- [著]横田増生
- カテゴリ:
- 単行本 (295頁)
- ISBN:
- 4795843422
- 発売元:
- 情報センター出版局 (2005/04/19)
- 価格:
- ¥ 1,680 (税込)
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これが潜入レポ?
潜入といってもアマゾンの配送センターのアルバイト。しかも筆者自ら認めるアマゾン社会の底辺の底辺「ピックアップ」の仕事を数ヶ月やっただけ。
こんな潜入ルポでアマゾンの全体像やホントの所がわかる訳も無い。
案の定、出てくる話は、アルバイト視点の職場報告とアルバイト同士の噂話がほとんどで、信頼性とか中立性が乏しい。
肝心のアマゾンシステムの話は推測やら人づての話のみ・・・
立ち読みか図書館で30、40分見れば十分でしょう。
読ませる
アマゾンの配送センター潜入ルポ。わずか数年のうちに丸善や紀伊国屋を脅かすほどになったアマゾンだが、そのシステムの完成度や急成長の背後にある「影」の部分、端的に言えば、使い捨てられるバイトの労働条件の劣悪さと希望のなさを、自らの潜入体験によりよく伝えている(格差社会の文脈に接続する話だと思うがここではこれ以上触れない)。
本書は読み物としてできがよい。著者はある分野ではエキスパートらしいが、自分が無知な分野については、たとえば「こういうのは違法ではないのだろうか?」のように、素人っぽさを決め込んでいる。これもとっつきやすい理由かもしれない。潜入ルポ中に著者が新情報を得たとき、読者はそのうれしさを共有できる。ここまでばらしちゃっていいの?とハラハラするような気持ちもあった(たとえば倉庫になぜかあったブックオフの箱。なにやら謎めいた関係があることも示唆している)。
アマゾンは取次ぎへの返本率が究極に低いと本書は言う。通常は出版社や取次ぎなど「上流」のほうが立場が上とされ、「下流」たる販売店は弱いものだが、超優良販売店のアマゾンはそれを「逆流」させる実力があるようだ。これをきいたとき、アマゾンなくして日本の書籍流通が既に語れないレベルくなっていると思った。
続きが読んでみたい
読みやすく、着眼点もおもしろいのですが、潜入ルポで下層階層の悲惨な現状を暴く影の面と、
躍進するネット企業とそれを利用する富裕層である光の面、それぞれ両者共に書き込みが今ひとつ踏み込めていないかなと思います。
読み物的にはあくまでそれぞれ(光と影)の入門編的な形で終わってしまってちょっと残念です。
アマゾンサイドの取材が難しいのであれば、影の面へのもう少し突っ込んだ取材(登場する中年男性アルバイトの書き込みとか)
すれば逆に光の面も浮き出されたのではないかと思います。(逆に富裕層のアマゾン利用者の実態とかも)
初版が2005年ということなので、その後の光と影の軌跡を追った続編とか読んでみたいです。
我々消費者も共犯者
まず最初に「アマゾンを叩きたい」という目的があってそこから取材がなされたのだろう、と勘ぐりたくなるくらいバイアスが掛かっている。どの業界のどの業種でも末端の単純労働というのは過酷なものだと思う。確かにそれは、告発すべき社会問題なのだが、一企業を名指しして行うのは如何なものか(アマゾンの秘密主義というのは問題とは思うが)。
昨今の労働環境の劣悪化の背景には「消費者の便益」を旗印にした、グローバル化や効率化といったマクロの政策転換がある。現代社会においては、企業に過剰な便益を求める我々消費者自身も共犯者(同時に潜在的な被害者)なのだ。
利益の裏側が見られます。
アマゾン・ドット・コムの心臓部である物流センターの潜入ルポルタージュ
アマゾンと言えばもはや日本最大の本屋さん。
しかし売上も利益も公表しないのは現在も変わらず秘密主義なので現場でアルバイトをするというインサイダーでさえ具体的な数値がわからない徹底ぶりの謎の企業のひとつ
アマゾンは良くも悪くも米国を強く感じられるニューエコノミーでしょう。
市川の物流センターでアルバイトをやればアメリカ型の階層化社会なんかは身を持って知ることのできる機会とも言える。
読んでみて気になったところがあって、P.78のアルバイトだけでなく本体のアマゾンも日通も長続きしない話の続きにある業界関係者のくだり
「アマゾンは正社員の定着率もよくないですからね。とくにできる人ほど独立したり、ほかの会社に移っていきます。それを見ると、つくづくアマゾンは人よりシステムでもっている会社なんだなあと思います」
