ファストフードが世界を食いつくす

  • [著]エリック シュローサー
  • [翻訳]楡井 浩一

カテゴリ:
単行本 (381頁)
ISBN:
479421071X
発売元:
草思社 (2001/08/09)
価格:
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アメリカにファーストフード産業が誕生した社会的背景から、この業界の成長にともなって大きく変化した社会や食品業界を、現役記者が入念な取材をもとに描き出した衝撃の書。

なかでも驚かされるのは、アメリカの精肉加工現場の衛生観念と、ずさんな労働管理の実態だ。生産されるひき肉の47パーセントがサルモネラ菌を含んでいることが判明した工場、就業中の事故による椎間板損傷を「軽いケガ」ですまそうとする会社側。「サルモネラ菌は自然の生物であって、混和物ではない」という会社の主張が連邦裁判所で認められ、工場の閉鎖が1日で解除されるという事実からは、先進国とはほど遠い業界像とアメリカ政府の認識の甘さが浮かび上がる。

ファーストフードはおろか、牛肉を口にすることさえためらわれるような生々しい事実の数々。対岸の火事とは思いながらも、お昼に食べるハンバーガーの中身を勘繰りたくなる。(望月真弓)

2008
07/03
Thu

食の安全を叫ぶなら、これを読んでからにして!

100.0% (2 / 2)
[No.47] posted by ハルマキ55

読み進めるうちに気持ち悪くて何度も吐きそうになった。
ファストフードを食べると、必ず嘔吐下痢を繰り返す自分の体質がおかしいのでないかと思っていたが、この本を読んで、どうして今まで体調を崩していたのかわかったように思う。

マクドナルド用に飼育されるチキン、かごの中で異様に胸肉だけ大きく自分の足で立てない鶏。こんなものを食べて、病気にならないわけがない。O-157にまみれたミンチ肉、血まみれ、腸からの汚物をかぶりながらの食肉加工工場。安くて早くておいしいファストフードを「バリュー」と呼べる裏側にある真実が、あからさまに描かれている貴重な本だと思う。

この本を読んで半年あまりが過ぎたが、ファストフードを断ち、菜食・魚介類食に転向した。体調はすこぶる良く、肉を食べたいと思うことすらなくなった。食肉加工のシーンが頭によみがえり、肉売り場からは自然と足が遠のき、フライドポテトに使われる、中毒化させる味付けと化学調味料を考えると、誘惑されるあのいいにおいに対しても、怖くて手を出すことができなくなった。

食の安全が叫ばれる今こそ、この本を読んでほしい。産地偽装や、使いまわし、毒餃子より、数百倍もこちらのほうが怖いはずだ。

2008
02/27
Wed

日本のファーストフードや牛丼チェーンは安全なのか...?

57.1% (4 / 7)
[No.46] posted by hfuka

20世紀後半にアメリカ発で世界を席巻するに至ったファーストフードチェーン。なぜチェーンのハンバーガーは美味しいのか、なぜフライドポテトは香り高いのか。そして、なぜかくも"安い"のか。
  本書は主としてマクドナルドを、世界的ファストフードチェーンの典型例であることと、米国牛肉加工産業や食品安全行政における発言力の大きさの両面から、本書の中核として取り上げ、丹念に取材と調査を積み重ねて、その大衆受けするメニューの「闇」の部分をえぐりだして行きます。米国における劣悪な牛肉加工業界の安全・衛生管理体制、知られざる"香料"ビジネス、食肉業界と行政との間の癒着体質、米国以外の国におけるマクドナルドの活動等にも鋭く切り込みます。日本のマクドナルドにも僅かではありますが触れられています。
  私が読んだのは英語版原書"Fast Food Nation"の2002年版です(日本語版は読んでいません)が、最後に一章を設け、本書を最初に世に出してからの米国における本書への批判(つぎはぎの調査内容を羅列しただけのもの、とか、共和党批判のバイアスがかかっているのではないか等)について、著者の反論が冷静に述べられている点は、ジャーナリストとしての著者の"プライド"と"バランス感覚"を感じさせられました。また、豊富な注釈、引用文献の一覧が巻末に収められている点も好感が持てます。ぜひ全国のお母様方や、教育・食品業界関係者にお読み頂きたい一冊です。英語版は、高校3年生程度の英語の知識があれば、辞書片手に割りと楽に読めると思いますので、学生さんにもお勧め致します。
  なお、本書では、著者も認めていますが、豚肉、鶏肉については意図的に触れられていません。しかし、そのために却ってテーマが拡散せず、本書のわかりやすさにつながる結果になったのではないかと思いました。 
  個人的に面白かったのは、ナチス時代にユダヤ人等迫害の舞台の一つとなったドイツのダッハウ強制収容所跡地を訪れる人々を目当てに、そのすぐ近くに出店し、パンフに"Welcome to Dachau, and Welcome to McDonald's"と記して宣伝して、関係者の大きな批判を買った、というエピソード。マクドナルドの看板"Golden Arches"の威力はかくもすさまじい...そしてアメリカの保守・右派が掲げる、"市場原理主義"のなれの果ては...
  食の安全について考えさせられる、傑作ルポルタージュ。日本の牛丼チェーンなども大丈夫なんでしょうか...? 文句なく五つ星としたいと思います。

