それがぼくには楽しかったから (小プロ・ブックス)

  • [著]リーナス トーバルズ
  • [著]デビッド ダイヤモンド
  • [翻訳]風見 潤

カテゴリ:
単行本 (380頁)
ISBN:
4796880011
発売元:
小学館プロダクション (2001/05/10)
定価:
¥ 1,890 (税込)
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フィンランドに住む1人のコンピュータおたくの青年が、世界中にオープンソース運動を巻き起こし、一躍有名となった。
彼の名はリーナス・トーバルズ。ヘルシンキ大学在学中に「Linux」というコンピュータのOSを作り出し、インターネット上で無料でソースコードを公開した。OSといえば大企業が開発した商用のものだけで、かつソースコードを公開することはタブーといわれていた時代に、彼の試みは驚くほどの大反響を巻き起こした。
彼は決して野心を持ってLinuxの開発に臨んだわけではなかったが、結果的にLinuxは研究者や開発者、学生などで構成されるUNIXコミュニティで爆発的に広まり、今日ではマイクロソフトのウィンドウズを脅かすまでに成長した。
本書には、このリーナス・トーバルズのLinux開発物語から、彼自身の心温まるプライベートの話題までが、幅広く取り上げられている。技術的な話ももちろんあるが、コンピュータ関係の人物を取り上げた自伝としては、比較的一般向けにわかりやすく書かれている。
『それがぼくには楽しかったから』(『Just for Fun』)というのが本書のタイトルである。好きなことに一生懸命打ち込んだ結果、成功が訪れたという彼の「偶発的革命の物語」は、拝金主義や出世欲が見え隠れする本が多いなかで、好感が持てるものである。(土井英司)

2008
09/04
Thu

リーナスの素顔&オープンソース論

100.0% (1 / 1)
[No.22] posted by shom5w

書籍の内容は、「リーナスがLinuxをどういう経緯で開発したのか」はもちろんのこと、
「リーナスのオープンソース論」「リーナスの考える人生の目的」といったテーマのエッセイ、
そして、担当編集者との対話・交流、リーナスの家族・育った環境、ペンギンマスコットの由来など。
スタイルとしては、リーナス自身から、担当編集者から、ときおりリーナスの家族から、
といった形でパラレルに語られる、一種の”ドキュメンタリー番組タッチ”。

リーナスは、好きなことに時間を忘れて没頭する、ただのオタクである。
大学生で、世界を席巻するOSを作り上げたと聞けば、
「アインシュタイン以来の天才児現る!」といった様相だが、
彼は有名になってからもしばらく、アパートに住み、記者からの電話にも自分で出た。
自身の功績についても、「フィンランドの厳しい気候ではこもりがちになる」、
「他に楽しいことがなかった。僕の鼻がもう少し小さければより社交的だったかも」といった調子。
そんな飾り気のない革命家が、彼の正体である。
(「お金に目をくれない」なんて評価は、むしろナンセンス!
 だって、彼はそういった欲深ささえ”自然に”持ち合わせているから)

オープンソース論についても、下手な新書に触れるより、手っ取り早く正しく掴める。
また、彼は「娯楽」にひとつの価値を持ち合わせている点に、刺激を受けた。
”Just for fun”(原書のタイトル)、これが本書のテーマである。

情報系の学生はもちろんのこと、個人的には、中高生の読書感想文にオススメ。
ステレオタイプの大人には、鼻に付く内容だと思う。

2008
01/24
Thu

お金よりも誇りに生きがいを感じる人たちに次世代を感じます。

0.0% (0 / 1)
[No.21] posted by razzi345

飛ぶ鳥を落す勢いで拡がっているオープンソースムーブメントの中核リナックスの創始者リーナス・トーバルズ氏の本です。どのようにしてリナックスが開発されてきたのか、日記風に回想されて書かれており、いわゆるオタクという人種の生活ぶりがわかります。内容には難しい用語のたぐいはあまり出てきません。でも、欲のない人達なんですね。市販してもおかしくないほど完成度の高いソフトを無料で公開し、協力し合って開発していく。私も過去にプログラマをしていた時期がありましたが、当時は到底考えられないことです。この本を読んで、ますます、オープンソースムーブメントを応援しようという気持になりました。また、同時にいつもお世話になってるこのモジラでさえもいとおしくなります。住居を限定せず、世界中を拠点に活動する活動家たちにエールを送りたいです。

2007
11/15
Thu

著者のLinus Torvalds氏自体に興味がある人向け

33.3% (1 / 3)
[No.20] posted by ま2007

Linuxというカーネルの開発トップのLinus Torvalds氏の自伝.スポーツ選手じゃないのに若くして自伝になる内容があるのがまずすごい.ソフトウェア開発に関する部分には特別目新しいことは無いと思う.知っている内容が多いだろうし,この分野はインターネット上で自由にアクセスできるものが一次情報である場合が多いし.そして,ソフト開発に縁がない人の場合は興味がそそられないだろうし,Linuxやオープンソース自体に興味を持った人にとってもストライクとは言えない内容.そういう意味で,位置付けが微妙な本である.

