- [著]ジェームズ R・チャイルズ
- [翻訳]高橋 健次
- カテゴリ:
- 単行本 (432頁)
- ISBN:
- 479421538X
- 発売元:
- 草思社 (2006/10/19)
- 価格:
- ¥ 2,415 (税込)
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世に浜の真砂が尽きるとも…
世に浜の真砂が尽きるとも…事故がなくなることはないだろう。
しかし事故は防げるものだということも真実だ。多くの事故が同じような類型や過程が繰り返されているからだ。スリーマイル島原発事故のように、昔から繰り返されてきた蒸気ボイラーの圧力弁の固着と熱暴走が引き起こしたものだし、同時に、そのものの事象が目に見えず計器に頼った判断が人間の認知を固定させてしまい他の原因に思い至らないようにしてしまう(「認知をロックし固定する」)現象は、幾多の航空機事故を引き起こしてもいるという。
身のまわりや自分自身の日常の失敗にも通ずることばかりで思わず暗澹としてしまう。世の中では事故というと、自分のことは棚に上げてすぐに犯人さがしをして特異な個人の責任にしてしまうが、事故というのは日常的な人間心理や集団錯誤と隣り合わせなのだ。
豊富な事例と多岐にわたる示唆が面白い。あまりに、各種の事故が登場し、時代を超えた類似例が飛躍し交錯するので、読んでいて多少疲れる。体系的、権威的、追求的でないところが読み物として良い面でもあるが、人間ドラマや真相究明的な「事故もの」を期待する向きにはややわずらわしくもあり物足りなくもある。
誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたのか。
飛行船墜落や原発事故、毒ガス漏出や原発事故から高層ビル倒壊まで50あまりの事故を子細に紹介、誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたか、巨大事故の人的要因とメカニズム、人的・組織的原因に迫る良書。
でも結局、最悪の事故に遭遇したときに一番重要なのは「最後の最後まで諦めないことが大切」って言うのには正直苦笑したけど妙に納得w
それでも教訓を生かせない私たち
取り上げられている事故例は本書紹介に詳しいが、
これだけ科学技術が進んだのに、
こんな悲惨な事故が後を絶たない……
ではなくて、科学技術が進んだからこそ、
よりいっそう大きな事故が増えている
と著者は説く。
複雑化したシステムと
巨大化したしたマシンパワーの世界は
著者のいうまさにマシンフロンティアと呼ぶに
ふさわしい場所に違いない。
普段、制御されていると信じ切っているものが
いったん、異常な方向に走り出すと、もう誰に求められないのだ。
どんな事故も、少しのミスから始まっている。
そのミスが想像もできない偶然と重なって大事故になっている。
確率でいえば、どんなに小さくてもそれは起こる。
それは、当たらない宝くじがないのと同じだ。
時間はかかっても、いつかは起こる。
それなのに、過去の教訓を生かせないのが私たちなのだろう。
ここに書かれた教訓の一部でも生かせたら、防げた事故も数多いと思う。
乗客106名が亡くなった尼崎脱線事故もその一つに思う。
非常に学ぶべき点が多い本書だが、
文章だけではわかりにくい点も多く、
読みやすさの点で★3とさせてもらった。
同書を元に、ディスカバリーチャンネルで
シリーズが作られたという。
本書を読む前に、こちらを観た方が理解が早いかもしれない。
事故事例と防止事例
多くの事故事例を記録しているので参考になる。
しかし、本当の事故原因や、真因は関係者でないと分からないかもしれない。
経営者と現場の技術者では知っている事も違い、見えるものも違う。
立場によって、真因は一つではなく、さまざまであるかもしれない。
一つのことだけを原因にしてしまうと、その担当だけががんばればよいことになる。
