サブプライム後に何が起きているのか (宝島社新書 270) (宝島社新書)

  • [著]春山昇華

カテゴリ:
新書 (223頁)
ISBN:
4796663096
発売元:
宝島社 (2008/04/09)
価格:
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12,700 位
評価: 4.5
2008
10/04
Sat

前著よりサブプライム問題に深くつっこんでいる

[No.16] posted by Kana

サブプライム問題が発生したあとにおこった,金融商品の格付けに疑問がもたれたこと,レバレッジをつかって資金をふやす方法に疑問がもたれて資金があつめにくくなったこと,欧米での資金調達ができなくなったためにアジアや中東に有利な条件をしめして資金調達せざるをえなくなったことなどが書かれている.前著「サブプライム問題とは何か」では解説されていなかった,証券化でつかわれた「優先劣後構造」という金融技術なども丁寧に解説されている.今後,アメリカのやくわりが中国によってとってかわられるのか,日本はどうなるのか,などについても論じられている.前著との重複はよくおさえられているので,あわせて読むとよいだろう.

2008
08/17
Sun

繰り返され、増幅されるモラルハザード

50.0% (1 / 2)
[No.15] posted by ぷりうす

前著「サブプライム問題とは何か」に続き、分かりやすく現在起きている問題の本質を開設し、金融を中心とした経済の今後を描いています。

前著に引き続き、経済の素人(大学生から社会人1-2年生を想定しているとか)が読んでも分かりやすいように解説されており、非常に読みやすい。金融のプロであるはずの銀行・証券会社・モノライン保険会社等が、「レバレッジ」や「証券化」という打ち出の小槌を手にしたが故に陥った、「楽をして、効率的に儲けよう」とするが故の、モラルハザードがどのようなものであったのかがよく分かります。

2006年前半まではかつてない好況を享受していた世界経済が暗転し、今も底が見えない恐怖。好況時には、調子にのって、「赤信号をみんなで大手を振って渡っていた」人たちが、一斉にあらゆるリスクに背を向ける極端な方向転換。レバレッジという「てこの原理」があるがゆえに、ちょっとしたきっかけが、世界経済を反転させてしまうほどのインパクトを持つ、怖い世界。もともと極端に振れやすい人間の心理が、金融技術の発達によってさらに増幅されてしまう不安定さが現代金融の特徴なのでしょうか。

本書では、前作以上に、ポスト・パクスアメリカーナの世界経済の予測に力を入れています。影響力を増してきたSWF。イスラムの厳格な教義に根差すイスラム金融。共産主義という枠の中で工夫を重ね、膨大な生産力と内需を武器に世界中に経済覇権を広げようとしている中国の姿など、アメリカの次、を考えるためのヒントが詰まっています。

字も大きめで通勤時などにもさらっと読め、しかも、現代金融が抱えるのリスクの本質がわかる本。前作ともどもお勧めです。

2008
06/30
Mon

テレビのコメンテータ的というか

62.5% (5 / 8)
[No.14] posted by いもでん

著者の本はこの続編から読んでだせいか、他の方の指摘に反して、サブプライム問題を理解するには不十分ではないかと思います。
著者も不正確を恐れず書いたとあるように説明を簡略化省略しすぎてる。もっと正確なことを知りたいなら他の本にあたるべき。
出典もほとんど明らかにしていないのである部分が著者の感想・思いなのか展望なのか客観的な取材の結果なのか、なんなのかよくわからない。

後半は覇権国がどうなるかとか、、予想みたいなことにならざるをえないし、日本がこれからどうあるべきかとか、手を広げすぎ!と思ってしまった。
著者の見立て、展望大いに語るという本

多数の方の評価が高かったので期待しすぎてたのもあるかも。

2008
05/24
Sat

わかりやすい理由を3つ考えました。

100.0% (1 / 1)
[No.13] posted by gomitakashi

第一弾の読みやすさを踏襲しながら、ややレベルアップか?それでいてネタのかぶりもなく新鮮。なぜ読みやすくて面白いのか考えた。

1)新聞記事、Webを中心とした徹底的な事実の収集。理論、理屈の抽象的な話でなく、新聞ネタが多いので、読みやすい。また表・グラフ・チャートも多く、読んでいてあきない。また春山さんが自ら収集したデータに基づき、ご自分で図表をわかりやすく作成していることも読みやすくしています。