そんなわけで,この本を書籍として読む第一の利点は可読性の高さだと言える.Linus Torvaldsという人物自体に興味があるならばそれを求めて書籍代を払う価値があるだろう(とくに中古で安く買えるなら).著者の心の中とか人となりに関してこれほどコンパクトにまとめられた情報は他にない.本書を読むとLinus氏の温厚で冷静で抜け目ない正確がよくわかる.「優しい独裁者」という比喩もよくわかる.意外と毒っけを持っていることもわかる.

2007
02/06
Tue

Just For Fun

66.7% (4 / 6)
[No.19] posted by 紫陽花

Linuxの産みの親Linus Torvaldsの早過ぎる回想談。平易に書かれているので一般の方にも親しめるが、ソフトウェアに縁の無い方が本書を手に取るとは思えないので、やはり専門家向けにLinusの信条をプライベートを含め語ったものと言えるだろう。

Linux Communityに住んでいる方は勿論、ソフトウェア開発に携わる人にとっては本書に書かれている内容はプライベートな事を除くと(風説にせよ)おおよそ知っているものなので、それ自身驚くべきものではない。むしろ巻末に有名なA.Tanenbaumとの論争の様子が詳細に載っているのが面白かった。Linusは元々、TanenbaumのMinix(プログラム、本)に触発されてLinuxを書き出したので、いわば精神的な師弟関係にある筈なのに、意見が悉く異なるのが興味深い。この論争でTanenbaumが一貫して自分を教授の立場に置いて、Linusを一学生扱いしている(事実なのだが)のに対し、Linusは余裕を持って皮肉交じりに応えているのが微笑ましい。私も入社後、Minixの本を輪講したのだが、自分でカーネルを書こうとは夢にも考えなかったなぁ。

本書の内容からやや離れるが、Linusの最大の功績はLinuxそのものと言うより、「オープン・ソフトウェア」の概念を世界に拡めた事だろう。しかも、声高に叫ぶ事なく、Linuxという実体を伴って。この概念のキーワードは「open」と「give and take and give」である。後者は、自分も貢献するが、自分が享受したものは他者へ無償で供与するという美しいものである。本書は、そんな概念を寡黙に打ち出したLinusの素顔を知るのに好適な書。

2006
09/03
Sun

前半〜中盤は知的好奇心をくすぐられる

57.1% (4 / 7)
[No.18] posted by ダヤン

Linux開発者とジャーナリストが一人称の視点で書き記した単行本。
一節一節にテーマがしっかりと分かれていて、読み物としては比較的読みやすい部類。

前半から中盤に掛け、「なぜ、自分がコンピュータオタクになったのか」、「Linuxの生い立ち」、「世界中へと展開されたコミュニティーへの発展」について記されている。
ここでは、著者が自分の人生を振り返るように赤裸々に物事を語っているのがおもしろい。
社会的にとか道徳的にではなく、「自分にとって楽しいか否か」を基準とした典型的なオタク型思考。
Linuxについては元々OS開発ではなかったことや、それをするに至るまでの経緯、就職してからのコミュニティーへの関わり方、家族を持ちながらの接し方など話は多岐にわたる。奥さんとの馴れ初めは笑わせてもらった。

後半はあまりに爆発的な普及、浸透により一躍、有名人となった彼の苛立ちが感じられる。
オープンソースとした、OSは様々な主義主張と絡み合い、論議に巻き込まれることの不快感からか。
いずれにせよ、彼はLinuxによって莫大な利益や、名誉を望んだわけではないことが充分に伝わってきた。

専門用語が飛び交う節は読む人間を選ぶが、思考や思想についてニュートラルに受け止めることのできる人なら楽しめる一冊。

2005
07/02
Sat

リーナスの法則!!!やはりこのフィンランド人ただものではなかった

61.1% (11 / 18)
[No.17] posted by 3流心理学者

オープンソースの考え方から見ればFreeBSDの方が圧倒的に支持されるはずなのだ。だけれども何となく昔からLinuxユーザだった。
高価なMathematicaとかMatlabとか、が買えるはずのない、雀の涙ほどの研究費しかあてがわれていない、大きな金額の研究費も当てることのできない、貧乏で、ぱっとしない学者にとっては、デフォルトでCコンパイラのついていて、しかもLaTeXがインストールされているLinux(ほとんどのPC UNIXのディストリビューションがそうだけれどね)Linuxにはお世話になっている。
そういう一人のLinuxユーザが読んだ感想を書きます。

