- [著]さとう さくら
- カテゴリ:
- 単行本 (307頁)
- ISBN:
- 4796652477
- 発売元:
- 宝島社 (2006/04/22)
- 価格:
- ¥ 1,470 (税込)
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痛いほど共感できる。でも…
努力はすれども結果が全然ついて来ない現実に対する苛立ちを、人物の仕草・心理描写で表現している作者のセンスは良いなと思います。
僕自身、人付き合いが苦手なので主人公の考えは凄く共感できました。
学習しようとしても、途中で気持ちが落ちて思考停止してしまうところは読んでいて
胸がチクリとしました。
ただ、ラストはもう少し救いが欲しかったです。
結局、主人公が抱えている問題はほとんど解決できている風には思えなかったので…。
(人との係わり合いが増えただけでも良かったのかもしれませんけど)
見事な傑作!
どこかに「自分は特別なんだ」と云う、
根拠の無い思い込みを抱く現代の若者が、
しかし勤労社会に受け入れられずに
自我像とのギャップに苦しむ心情を
見事なまでに掬い上げた傑作。
じたばたと足掻く無様な姿は見せられず
かといって地道な努力はカッコ悪く、
結局拗ねるか何かに没頭するか、
心のスイッチを切るしかない状況を
諦念に近いユーモラスな筆致で
描き出すテクニックも見事。
構成と言う意味で予定調和が多すぎる、という意見も多いが、
格差社会をルポの延長ではなく、小説として
成長物語に昇華させている点は高い評価に値する。
登場人物たちが皆リアル
主人公の苫子が不器用ながらも、恋愛に人間関係に仕事に悩み、少しずつ前に進んでいくかんじが良いです。一作目ということもあり文章はまだまだ未熟ですが、人間をしっかりと描く力を持っているように思います。登場人物たちが皆リアルです。面白く読めました。
ダメ人間だけど面白い。
「無気力」「超ネガティブ思考」な主人公。バイトすら長続きしないし
コミュニケーションもうまくとれない。しかも26歳で処女!
はじめはあまり期待していませんでした。ありきたりの設定では?と思
ったからです。でもそんな状況がだらだらと繰り返されても飽きること
はなくぐいぐいと引っ張られる感じで読みました。
こんなにテンションが低い主人公の物語を飽きることなく読ませてしまう
のはある意味すごいかと思います。「処女」を捨てるために躍起になる話
でも、ドラマチックな展開を狙った内容でもありませんでしたが、偶然に
人に会うシーンが重なりすぎて少々不自然だった以外は面白かったです。
審査員絶賛賞受賞、舌をかみそうなコピーがついた帯も面白いです。
また「さとうさくら」の作品を見かけたら手に取ってみたいと思います。
自分のことのようで、ヒリヒリした。
夢中で読みました。自分も超就職氷河期世代なので、この主人公眞子の気持ちが痛いほどわかる。努力がそうそう報われない時代。バブル期なら引く手数多だったはずの、そこそこ良い大学を出ていても、面接すら受けさせてもらえない。。
就きたい職業なんて一握りの人間しか就けない。
コネも運も、器用さも無い人間は夢も見れない。妥協できない人間は社会から取り残される。バブル期就職の60年代生まれや、就職が当たり前に出来た時代の中年の人たち。
就職できなかった人にダメ人間の烙印を押す前にもう少しだけ、想像力を働かせて自分もこの時代に生まれていたら同じ憂き目に合っていたかも知れないと考えてみてほしい。
若くして夢も希望も断たれる虚無感。社会はもう少しこの世代に思いやりを持つべき。
ある意味卑屈になるのも仕方が無い。最近はまた売り手市場らしいけど。
あまり期待せずにさらっと どうぞ
苫子・26歳。独り暮らし。フリーター。まじめで人との付き合いが苦手。恋人なし。
首の後ろにある苫子だけに見える「スイッチ」、スイッチを押すとその人は消えてしまう―――そんな風に夢想する彼女の恋の行方は――?