いろいろな仕組みで防止するようにしていれば、それだけの仕組みの関係者が努力する必要がある。
しかし、仕組みが多いと、ここでめこぼししても、あとで検査するからいいと、いろんな人が、事故を防止することができるのに、他人まかせにしていることによって、事故が再発してしまうという視点がどれだけ貫けているかが課題ではないだろうか。
事故の紹介があるが、
毎月発行される「コールバック」の紹介があるが、
個々の事故の根拠情報を示していない。
あとがきには、
shippai.jst.go.jp/fkd/Search
の紹介と、
asrs.arc.nasa.gov
がある。
また、ヒストリーチャンネルでテレビシリーズ化され、DVDとして発売とのこと。
愛知県春日井市図書館所蔵。
多くの事例から事故のエッセンスを導き出した書
現代社会を支える巨大で複雑なシステムは電気的、機械的/作業面での複雑さをはじめ、
化学面(爆発、毒性)での危険性を大なり小なり備えたものが多くあります。
本書では、産業革命後に飛躍的な発達を遂げたこれらのシステムが引き起こした事故を例にとり、
詳細に事故が発生した経緯を追い、科学的に現象を解明することで、なぜ、どのような状況
(天候、時刻、土地、人員、疲労、周囲からの圧力、システムが内包する不良など)で、どのように
システムが制御の範囲を超えて事故が発生ということを、「もし、この段階でこのように
対処していたら…」という可能性も含め、深い考察がされています。
「人間の限界が起こした事故」や「事故の徴候を感じ取る能力」などのテーマに沿って各章には
多数の事故例が並びますが、上記の考察を元にそれぞれに事故を起こさないための教訓を
引き出し、私達の周りにあるシステム(例えば、自宅の乗用車)がいかにして制御不能に陥るか
(または、制御不能と感じるか)、ということを心理面から探ったりする試みもなされています。
特に注意すべきは、システムの複雑さやサイズに関わらず、事故の本質は昔から全く変わって
いるわけではない、ということです。例えば、1900年にケンタッキー州で発生した蒸気
機関車の事故は遅れを取り戻そうとして暴走した事例であり、この事例は数年前に発生した
JR福知山線の事故にも本質的に通じるものがあり、事故の本質を問うならすべての事故は
防ぐことが可能であるともいえるのではないか、ということを本書では述べていると思います。
日常、複雑なシステム無しには生きていけない時代であるからこそ、工業界に関係する人
だけではなく、複雑かつ巨大なシステムと生活を共にする現代を生きる人には一読し、参考に
していただきたい書だと思います。
一般人は科学技術のユーザーなのだから
技術ライターの著作が多くの事故をざっと分類してそれぞれの原因ごとに語るて感じ
これだけだと資料が少ないので、各事故の詳細に関しては別の手段でね
たとえば郵便飛行機の事故率が高いってのが分かったので出した法令
「郵便パイロットが要求すれば命令を出す側が同乗すること」
結局は上が馬鹿なら現場の努力も報われないってこと
国民必読の本だとは思われるのであるが技術に興味ある人が読むのに止まるであろう
くだらない精神論を振りかざした経営本の類が本屋の棚を埋めている現状を見るとねえ
本当に必要な意志決定をする側(当人にはその意識はない場合も多々あるが)は
実はこういう本って余り読んでいないんじゃないのかなあ、と
まあこの本をさくさく読んで(*'Д`)ハァハァして中身を理解できる
それなりに経験値も積んでおかなくてはいけないんだけどな
要するになんかの分野でヲタになっておかないとってわけ
それはそうと、アメリカの事例が多いんだけど軍隊って人材の宝庫ですな
リッコーバー提督がその筆頭にあげられるやもしれないが
あまり安全に関わることがない一般人には意味のない本か、といえばそうでもない
飛行機に対しての客、アポロ計画の成果に対しての納税者
そういう立場では万人等しく常に「安全」と「便益」の買い手でも有り続けるわけだ
となれば他人事でいられない。いわゆるステークスホルダーってやつだ
