- [著]ジェフリー・ムーア
- [翻訳]栗原 潔
- カテゴリ:
- 単行本 (352頁)
- ISBN:
- 479811121X
- 発売元:
- 翔泳社 (2006/05/16)
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これからも大切にしたい本
本書の内容は14のイノベーション・タイプをカテゴリー成熟化ライフサイクルにポジショニングし、ライフサイクルのそれぞれの段階において企業がどのイノベーション・タイプを採用し差別化を行うべきか、その理由も含めて解説されていることに加え、企業組織の慣性力とイノベーションをどのように管理・発展させていくかというところまでカバーされている。直感的イメージが沸く図の挿入にも助けられ、体系的に理解でき企業の経営サイクルを鳥瞰できるという感じだった。特に私が最も重要なメッセージとして受け取ったことは、ビジネスの世界は根本的に2分されている、すなわち、コンサルティング的要素の大きいコンプレックス・システム型と、標準品化された製品を大量に売るボリューム・オペレーション型であり、従って企業は戦略を立案するときも先ず最初にこのどちらのモデルを採用するかを決定することが重要である、ということだった。本書を読み進めると、どうしても自分が勤務する会社のケースに当てはめて理解しようとしてしまうが、当てはまるような当てはまらないようなすっきりしないことも多かった。私の会社がそもそもどちらのビジネスモデルを採用しているのか曖昧なためであろう。引用されている事例は概ねコンピュータ関連企業であり、私にとってはまったく素人で苦手意識の強い分野であったため、本書の図や内容の重要ポイントを簡潔に引用しサブノートを作成した。今後はこのノートを常時携帯して、新聞やニュースで興味ある身近な分野での企業買収や事業新規参入、撤退の記事を読んではサブトートを眺めて、何故企業がそのような行動をとったのか改めて考察して行きたいと思っている。 クリステンセン氏の『イノベーションのジレンマ』を読んでいれば、さらに深く立体的に理解できるようにもなると思う。本書と『イノベーションのジレンマ』は、ずっと大切にし読み返えしていこうと思っている。
淘汰とは絶滅ばかりを言わない
モノやサービスあるいはそれらを統合的に提供する市場という場が取引価値を上げもすれば下げもする、との条件を飲み込んで読む研究である。イノベーションのゾーンとタイプの腑分けから始まる。ゾーンとは、イノベーション・タイプを市場カテゴリーの成長に合わせてくくったグループ名。終盤は、コアとコンテキストそれにミッション・クリティカルと非ミッション・クリティカルによって求めた4象限を用いてサイクルとして表し、どの象限に人を含めた組織の資源を注入すべき時か論拠は何か、その資源をどこから調達するかを論ずる。
ムーアのいうコアというのは、ハメルとプラハラードが述べた意味より広い解釈で、永続的成長の源泉を考えようという捉え方。ミッション・クリティカルは、クリステンセンが既に述べたように、組織の存亡に影響を及ぼすような特性。コンテキストというのはいろいろな使い方でよく目にするが、企業の競合優位に結びつかない業務にはレッテルを貼って、金をかけずに人も減らす対象として括る。
これらに加えて、二つのビジネスモデルが絡んでくる。コンプレックス・システム・モデルとボリューム・オペレーション・モデル。前者はあなた好みを、後者は数売って儲けるビジネス。
次世代のコアのために経営資源を見つけるには、どこかの生産性を上げなければならない訳で、そのためにはより懸命に働くことである、とは言っていない(p.284)。仮に、資源を手にすることができれば、これを次のイノベーションのサイクルに使用されることになる、と言うのだがどうだろうか。これも、国によりあるいは企業や組織により、ヒト・モノ・カネ・知識等々の扱いの違いがそのサイクルのどこに影響するのかも合わせ考えてみる必要がある。諸兄の、どっぷり日が暮れるまで働く現実と照合してダーウィンの「自然淘汰」解釈を多様な視点で考えるのも本書の一つの示唆である。
難しい本ですがよく分析してある。
たくさんの企業が行ってきた、商品や会社そのもののイノベーションに
ついて分析し詳しく説明されています。
私いる不動産関連の業界そのものが成熟してして、今後は人口が減るに
つれて、衰退期を迎えるという仮説をたてこの本を読みました。
頭の中ではなんとなく理解している部分がこの本で明確になった感じです。
複雑な世の中になったと思っていても基本的な部分はどの業界でも同じ
なのかな?って少しこの本で安心もしました。
自分の働く市場を分析したいと思っている方は、目をつけるポイントが
本書で理解できると思いますよ。
なるほど!
今までのジェフリー・ムーアの書籍の内容をベースに、様々なイノベーションに説明が記してある。シスコを中心に色々な企業を各イノベーションに当てはめているのでとても理解しやすくなっている。ただ、アメリカの企業ばかり(当たり前だが)なので、訳者は注釈としてその企業はどういう業種でどういう位置(規模など)なのかを説明してほしい箇所もいくつかあった。
後半は衰退した商品(サービス)に対してはアウトソーシング、オフショアリングせよと示しており、私としては「そんなことをしたらリストラの嵐ではないか!そんなものうまくいくはずない」と思いながら読んではいたが、見事に私の不満も終わりの方で解消してくれた。
今、自分が働いている会社と当てはめてじっくり読むと結構、味が出でてくる書籍だと思う。
どんなイノベーションが必要かがわかる
キャズムはハイテク市場に関する本ですが、本書はほぼあらゆる市場に
あてはまると思います。
とくに、製品がコモディティ化している成熟市場にいる方にはオススメです。
自分の会社が、どういったイノベーションを追求しなければならないのかが
わかります。
問題は、何がコアで何がコンテキストか、慣性力とどう管理するかですが、
その具体的な方法論も示しています。
あえて言うなら、事例が日本のものだったらいいのにと思うの
ですが、まぁ、それは無理な注文ですね(笑)
当然のことながら、いやっていうほどある事例のほとんどが海外の
会社の事例のため、よくわからないものが多かったです・・・・
いずれにせよ、素晴らしい本です。
オススメです。
今までの著作の集大成
キャズムを読んでから本書を読みましたが、非常に体系的にまとまっています。
14のイノベーションタイプも結果として説明を聞くとそれほど目新しいものではありませんが、プロセスとして体系化されている点がすばらしい。その意味で8章の「イノベーション選択のプロセス」から読み出すのも面白いかもしれません。
前半の説明と事例は退屈なものが多いし、シスコ以外の事例は正直言って外面的な結果から分類しているので、たまたま当事者としてかかわっている例では説得力にかける点が目立ってしまう。
しかし、8章以降、特に第3部の「慣性力を管理する」ではイノベーションに対する社内の抵抗勢力を慣性力と呼び、それが今までのイノベーションの結果を維持するために必要であると説いている点は目から鱗が取れた感じです。
経営者向けに書いていると言えますが、IT業界でプロジェクト管理に携わっている人やエンジニアにも、自社がどういった戦略をとっているのか、自分がどう動くべきかを理解するうえで読んでためになると思います。