自分がLinuxユーザであるしLinuxがなければ仕事ができないので、なんとなくこの本を買ってはいたが、読む気がしなかった。
どうせオタクの独りよがりとLinux開発の苦労話がさらっと書いてあってそんなに大事な本には思えなかったからだ。
それにマスコミがLinuxを盛んに取り上げる機会も減ってきたし、あきらかにLinuxブームは去った。
だから本棚に一年以上も読まずに置いてあった。

それで、ただの気まぐれに読んでみたのだが、完全に侮っていた。
面白い本だ。
ただのオタクの内輪話だと思って読み進んでいたが不覚にも感動さえした。
リーナスの言う「楽しさに意味を見いだす意味」には共感できるものがあるし、生存と社会と娯楽という彼の視点は下手な哲学書よりも説得力がある。

その開発者にして、今や人類史上最大規模のプロジェクトとなったLinuxのバックグラウンドには、リーナスのの肩の力の抜けた、でも、しなかやなオタクの感性の産み出したものだった。

でも5年後にはだれもLinuixを知らなくなっているかも知れないけれどね。
それはそれでリーナスの思想に良く合っていると思う。

2004
10/01
Fri

リーナスのことを知りたければ必読

45.5% (5 / 11)
[No.16] posted by boze

Linuxの作者、リーナスの本音が分かる本です。彼の考え方、生き方など生々しく書かれています。
LinuxはインターネットになくてはならないOSになり、またそのOSが一人の若者が作り上げたことは有名だ。しかし、彼が何をどう考えて、このOSを作成したのか、どんな困難があったのかなど、今まではあまり語られていなかった。そういう側面を知ることができる。
IT技術者はもちろん、それ以外の方にも、彼のことを知ってほしいと思いました。

2004
08/18
Wed

Linuxを見たことがない人にも読んで欲しい人生本

54.5% (6 / 11)
[No.15] posted by 座亜度羅部満(ザアドラブマン)

ウインドウズ以外のOS(オペレーションソフト)を使ったことが
ない人にも、いわゆる好きなものをつきつめて、1つのものを完成?
させた人間の軌跡をたどる本として是非読んで欲しい作品です。

コンピュータ用語も一応解説がありますが、Linuxをインスト
ールしたことがある人は、解説無しで読める内容になっています。

リーナスの考え方や、人となりが見えてくるので、ソフトを使って
いる人はなるほど・・と思うところは大いにあると思います。
しかしオープンソースというものは、素晴らしいとこれを読んで
本当に思いました。みんなで進化する素晴らしさ・・・・

今世界で使われているソフトのカーネルの原型が、1人の少年の

PCから生まれたことを知れば、読者にいろんな夢を与えること
が出来ると思いますので、中高生にも読んで欲しいと思います。

2004
08/06
Fri

翻訳に難ありかなぁ

54.5% (6 / 11)
[No.14] posted by sasakiss

リーナストーバル氏の生い立ちから、Linuxの成功など、身近で生活していなければ見えるハズも無い彼のことが詳しく書かれており、彼という人間がどういう人物なのかを知ることは充分出来た。ただ気になるのは彼の発言などの言い回し。喋り口調にユーモアを交えて翻訳した方が良いと出版社側で判断したのだろうが、私にはどうもしっくり来ず、読むのに非常に疲れた(結局疲れるところは飛ばし読みした)。

内容的には彼のことを分かりやすく書かれているので、彼(Linux)のことを知りたいという人には、一度目を通して欲しいと思う一冊である。一言で言えば私には読みづらくしんどい本だった。私に語学力があれば原本を改めて読んでみたいなぁ。

2003
10/28
Tue

すばらしい彼の人生

71.4% (10 / 14)
[No.13] posted by ohsaruman

リーナスがLinuxの商標とっちゃったよとかストックオプションで大もうけしているよとか
トランスメタで商業主義に取り込まれたよとか、2000年前後に流れた憶測やニュースの
裏側を読むことができる。
 彼の立場を知った以上、少なくとも彼に対して金の亡者に堕落したとか、ただの人に
なって落胆したとかの批判はできなくなってしまった。

彼はすでに十分すぎるほどのものを作り出してくれたし、迷走しがちなオープンソースの
プロジェクトに方向付けをする穏やかな独裁者も演じている。
 それ以上の役割、たとえば清貧であったり、反マイクロソフトのリーダーであったりする
ことをリーナスに押し付けるのは筋違いと言うものだ。

 彼の人生なのだ。それが彼にとって楽しいのであれば、それ!でいいじゃないか。


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