- [著]森 絵都
- カテゴリ:
- 単行本 (230頁)
- ISBN:
- 4652074743
- 発売元:
- 理論社 (2006/06)
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買いです。
こういう作品はあらすじや読みどころを書いてしまうと、楽しみが半減するので止めておきますが、遅ればせながら先日読んだ恩田陸の「夜のピクニック」を思い出しました。本作は主に中学生の視点を通して描いているので、若干全体的に軽めで、その分作者の手際の良さが際立って見えます。ただ、恩田陸にしろ重松清にしろ、こういう小説はうまくて当たり前なので、その辺が鼻につく人もいるかと思いますが、あとはお好みでといったところでしょう。しかし、この年代の混沌とした気持ちをストレートに描こうとして、結局安易な暴力的な表現に行き着くという陥穽に陥るくらいなら、こういったウマさを満喫するほうが随分ましという気もします。散漫な内容になってしまいましたが、そういった余計なことは普通読んでいる時にあまり考えないと思うので、本書自体について言えば、良い映画を観るくらいの時間で読了でき、かつまた同じような感興を味わえること請け合いの佳作だと思います。
うますぎるのが唯一の欠点
狙ったものを逃さない、計算しつくされたストーリー。わかっちゃいるのに泣いてしまいます。勇気と思いやりに満ちたラストもいいなぁ。
みんな宇宙のみなしご
題名に惹かれてたまたま読んでみました。
例えば主人公は、不登校の理由もないのにさぼりぐせがついて、先生からフトーコーといわれそんな気になり、でもおおごとになりそうなので、もっとも簡単な解決策としておとなしく登校します。
全編を通し、強い女子中学生だな、羨ましいな、えらいな、と思い、私も見習わなくてはという気になります。
宇宙の暗闇にのみこまれないために、あの手、この手で、遊びを生み出して来たのだそうです。
だれでも宇宙のみなしごだけど、心の休憩は誰にでも必要だと読んで、ほっとしました。
私は、昼間の屋根には登ったことはありますが、夜中は登ったことがありません。
大人が読んでも勇気が出る本だと思います。「そうだね。おもしろい遊びを考えなきゃね。」と言いたくなりました。
宇宙の必読書!
デビュー15周年で何かと話題の森絵都さん。彼女の著作の中でも三本指に入る好きな作品です。
本書を読んで感じたことは、たとえば、
・子どものたくましさ、子どもゆえの底力
・友だちの大切さ
・孤独に打ち負かされず、自己を確立していくことの意味
などであるわけですが、このように書き連ねるとなんとタテマエ的で陳腐なのでありましょう。その陳腐な柱に細工を施し、魅力的な物語に仕立て上げられているのが本書です。物語とは、つくづく、ディテールなのだなあと感じさせられます。人物配置の妙、エピソードの楽しさ、制御不能な感情の揺れのリアリティ、文章・会話のセンス、大人からのスパイスのような言葉・・・・・
印象深いクライマックスが用意されているのも本書の特長。タイトルにもなっている宇宙のみなしごのくだりは、忘れることができません。
このようなすばらしい本が、廉価版として刊行されるのは好ましいことだと思います。ひとりでも多くの児童・生徒の皆さんに手にとっていただきたいです。涙が出て、勇気が出て、元気が出ます・・・・・と断言はできませんが、きっと大切な一冊になると思いますよ。
