- [著]Joel Spolsky
- [翻訳]青木 靖
- カテゴリ:
- 単行本(ソフトカバー) (196頁)
- ISBN:
- 4798115827
- 発売元:
- 翔泳社 (2008/03/20)
- 価格:
- ¥ 2,100 (税込)
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技術者としての市場評価の上げ方から、椅子の選び方まで
「Joel on Software」のジョエル・スポルスキさんによるソフト技術者の採用ガイド。
つまり、一緒に仕事したいソフト技術者について書かれた本です。
前著”Joel on Software”で紹介された「ジョエル・テスト」に代表されるように、非常にシンプルで明確なコラムが並んでます。しかも、なんだか飲み屋の話題かと思うほど軽いノリで楽しく読める。
ソフト技術者は、ただ数を集めても生産性は上がらないし、「良い」技術者と仕事することが、ソフトウェアを創る上で最も重要なことだ。そういった意味で、採用のプロセスにこだわりを持っているというのは大切なことなんだけど、日本のソフトウェア業界で採用に対して強い意識を持っている会社って少ないように思う。採用段階でコード書かせてる所もあまり聞かない。
「採用」から開発は始まっている。こういった本をきっかけに、もうちょっと考えてみてもいいかもしれない。
あと、良い人材を探すだけじゃなく、能力を引き出すのも重要。
技術者との接し方はもちろん、椅子の選び方まで書いてます。
ソフトエンジニアを探している人はもちろん、エンジニアの人にとっても、自分の市場での評価や自分の能力を発揮させるための仕事環境を客観的に見直すには面白い内容です。
ぜひご一読を。
日本ではちょっと、、なところありました
良いエンジニアを雇いたければ、高額なブランドものの椅子を置けとか、ネットで好き放題ショッピングさせろとか、日本の大企業では考えられないアドバイスもあります。先進的なソフトハウスでは合うかもしれませんが、いまだネズミ色の机ならべて、車輪の取れたダニだらけの椅子もあったりして、それでもコストカットにがんばって開発している大銀行のプロジェクトでこんなことまでして良いエンジニア雇う余裕ありません(汗)
採用担当者だけではなく応募者にも管理職にも有益な内容
本書は採用担当者のための本と言うことになっていますが、応募者にも管理職にも有益な内容になっています。
ジョエル氏の主張はおおよそこんな感じである。
採用について
1.インターンシップを利用する
2.有名大学や開発者会議へ自分から出向く
3.社員の紹介はあてにならない
4.良い人に来てもらうために社内の開発環境を良くしよう
5.履歴書は振るい落としに使うだけにする。
学歴や経歴で面接の順番を決めると効率が上がるが、それらで採用を決定してはいけない。
6.電話面接でさらに振るい落として手間を省く
7.面接でコードを書いてもらう
8.面接でクイズや知識だけの質問は最悪
9.落とした応募者にも会社に対して良い印象を持ってもらおう
職場の管理について
1.軍隊式管理は知的職業に向かない
2.従業員を数値的なもので評価すると、従業員はその数値を上げることに熱心になり、実際の効率は下がる。
3.社員を管理するよりも社員を教育しよう
4.社員と組織のゴールを一体化させよう。これが最高の方法だが、非常に困難である。
5.ジョエル・テストを使おう
全部読んでみると、結局のところ組織の管理と採用は表裏一体であることが分かります。
組織を改善せずに良い人に来てくれと言っても誰も来ません。
本書は非常に良い事が書いてありますが、以下の点を差し引く必要もあります。
1.ジョエル氏の経営するFog Creek Softwareは社員数十名の中小企業
2.少数精鋭。本当に優秀な人しか雇わない。
3.採用数は数名
4.社長のジョエル氏が未だに技術者で現場を良く理解している
5.アメリカの企業である
本書の内容は中小企業だからこそできることかもしれませんが、大企業でも参考にするべきことは多いはずです。
プログラマをより理解できる内容
採用に口を出せる立場でもありますが、どちからというと採用をされる側、プログラマの立場で読みました。「そうそう、プログラマってそうなんだよ」と共感できる部分が多く、採用に限らずプログラマへの理解を深めるのに有効な本ではないかと思いました。
もちろんタイトルに沿った内容で、履歴書や面接での質問方法など具体的かつ実践的な内容も数多く含まれているので採用担当の方に十分おすすめできると感じました。元プログラマでプログラマの気持ちはわかっているという方でも復習になると思います。
日本語訳も特に違和感を感じず読むことができました。