2)足でかせいだ実体験に基づく事実・データ収集。金融・経済関係の評論家によくあることだが、お話を直接お伺いするとよくわかるのだが、メディアにでてくると、とくに新聞など発言が残るものになると言葉遣いが慎重で、なにを言っているか聞いていてよくわからない、退屈だということがありますよね。春山さんはWebや新聞、雑誌などで情報を集めながら、実際にアラビン・トフラー氏の講演会に行ったり、とあるセミナーで隣の携帯電話の会話(証券化商品の売買の実態)など臨場感あふれるエピソードがあり、わかりやすいです。春山さんとは一度Web2.0のセミナーでもお会いしましたが、ご多忙にもかかわらず直接会場に足を運ばれ、相手の話をきちんと聞かれる姿勢には頭が下がります。新聞記者顔負けです。

3)実際のサラリーマンとしての裏情報が入っている。みずほファイナンシャルグループがサブプライムの被害が大きかったのは「カリヨン証券から証券化ビジネスをチームごとヘッドハンティングしていたからだ。」とか、サブプライムとは関係ない優秀なモルガンスタンレーの知人の方が解雇された、とか業界の人にしかわからないネタが入っていて、得した気分になれる。

ともかく、第4章モノラインの説明のわかりやすさは感動ですよ。

2008
05/21
Wed

サブプライムローン問題を軸に、世界経済の大きな潮流の変化をわかりやすく解説

100.0% (11 / 11)
[No.12] posted by FreshAir

「20世紀は、グローバリゼーションが経済、企業を変えた。21世紀は、グローバリゼーションが政治のリーダーシップのあり方を変えるだろう」。

本書では、サブプライムローンについての説明に多くを割いている。その解説は、新聞や雑誌だけでは断片的にしかわからなかったことを、背景からしっかり解き明かしてくれていてとてもわかりやすい。だが、本書を薦める一番の理由は、それだけではない。さらに筆者は、サブプライムローン問題を軸に、複雑な経済構造の変化や問題点を解説しながら、世界経済の大きな潮流と現在進んでいる変化について、わかりやすく読者に示してくれる。コンパクトな見た目以上に、優れた著作である。

「外圧にいわれるままに、自由化を実施した日本の金融自由化が何をもたらしたか。中国は、日本の失われた13年に学んだのだ」。お金の流れという視点からみた中国の動向に関する分析と解説は明快で説得力がある。また、日本人にはもうひとつまだ具体像が理解しにくい、肥大化するイスラム金融の解説とそれが世界経済に及ぼしつつある影響についても丁寧に説明してくれている。当然、日本の将来にも客観的な比較分析を行い、その将来についての提言を行っている。

世界経済の将来については、いろいろな仮説が可能であり、著者の考えだけをそのまま全面的に受け入れる必要はない。規模を拡大するEUについてはほとんど論じられていないし、中国と中東の扱いに比べて他の資源大国(ロシア、ブラジル、カナダ、オーストラリア)についての言及が少ない。食糧問題や資源の争奪戦が将来の世界経済の動向に及ぼす影響についてはあまり考えられていない。そもそも自由を知っている国の人たちが、経済力だけで中国やイスラム圏の覇権に従うということは考えられない。著者が歴史上の例として挙げているローマ帝国も、イギリスも、アメリカも、その経済発展は市民権の確立と密接な関係があったのだ。ただ、良い本というのは得てしてそういうものだが、読み終わってもいろいろ考えさせられるところが多く、参考になった。

2008
05/18
Sun

具体的なデータを使用しつつ、問題の本質を平易な言葉で解説する良書

50.0% (1 / 2)
[No.11] posted by xidazoon

タイトルのとおりの内容である。ただ、サブプライム問題についても詳しい説明が
為されている。
この本の素晴らしい点は、
1)具体的なデータを使用し、説得力がある。各データはグラフという形で提供され、視覚的に理解しやすい 
2)金融関係の本としては専門的な用語が少なく、またあったとしても、過剰とも言える補足説明がなされており理解に困ることはない
3)表面的に出てきている問題を議論しているだけではなく、その根底にある本質的な問題について解説する事を目的としている
が挙げられる。文章は極めて平易であり、かなり読みやすい。
この本は07年に発行されたものの続編であるそうだが、この本から入っても何ら問題は無い。
現在取りざたされているサブプライム問題とはどのような背景で起こったものなのか、あるいはサブプライム後に中期的にどのような混乱が予想されるか等について知るのかについて、お勧めできる良書。
星4点となっているのは、超長期的な予測について根拠に乏しい議論が展開されているからで、純粋にサブプライム関連の書籍としては5点でも問題ない水準。

