距離は急速に縮まっており、いずれ日米中が等距離の関係になったとき、残念ながら日本の取りうる選択肢は相当限定されることになるという。
外交官、朝海浩一郎は頭越しの米中接近を警戒し続けていたといわれるが、それでも1971年の「ニクソン・ショック」を察知することができなかった。21世紀において第二の「ニクソン・ショック」が起きれば、現在の日本の外交・安全保障政策はほぼ破綻するのではないだろうか。
穏健な良識派の一冊だが突き抜けるものはない
アメリカの対中政策のくだりは直近のワシントン駐在経験を生かし、独自のインタビューからメディア報道の渉猟までかなり目配りがなされています。国防総省の知られざる戦略家、米外交の二大潮流、米中接近の法則など読ませるエピソード、知っておくべき見解も少なくありません。
「日米中」とせず「米中日」三国志としたあたり、日本に主体的戦略を求めることは可能かと言った問題提起も新聞記者らしいバランス感覚と現実主義を感じさせます。最近は外交ジャーナリストを名乗りながら、特定の大国の情報機関の走狗となったような本ばかり書く夜郎自大もいるので、今後に期待感を抱かせますね。ただ、中国側の情報は駐在時期が古いせいか、取材事情からか限界を感じさせますし、著者が最も弱いのは実は日本側の外交情報ではないかなと思います。
著者自身が認めるとおり、本書は切れ味鋭いノンフィクションには徹し切れていませんし、学術・研究書を名乗るまでの重厚さには欠けています。あえてその中間を狙ったのかもしれませんが、個々の材料は読ませる部分も多いのですが、一冊の本としての完成度は残念ながら不十分。そんな読後感が残り、惜しいなと思います。そこで★一つ減点。
「暗流」のタイトルもやはり舞台裏を深くえぐった外交ノンフィクションを読者に期待させてしまいますから、もう少し考えたほうが良かったでしょうね。★もう一つ減点。
ジャーナリストとしての凄みを感じさせる一冊
現代の東アジアの国際政治を米中日の三国の視点から描いた良書。著者は、三カ国語を駆使してインタビューを敢行し、本書を完成させた。巻末には詳細な脚注がついており、良心的な構成となっている。日米関係、日中関係のこの手の本は多いが、米中関係を現在進行形の形で真っ正面から取り上げ、かつなるべく客観的に叙述しようとする姿勢はジャーナリストとしての凄みを感じさせる。当事者のインタービュー記録は割り引いて考える必要があるが、現時点での当事者の認識・説明を活字として残したという点で、数十年後には別の資料的意味を帯びるかもしれない。図やグラフも丁寧に作られており、わかりやすい。
最終章において著者はいう「4種類のシナリオを並べてみただけでも、日本の厳しい現実が浮かび上がってくる。それは4つのうちのどのシナリオを選ぶか、残念ながら日本にはあまり裁量の余地がないということである」(284p)。今後の日本は、望もうが望まなかろうが、中国と米国に対応していかざるを得ないだろう。
