- [著]森 薫
- カテゴリ:
- コミック (210頁)
- ISBN:
- 4757734492
- 発売元:
- エンターブレイン (2007/03/26)
- 価格:
- ¥ 651 (税込)
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番外編も魅力一杯
身分違いの恋を描いて名高い『エマ』の番外編、その一冊目。
「夢の水晶宮」
若い日のケリーは晩年のケリーとあまり似てない気がするけど、どこか変な旦那が楽しい。
「ブライトンの海」
傷心まだ癒えぬエレノアと一本気なアーネストの出会い、その間で戸惑い加減のアニー。
(アニーさんかわいいよ、かわいいよアニーさん)
「The Times」
一部の新聞から浮かび上がる様々なドラマ。個人的には気のいいそばかすメイドさんがお気に入り。
「家族と」
ターシャの実家は大家族。ターシャは結婚できるのか?ターシャの粗忽は母親譲り?
エマとウィリアムが全く出てこなくても『エマ』の世界はこんなに魅力的。
森薫がいかに人物とドラマを丁寧に描いているかがよく分かる。
「TheTimes」
今巻でダントツ!白眉!なのがこのエピソード。
“新聞”“情報”という視点から、
当時の生活がリアルに描かれていたのではないかと思います。
森さんが描くマンガはマンガを超えて、「movie」のようですね・・。
思い出をもつということ
エマの番外編。第8巻、というのはおかしい。しかし、作品はよくできていて、私には「夢の水晶宮」がとくによかった。人は、昔の思い出、それも失われた美しい思い出に依って、その後の長い人生を生きていくことができるものだ。他にかけがえのない、濃密な時間を味わったことのある者にとって、その時間は短くとも永遠である。そしてこれが、エマが登場する唯一の作品である。「ブライトンの海」は。エレノアの新しいお相手が暗示される物語。本編ではまあ気の毒な役回りであったから、これは贖罪の作品か。それにしても、エレノアはまだまだ子どもであるし、取り巻きはどうも、彼女にとって有益な人々と思えない。ウマやシカに囲まれたお嬢様なんて、可哀想だが願い下げである。あとの2編はおまけといえる。悪くはないけれど。
他者に与えられた時の流れを
本編7冊を大人買いして読み終えて、
数日発ってからこの番外編だけ購入しました。
まさか番外編でここまで心を打たれると思ってなかった。
若かりし頃のケリーとダグの睦まじい姿
その後のエレノアが越えてみせそうな失恋の壁
当時の新聞が見つめた人々の日常
ターシャの選んだ道
どれをとっても、短い話が意外な程上手くまとめられていて
この番外編だけでも十分な価値はあると思います。
言葉にするには足りません。
エマ本編で描かれなかった、他のキャラの過去であり未来である
時の流れを
作者の圧倒的な筆力で堪能させて頂きました。
最後に、
失恋を越えひとつ大人になったエレノアの
純粋に美しい笑顔に、本編でもやもやしていた
「彼女の救済」がこの番外編で行われたのだと
私が救われました。
彼女はきっともうあと10年位したら
ウィリアムとのあの過去の出来事を
微笑みながら思い出すことが出来る人になるんだと思います。
次回作も期待大です!
「夢のクリスタルパレス」が秀逸
ダメじゃん。出版社/著者からの内容紹介 で大オチのネタバレしちゃ。
というわけで、この本は取り合えず書評を読まずに買って、「夢のクリスタルパレス」を読んでから、書評を読みましょう。
その美人はだれだっ?!! えぇっ!! という状態になることうけあいです。
ちなみに、若奥さんが美人なのは、旦那が奥さんを見つめ続けている描写があるからです。あれ無しでは、美人度20%減間違いなし。
というわけで、短編集ですが、本編で十分な説明がなされているため、要点がパシッと決まっていて、とても濃い内容なのがよいです。
お屋敷から下町まで
全編に森さんの「ここが大事なんです!」との声が聞こえてきそうな一冊。
特に「THE TIMES」が素晴らしい。
こどもに読ませるにはちと困る(我が家の場合、四歳児がそばで読みたがる事があるため)ヴィオレッタ嬢の登場シーン(私は好きだけれど)を除いて、往年の「名作劇場」を思わせる間を持つオムニバス作品。
一部の新聞を縦糸にお屋敷の内外から下町まで、ヴィクトリアンの空気に満ちていて好きな人にはたまりません。
ターシャを主に据えた「家族と」もいい。
60代・50代のマンガに馴染みのない方でもディケンズなどに親しんだ方ならきっと楽しんでいただけるかと。
番外編
ケリーとダグの若い頃が読めます。
ケリーも若い頃はあんなに美人だったのですね。ダグも結構かっこいいです。
クリスタルパレスに行くためにこっそりとお金を貯める健気なケリーに興奮してしまうダグが良かったです。
本編では無残に捨てられてしまったエレノアですが素敵な方と出会います。
当時の水着ってあんなのだったのですね…知りませんでした。
Times誌にまつわるお話が意外によかったです。
ヴァイオレットさんも出てきます。
最後にターシャが実家に帰るお話が収録されているのですが、ターシャ実家では相手にされず(笑)
番外編でエマとウィリアムの続きが読みたいです。
ふたりの子供ってどんな感じなんでしょう…
愛しいという視線
本編の外伝。
圧巻なのが、ケリーの新婚当時のお話。
賢者の贈り物風の前編とくらべ、後編のダグの視線の描かれかたがすごい。
これは誰でも経験があると思うけれど、好きな人とデート中、例えば展覧会で相手が展示物を見て喜んでいるのをみるのがなにより嬉しかった、そんな記憶ないですか?
そういう時の視線の動きが、リアルに表現されているんです。
ダグのケリーのことが好きで好きでたまらない、そんな気持ちをト書きや台詞ではなくて、視線で表現してるんです。
流石、20代前後(マリア)のヌードと経産婦(ドロテア)のヌードを描き分けただけのことはある。
ウィリアムなんぞより数段男前の御仁をGetする?エレノアのお話も、名前すら出てこなかった「料理の前に人は対等」と発言した料理人のおねーさんのその後のお話も、とっても面白いのですが、ダグの視線の書き方には負けると思うの。
意外なほどよかった
エマ本編終了後の外伝的な位置づけ…であるが、案外本編よりも面白かった
かもと思ってしまった。
特に、エマの救い主であるケリー奥様の若き日と万国博覧会のエピソードを
絡めた「夢の水晶宮」は当時の世相も反映して素晴らしいできばえ!
(いやぁ奥様、昔は美人で糟糠の妻…やりますなぁ!)。
エレノア、ターシャをモチーフにしたストーリーも登場人物の魅力を引き出した
素晴らしいできばえ。
いっそエマシリーズから外して、ビクトリア期の貴族・庶民をオムニバスで
描き続ける別シリーズがあっても良いのでは、と思わせる素晴らしいでき
だった。
ちゃんとしたドラマになっている
時代背景をきちんと把握して、ストーリーやプロットを練って、コマ割やページ配分などもきちんと計算して、それでまじめに書いている感じがする。読んでいて非常に心地よいし、何度も読み返す価値がある。ちゃんとストーリーやプロットなどが各話に存在し、メイド萌えのためのコミック以上に、ずっと深い作品に仕上がっている。威圧的、押しつけ的ではなく、読み手がストーリーや時代に入っていく余地があり、色々な感想や感情を抱く余地があり、そういうものを受け入れられるだけのしっかりとした漫画になっている。予想以上にすばらしかった。