2008
05/16
Fri

予想をはるかに上回る影響

66.7% (2 / 3)
[No.10] posted by hbspmd

前作に続き、サブプライム問題の深層とその後を分かり易く解説している。
本書で指摘されていることは、投資家が借入によりレバレッジを大きく利かせて利益を拡大して来たことに対して、それが一旦逆回転になった時の負のインパクトの大きさと影響の及ぶ範囲の大きさを説明している。サブプライム問題の本質はレバレッジバブルというのが、著者の主張である。

またサブプライム問題を複雑にしている原因は証券化であるが、本書の説明によって、再証券化は信用力の移し変えを行ってトリプルAを作り出す手法であることが丁寧に説明されている。いずれどこかで破綻するやり方に他ならず、無理があった構造であることがよく分かる。

今後は円のキャリートレードと同様に、ドルのキャリートレードによって金利・リターンの高い新興国への投資が行われるとなると、これまで米国に流入していたお金の流れが大きく変わることになる。次の動きを理解する為にも本書の解説は大変参考となる。

2008
05/15
Thu

良い本

100.0% (1 / 1)
[No.9] posted by 週3回

タイトルはサブプライム後となっているが、前著を読む必要はないかと思われる。
問題の内容と背景はしっかりと網羅されている。

舞台となったアメリカを中心に、ここ最近の状況について書かれており
今後のトレンドについても意見が述べられている。

面白く分かりやすい内容でテンポ良く読み進められ、予備知識のない人にも薦められる。
これだけ世間を騒がせた、そして今後に大きな影響を及ぼすであろう問題を
手っ取り早く理解するために最適な著書であると言える。

2008
05/14
Wed

世界経済の流動性危機は、日本中興のチャンスとなりうるか?!

66.7% (2 / 3)
[No.8] posted by monchat

 ドイツ銀行の2兆円の損失、シティグループの2兆円の損失、メリル・リンチの2兆円以上の損失、・・・世界の潮流から外れていた日本にとっては寝耳の水のようなニュースであった。しかもサブプライム問題は始まったばかりであるが、非常に複雑そうに見えるこの問題も、著者にかかると痛快なほどわかりやすく料理されている。金融にとどまらず、著者の鋭敏な歴史感覚は本書を一層面白いものにしており、次の覇権国は中東諸国のイスラム圏なのか中国なのかと模索する。ただ、この辺は歴史の専門家でないだけに粗雑な感じは否めないが、早期にサブプライム問題を見事に解説しただけでも本書の価値は極めて大きい。
 20世紀後半は1億人単位の市場が中心であったが、21世紀は一桁上がり、BRICs諸国のような10億人単位の市場へ世界経済は移行途中であり、その発端としてこの危機が生じたと仮定すると、サブプライム問題はむしろ今回限りの現象ではなく、今後発生する一連の世界経済危機を示唆しているのではないだろうか。多くの人がそこで中国の覇権国としての地位確立を予測しているが、中国は量的には世界規模であっても質的には世界の最先端を行っているわけではなく、これは他のBRICs諸国も同じである。中国の大繁栄を導いたのは日本の技術・投資であり、中国・日本の外貨準備高は合わせると3兆5千億ドル以上という途方もない額であり、欧米から見た場合、これは驚愕を超えて恐怖と言えるだろう。中東諸国の原油の富は、数世紀を経てむしろアングロ・サクソン系の第二の金庫となっているので、今回の危機に役立ったとして不思議ではない。世界経済の歴史的な転換期で本質的な役割をするのはアジアの流動資金であり、それをどう認識し、生かすかが原始資本を蓄積した日本中興のチャンスでもあり、同時に次の世界経済危機が中国の大不況となりうることも視野に入れておかなければならない。

2008
05/05
Mon

目新しくはないがしっかりとした内容

0.0% (0 / 2)
[No.7] posted by karenina

2007年8月、2008年1月のサブプライムでの金融の動きは実にすごかった。本書は大ベストセラーとなった本の続編。タイトルとは異なり、前著の増補といったところ(モノラインにしても、サブプライムと全く本質は同じだし..)作者は前著よりは高度な内容としたつもりな様だが、むしろ本書の方がわかりやすい内容である。前著ほどのドラマ性はないが(HSBCから始まる内容は物語としても非常におもしろかった)堅実でしっかりしたもので、前著を呼んでいない方も本書から読んでもいいと思われる。


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