それと本も終わりに近づくP.253のアマゾンと取引のある業界人の
「リアル書店が農耕民族なら、アマゾンに代表されるネット書店は狩猟民族のようなものだ」
いま日本の代表される大企業の多くはアマゾン化してきているし効率化された世界の流れがそれであるのも間違いない。
でもアマゾンのワンクリックで商品を便利に購入する向こう側では
人間らしさからは程遠い労働環境の悪い人達も必ずいる事実でもある。
そしてこれが当たり前と思えるような最近の風潮を感じずにはいられないし格差社会の真実はこういうところなのだと思えてしまう。
アマゾンを批判する暴露本だと思っていたけれど現代社会をうまく捉えたルポです。
「IT」の括りもおかしい
時給900円で「酷使」される流通センターを実態を通して「IT」企業であるアマゾンを「階層化」という切り口で暴露するかと思われたが、視点もフォーカスも散漫すぎる。時給900円で夏の直射日光を浴びて笑顔で接客する東京ディズニーリゾートのキャストだって、ヒマな日は早めに返されるし、入場者予想が低い日は稼働時間を“調整”される。アマゾンの流通センターのいったいどこが特殊なのか明確でない。しかも、どこが「IT」?
アマゾンは確かにネットでアクセスする仮想店舗ですが、いまどきどんな会社でも仕事でもネットやコンピューター抜きに行える方がレアではないのか?
中国人が日本語や英語などを駆使して現地でオフショアの仕事を低単価で行っている時代に、経営者の視点から見ればスキルの無い人材が時給900円でも決して安いものではない。
こんなルポを書くよりも、世界的に生産性が低く、外国語能力にも欠ける日本のホワイトカラーワーカーがいかにして不当に高給を得ているかを告発して欲しい。
Amazonの影の部分を焦点
本書は、アマゾンの物流センターで作業員として働いて感じたものを記述している。一作業員が潜入して知りえるものは限られているし、秘密主義のアマゾンのことが分かったというものでもない。結局は、アマゾンのことは分からずじまいという感じがする。本書を読んで分かったことは、アマゾンが便利になっていく中で、アマゾンの物流センターで働いているアルバイトの人たちが、使い捨てで摂取されていることだけだ。
階層が固定化されているということがあるのだが、こういうところでしか働けないフリーターということであれば、決して正社員への道は開かれないだろう。ここで、一作業員として働くことに対しては、スキルがあがらないし、満足感が得られないだろう。たとえやめたとしても、同じようなところしか行き着かないように思える。そういうところから、階層が固定化されているんだなと思う。
アマゾンは、使い勝手のいいシステムと日本の商慣習をぶっ壊すことで、売り上げを上げていくんだろうと思うが、その半面で使い捨てに近いアルバイトの人たちがすごく印象的であった。本書は、アマゾンの内実を暴いたわけではないが、物流センターで働いている人をあぶりだすことによって、これからの社会の行く末を照らしたことに意味があるように思う。
「影」・・・?
「光」と「影」と銘されていますが、「影」が弱い、というかほぼ書かれていません。
配送センターのバイトの辛さと、古本を新品として売っているかもという"疑い"位です。
後は、アマゾンがいかにして成長したかということが書かれています。
アマゾンの事を知る上では非常に有用な一冊だとは思います。
アマゾンの光と影がわかる本
潜入ルポということで、たいへん真実味があって面白かった。
拾った紙切れから、さまざまな事を推理するなど、さすがプロだなと思った。
アマゾンの現状がたいへんよく分かる、よい本である。
この本でアマゾンのすべてがわかるわけではないが
この本でアマゾンのすべてがわかるわけではないが、それは副題を読めば明らかなのだから、レビューでこの点を批判するのは筋違いだろう。
本書は、アマゾンの成功を、IT業界や流通業業界の立場から勉強しようとすると、この本では物足りない。
しかし、だからといって、この本が低い評価に甘んじてよいわけではないだろう。IT化がもたらす格差社会の厳しい現実を本書では余すことなく伝えている。本書は、鎌田慧の名著「自動車絶望工場」の21世紀版と理解することが正しいだろう。これだけでも★4つに値すると思われる。