2008
02/23
Sat

食の工業化

40.0% (2 / 5)
[No.45] posted by 読み太郎

どこの店でも同じ味を楽しめる「マクドナルド」の裏舞台を、歴史、生産者、店員などの様々な視点から書いた本です。

「マクドナルドの味を懐かしく感じる」
「初めての土地に行ったときマクドナルドをみると安心する」
「子どもが、マクドナルド大好き」

こんな思いは全てマクドナルドが仕掛けた戦略。
この戦略の裏には、人間の尊厳を失うようなシステム化があります。

食肉の生産者の自殺。マックナゲット用に飼育された鶏。小学校5年生でもわかる接遇・生産マニュアル。

現在の社会問題の多くはマクドナルド的な思想が根本となっているのかもしれませんね。

2008
02/11
Mon

現代人のバイブルです!

20.0% (3 / 15)
[No.44] posted by 芋

マイケルムーアの作品に影響されたり、アメリカ嫌いだったりする人は安心して読めるでしょう。スーパーサイズミーもお勧めです。資本主義が嫌いになったのなら、100年少し前に良い本が出ているのでそちらをお勧めします。
まともな大学教育を受けたか、この手の「調査」に耐性のある人なら、「またか」と思わされるだけの本です。

2008
02/11
Mon

考えさせられる

66.7% (4 / 6)
[No.43] posted by 信州信濃の新そばよりも

今度、『Fast Food Nation』として映画が上映されると聞いて
途中までだった本を読み返しました。

正直読むのにエネルギーが要る本です。

しかし内容もそれだけ濃厚です。
ファーストフードといえば、健康被害だけが捉えられがちですが、
この本では経済やら犯罪やらに及ぼす影響にまで言及が及んでいます。
この本を読んだ後には、安いなどという理由で
ハンバーガーをただ盲目的に食べることはまずなくなるでしょう。

2008
01/29
Tue

映画「ファーストフード・ネイション」の原作本!

75.0% (6 / 8)
[No.42] posted by ブルーベ・リー

 ノンフィクションで分厚いながらも読み物として大変面白く、活字も大きめです。

「ファーストフード・ネイション」に出演しているアヴリル・ラヴィーンの愛読書として知られる本書は、
ドキュメンタリー賞を受賞した映画「スーパーサイズ・ミー」にも、多大な製作意欲を与えています。

 私たちの食習慣において、アメリカから受けた影響は計り知れませんが、
今現在アメリカが抱えている問題(肥満や健康障害、美容整形手術も含めて)も、同時に受け入れていると言えます。 

 これからの食生活を考える上でも、「ファーストフードが世界を食いつくす」を先に読んだ後で映画を観ると、
より深い理解と反映に繋がるのではないでしょうか。

2007
12/12
Wed

ファーストフード産業から垣間見える別世界と我々のこれから

84.6% (11 / 13)
[No.41] posted by foxtrot

これはファーストフード(FF)を食べる食べないの問題ではないと思う。
FF産業を支える背景には、工業化された動物の生産管理、想像を絶する食肉加工処理とそこで働く人々の過酷なまでの労働環境、農業の工業的寡占化と消え行く地場農家など、我々の想像を超えた別の世界が垣間見える。そして子供をターゲットにした企業戦略

「肉を食べるな、菜食主義者になれ」と主張するつもりは毛頭ない。我々が生きていくためには、ある程度やむを得ないことである。しかし、問題は「我々が生きていくために本当にここまでする必要があるのか」というほど、我々のエゴの大きさを感じずにはいられないことである。

また、我々が大量生産・大量消費をする一方で、今でも世界では8億人以上の人が飢餓に苦しむ現状をどう受けとめればいいのか。遠い国のことと割り切ってよいのか。

このような現状(エゴ)は続けられるのだろうか。本書では「21世紀は間違いなく、行き過ぎた企業の力を削減する戦いとなる。(中略)市場における効率性と非道徳の間で、如何にバランスをとるか」(P364〜)と述べている。最後は我々の倫理観に委ねられるのかもしれない。環境問題も同じだと思う。

関連するテーマでは"Earthlings"というドキュメンタリーが参考になる。(you tube等で動画検索可能)

最後にネット上で見つけた印象に残った言葉を紹介しておきます。
"国の偉大さ、道徳の発展は、その国での動物の扱われ方で判断できる。" Mahatma Gandhi
"動物を虐殺している限り、人間はいつまでたっても殺し合っている事だろう。" Pythagoras
"もし食肉処理場がガラス張りだったら、みんなベジタリアンになるだろう。" Paul McCartney

2007
09/23
Sun

自由の象徴の裏側に何があったか?