飛行機が天候た機体トラブルで欠航になってもその機長の専門家としての判断は尊重する
プロジェクトを遅らせるような慎重な決断はちゃんと理解して受け入れる
そういう良い「客」であることが結局は長生きの秘訣でもあるのかな、と
産科崩壊のような儚い巨大システムの崩壊が続いている中で
我々三等兵じゃなかった娑婆の一般人も覚悟を決める必要がありそうだ
自分に置き換えて、あれやこれや実感中
簡単な読み物と甘く見たら、いろいろ責められ中。
現場のうっかりや怠慢ではなく、巨大な事故はそのシステムの設計段階で無理が
ビルトインされていること、緊張が走りあちこちで警報が鳴り響く中で現場の
オペレーターが「何が起こっているのか」を判断するには無理があること、多くの
ギリギリで回避された事故では、対処する人間と判断する人間と責任を取る人間が、
きっちり機能で分けられていたこと、などなど、とても示唆深い内容が、ドキュメント
仕立てで説得力を持って語られます。
自分の日々の業務も、あだやおろそかにしちゃいけませんなぁと(当たり前だが)深く
自戒しましたよ。
一人一人が、あたりまえのように会社で(自分的には生活を維持するために)普通に
与えられた業務をこなしていくことが現代社会を維持しているのだなと、直接そうは
語られなくとも、強く説得され中です。
あと、技術は、その技術を可能にした(科学)理論よりも、現場で運用するなかで蓄積
された実績の中から発展していくんだね、ということも強く実感中。
技術(システム)は、科学(システム)とは、もしかして機能的に分化しているのかも。
クライシス時代の常識
日本版の題名からは、事故責任追及の評論のような印象を受けるかもしれないが、本書の内容の90パーセント以上は過去の致命的な事故を物語風に述べた紹介で、一般の読者にも読みやすくなっている。採り上げられた事例は欧米を中心に約150年前から現代までの間の、近代的なシステム(マシンシステム)に発生した「最悪な」と思われる事故二十数件を採り上げている。
著者はこれらの事故の状況を紹介しつつ、事故の際にシステムがどのように作動し、それに遭遇した人々がどのように行動し、それらの人々が係わったグループ(組織)がどのように対応したか、またそれらの関連についても述べている。さらに、これらの事故に対処するため、事故に遭遇した人に期待される「知識と経験と意思」についても述べている。その意味では、本書はクライシスの時代に生きる我々にとって重要な知識と考えなければならない。
ただ、本書に採録された事故事例を材料とした著者のコメントはかなり控えめであり、強く主張されてはいない。我々は、最終章まで読み終えたら、あらためて最初のページから検証しつつ読み直し、これらの事例について、自分自身で評価、分析し結論を下してみることが必要であろう。
ゾッとする
作者は私たちの周辺のテクノロジーを総称して「われわれのマシン」と呼んでいる。
「われわれのマシンのサイズとパワーは桁はずれに大きくなったが災害の引き金を引くには
さほど大きな力を必要としない」という一文はハイテクに守られている現代の脆さに対する
警告が込められている。
原子力発電、ジャンボジェットなどの交通、工場、スタジアムなどの様々な例が挙げられ
事故が起こるまでのプロセスが克明に記されている。
星4つにしたのは、図と本文の連動性が少し足りないと感じたから。
内容については、敬服する。
終盤に出てくる1900年にミシシッピで起こった蒸気機関車の衝突事故の原因が、あまりにも
JR西日本の事故と一致していたのには戦慄した。
本書はこれから起こることも予言していると思う。
物は壊れる、、、
そもそも単純に考えると全てのものが
疲弊していく。
そのなかでの対処によりどれだけの
人ゃ地域や乗り物などが危機から脱却できるのが
テーマである。
人類は英知をよせあつめ危機と対決する様が
いろいろ分かりやすくかかれている。
悲劇はいつも隣にいるものだ 気をつけよう
一読推薦!!