まじめに勉強してきた苫子は、就職に失敗したことをきっかけに、フリーターへの道を歩き始める。人づきあいが苦手で無愛想なために、バイトもすぐにクビになってしまう。他の人よりちょっと不器用な彼女の恋といっていいかもわからない男性とのやりとり、そして、バイトを通じて新たにできた人間関係が描かれており、なんとなく引き込まれて最後まで読んでしまう。主人公と年齢が離れている成果、主人公にあまり好感はもてないのに、もっとこうしたら、とか、こうすればいいのに、とついつい思ってしまう。ちょっと探せば身近にいるような苫子。あまり「おもしろい」とか、期待せずに読むとよいかも。
いまの日本を象徴する作品
なんといっても、主人公のキャラクター設定が秀逸。文章は少し拙い感じがあるが、それを補って余りある“何か”を感じさせてくれる作品だ。
「苫子」 26歳、処女、三流短大を主席で卒業。一風変わった名前の由来は祖父の忘れえぬ、祖母ではない女性の名前。他人との関わりが苦手な彼女は、いつも他人の首の後ろ辺りにある「スイッチ」を探している。そのスイッチを指で軽く押すと、その人は消えるのだ…
…と、こんな風に物語は始まる。
主人公・苫子は極力人を遠ざけようとするのだが、不思議と彼女の周りには吸い寄せられるようにひとが集まってくる。それも自分とは相容れないタイプのひとばかりなのだ、ここが面白い。おしゃべり好きな掃除婦のおばさん、デザイナー気取りのモテ男(実はアニオタ)、元・キャバ嬢、etc。特に、大学の同級生で八方美人の結衣と、つかず離れず、ゆっくりと友情を築いていく下りが、僕は好きだ。
一歩引いて見ると、彼女は社会の落伍者と見做される人間であろう。定職にも就けず、その日暮の自堕落な生活。抜け出したくても抜け出せず、仕方なくただ流れに身を任せるニートと呼ばれる人達の溢れる、いまの日本を象徴する作品ともいえよう。
***第1回 日本ラブストーリー大賞 審査員絶賛賞受賞作***
貧乏ですが、買ってよかった作品になりました。
主人公がかわいくて、切なくて泣けました。
あっという間に読んでしまいました。とても好きな作品になりました。結婚をして2児の母親ですが、そんな自分でも清々しい気分にさせてもらえた恋愛小説です。
わかるわかる!!
今まで私が感じてきた、でも言葉に出来ずにいた
感情を、作者は書いてくれました!
中でも凄く共感したのが「好きなのは、私じゃなくて、
私みたいな人なんだよ。」って場面。
私はあなたの思ってるような人じゃないから、
やめたほうがいいですっていう感じ、凄く良くわかります。
苫子はすごく不器用で、上手に生きられなくて、結構ひねくれてる。
けど、私は苫子みたいになりたいなぁと思いました。
自分を偽らず、他人に正直で、いろんなことを考えている。
たぶん、私の中にも苫子みたいな部分があると思います。
でもそれを表に出すのは私には凄く難しい。どっちかっていえば
私は結衣なんだろうなぁと思いました。
登場人物、それぞれ違った魅力があって、みんな細かく描かれていて
なんか人間って面白いなーって思うようなそんな小説でした。
こんなこと書けるような人がいるなんて驚きです。
凄く面白かった。ぜひ読んでみてください。
う〜ん、わからないことはないけど、好きなタイプじゃないなあ
「いなくなってしまえ」そう思うとき、
相手の首のあたりのスイッチを探してしまう。
なるほどなあ、そんな気持ちがないわけでもない。
共感できない部分がなかったわけじゃないけど
「面白い」って思えなかった。
重苦しいし、
ムリに理解したいって思えなかった。
基本的にやっぱり好きなタイプの物語じゃなかった。
タバコが嫌いなように。
そんな小説でした。