16.7% (2 / 12)
[No.40] posted by 眠り姫

マクドナルドやピザハットなど、ファーストフード業界の成り立ちや、農業も含めた食品業界が工業化、効率化し、オートメーションを導入することによって、社会にどのような影響を及ぼしたか、地域の住民の生活はどのように変化したか。そして、それは全て肯定できる変化だったのか。多くの人が見過ごしており、政治家や役人は見て見ぬ振りをし、企業のみが巨額の利益を手にし、消費者は蔑ろにされ、そして多くの労働者が搾取されている食品業界の病根を白日の下に晒した功績は計り知れない。今、日本でも、八十年代以降の農地の大規模化、大資本による効率経営の導入が、最終段階に来ており、政府は零細農家(零細農家なくして、農業経営は成り立たない。)を切り捨てて、大規模且つ、経営効率優先、利益至上主義の株式会社化を完成させようとしている。日本に於ける農業の衰退は、GHQ主導の農地自由化、小作農の小規模自作農化、農業協同組合の詐欺的で杜撰な経営、それに付け込んだ農水省、役場他行政と、農業機械、農薬、農業資材など関連業界、企業などの犯罪的な利益至上主義と、農家自身のあまりにも無知で愚鈍な盲従とが生み出したものである。農業こそ国家の基盤であり、農業ほど高度な知性が要求される職業は他にない。己が持つ、観察力、洞察力、判断力、決断力、実行力、全ての力を搾り出し、常に自己革新していかなければ、農業経営は成り立たない。一人でできることではなく、家族を初め、社会全体が協力しなければならない。ところが、現代社会に於いて最も蔑まれ、最も貶められた産業が農業である。一方で我々は、口に入る食料の安全性に無頓着であり、工業化がもたらす画一化や、自然環境の破壊、小規模農地の荒廃、農家の衰退を他人事のように無関心に聞き流している。そして、昔からの良質な農地が急速に失われる一方で、農地に適さない土地が、無理やりに農地として開発されている理不尽で非合理的な暴挙にも沈黙を守っている。最早日本の滅亡は、決定的であり不可避である。

2007
08/28
Tue

学校の教科書にも取り上げるべき話題

83.3% (10 / 12)
[No.39] posted by よっす

各章立てで、いろいろな側面からファーストフード業界に迫っています。
各章の見出しはあいまいな表現になっていますが、内容は
マーケティング戦略、店舗における効率化、香料、大手精肉業者による独立牧場・肉牛価格の実質的な支配など。。

そこで語られる問題は、ファーストフード業界だけに当てはまるものではないものも多数見受けられます。
例えば6〜8章は、アメリカ牛食肉業界のルポとも読めます。
牛食肉業界と関わりあいのある食産業の暗部や、政治との問題にも触れており、興味深い報告が多数読めます。

本書を読む限り、アメリカ食肉業界はほんとうに悲惨な状況です。。
このような状況な限り、アメリカ大手食肉業者の関わった肉など、とてもじゃないけど口にできません。
(アメリカ産牛肉を食べることは、ともすれば自殺行為に思えます。。)

あと、本書に登場するアメリカ大手企業の自己弁護能力にびっくりします。

2007
08/24
Fri

食の安全を考える一冊です

94.1% (16 / 17)
[No.38] posted by 河岸宏和

HACCPを(Hazard Analysis and Critical Control Point)と言わずにHACCP
( Have a Cup of Coffee and Pray;コーヒーでも飲んであとは祈るだけ)と皮肉
っています。

 マクドナルドなどのファーストフードは香料、特に牛肉の脂の匂いを付けて美
味しさを子供の頃から脳に焼き付けていると説いています。日本でもカップヌー
ドルの匂いを嗅ぐと何故か食べたくなるのと同じ事です。チキンナゲットもチキン
と言えばヘルシーな気がしますが決してヘルシーな食べ物ではありません。

 ファーストフードで安い牛肉を手に入れるために、本来守らなければいけない
コンベアのスピードを上げてしまってO-157などを防ぐ手だてを取っていないと
説明しています。食の安全を考えるときに是非読んで頂きたい一冊です。


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